「書棚の本の間に挟んでいたはずの“へそくり”がどこかに行ってしまい焦っている」というのが、漫画やアニメでよく見るへそくりのイメージかもしれません。別に隠しているわけではないけれど、部屋のどこかにお金を置いていたり、いざというときのためにカバンや手帳にお札を忍ばせていたりという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

今回は、ちょっと気になる他人の「へそくり事情」に迫ってみましょう。

みんなのへそくり額はどのくらい?

じぶん銀行
(画像=PIXTA)

スパークス・アセット・マネジメント株式会社が行った「夫婦のマネー事情と夫婦円満投資に関する調査2016」によりますと、へそくりをしている人の割合は、全体で45.2%。男性では43.6%、女性では46.8%です。(2016年9月時点)つまり、既婚男女の半数近くはパートナーに隠して“へそくり”をしているということがわかりました。

また、男女別にへそくり額の中央値を見てみると、男性は17万5,000円、女性は50万円ですので、妻のほうがより多く貯めている傾向です。女性のへそくり額が多いのは、女性が働く時代になり自由になるお金が増えていることや、貯金上手な女性が多いといったことが関係しているのかもしれません。

FPおすすめの“へそくり”方法は?

目的を持って貯蓄をするなら、最初から夫婦で管理している預金口座に貯めるはずです。しかし、配偶者に内緒で“へそくり”として貯めているということは、「何か自分が困ったときに使えるお金」として貯めているのかもしれません。また、家族が困ったときにも使おうという気持ちもあり、もしもの時のお守りがわりに貯めているのでしょう。

そんなゆるい気持ちでお金を貯める場合におすすめの方法は、500円玉貯金をしたり、臨時収入や、使う予定のお金を使わなくて済んだときに、そのお金を別にとっておいたりするのが手軽な方法です。しかし、キャッシュレス時代の現在、「スマホの家計簿アプリで家計管理をしていて現金はあまり手元に置かない」という方も多いでしょう。

そんな方はスマホアプリで、“へそくり”はいかがでしょうか。例えば、「買い物で出た小銭を持ち歩くのがイヤ」という男性が家で小銭を貯めていることがありますが、同じことができるスマホアプリがあります。よく使うクレジットカードや家計簿アプリと連携させ、買い物で出たおつりを貯めておき、月に1回、指定した金融機関の口座から引き落としで投資に回すという仕組みのアプリです。 引き落としは一定額までおつりが貯まらなければ行わないものや、投資するおつりを選べたり、投資金額の上限を設定できたりするものもあります。アプリならいくら貯まったかも把握でき、お金の管理がしやすいですね。「おつり」で投資といっても「難しそう」と思われるかもしれません。

しかし、いくつかのコースから投資方法を選べたり、あらかじめ投資する商品が設定されていたりと、簡単に自分にあった投資を始めることができます。また、投資に抵抗がある方は便利な自動貯金アプリもありますし、あまったポイントを投資するアプリなど新しいサービスが続々と誕生しつつあります。

これらの中から自分に合ったサービスを選んで“へそくり“をするのはいかがでしょうか。スマホで管理するため、家族に内緒で行うことも可能です。

賢い“へそくり”のススメ

家族旅行や誕生日などにサプライズで驚かせようとこっそり自宅でお金を貯めて“へそくり”をしていると家族に見つかってしまった……という懸念材料があります。また、自宅にたくさんのお金を置いておくと盗難や自然災害など突発的なリスクがあることも忘れてはいけません。そのため、ある程度まとまった金額になったら預金口座に移すなどの対策を講じてリスクを回避しましょう。

生活費用の口座に入れると、公共料金の引き落としなどでいつの間にか使ってしまう可能性があります。“へそくり”は貯めるための専用の口座に入れておいたほうが賢明です。何かあったときに使える“へそくり”があれば、家計の安心につながり心の余裕が生まれます。ひょっとすると家族から感謝されるかもしれませんね。(提供=auじぶん銀行)

執筆者:福島佳奈美(ファイナンシャルプランナー)

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