シンカー:設備投資サイクルのレンジの上振れは、企業の期待成長率と期待インフレ率、そしてROEの目線の上昇を示唆している。
企業行動が投資から貯蓄に変化したことが総需要を破壊し、デフレ長期化の原因になっている。
企業貯蓄率に先行する設備投資サイクルが、バブル崩壊後はじめて、16%の天井を打ち破った。
AI、IoT、ロボティクス、ビッグデータ、5Gなどの生産性向上の新たな技術革新が追い風だ。
遅れていた中小企業のIT投資もかなりの強い拡大を見せ始め、生産性が向上する可能性。
設備投資サイクルのレンジの上昇は、企業の期待成長率とインフレ期待の上昇を意味する。
企業貯蓄率が正常なマイナスに回復すれば、総需要を破壊する力がなくなり、デフレ完全脱却となる。
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部
チーフエコノミスト
会田卓司