仕事は給料だけで決めるものではないかもしれませんが、自己評価より給料が少ない場合は不満がつのりモチベーションが下がります。給料が思うように上がらない場合は、その理由が会社にあるのか、自分にあるのか考える機会をもち、解決に向けて一歩踏み出すことが大切です。

日本企業の給料が上がらないといわれる3つの理由

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(画像=PIXTA)

近年日本経済は好景気に転じたといわれていますが、一方で実質的な給料はそんなに上昇していないという声も聞かれます。日本企業の給料が上昇しない理由については、シンクタンクやエコノミストによって多くの意見が飛び交っていますが、大きく分けると3つあげられます。

給料が上がらない理由が会社や社会環境にある3つのパターン

給料が上がらない理由が会社や日本の社会環境にある場合のパターンは3つあります。このパターンは、なかなか自分の力では解決できない課題ですが、何で給料が上がらないのかと疑問に思う時に知っておきたい内容です。

労働組合による賃金交渉力の低下

日本企業の給料が上がらない理由に労働組合の存在意義の変化があげられます。労働組合の存在意義に大きな変化が起こったのは、バブル崩壊後の対応です。景気低迷後の企業経営の対応では、人員カットではなく給料調整の道を企業と労働組合が選択し合意したケースが多かったのです。

バブル崩壊以前の労働組合の大きな存在意義は賃金アップの交渉でしたが、バブル崩壊後の対応で給料調整の道を企業と労働組合が選択し合意した後は、賃金アップに対する交渉力が減少しています。企業の業績が思わしくないという申し出を受ければ、ベースアップの据え置きや減額に応じてしまう状況が継続しているのです。

労働組合の弱体化は、多くの企業が従業員の給料アップより内部保留を増やしていく経営方針を可能にし、さらに賃金が上がらない状況をつくりだしたのです。

非正規社員の割合増加

非正規社員が増加したことも、実質賃金が上がらない大きな要因といわれています。1999年の労働者派遣法の改正によって派遣業種が原則自由化し、どの業界でも基本的に派遣社員を雇用できるようになったあたりから、企業が低賃金の非正規社員を雇用しやすくなりました。

少子高齢化による人手不足対策

少子高齢化による人手不足は、日本企業にとって重大な課題です。人手不足対策を給料の側面から見てみると、企業は低賃金で雇用できる非正規社員やパートタイマーの雇用を増やし対応しています。60歳定年後再雇用された従業員や65歳以降も継続雇用している企業も多いのですが、こちらも低賃金で雇用されています。

給料が上がらない理由が自分にある2つのパターン

給料が上がらない理由が自分にある場合は、解決策を実行することで給料がアップする可能性があります。ここでは、給料が上がらない原因が自分にある2つのパターンをご紹介します。

専門的なスキルをもっていない

自分の担当している業務が専門的なスキルを必要とする業務なのか、そうではないのかという点は、給料上昇に大きく左右する項目です。専門的なスキルを必要とする業務は給料が上がりやすく、スキルが必要でない業務は給料が上がりにくいのです。

専門的なスキルを必要とする業務につくには、資格を取得したり、キャリアアップのための部署変更のリクエストだしたりと、実際に行動を起こす必要があるでしょう。

人事評価制度を理解していない

自分自身が会社の中でどうすれば給料が上がるのかという仕組みを知らない場合も、給料の上昇は期待できません。従業員の給料や昇給の仕組みは、人事評価制度で決められています。明確な人事評価制度がない場合は、上司や人事担当者に相談してみましょう。

給料が上がらないときの解決策は?

給料が上がらない理由が自分にある場合は、問題点を見つけて改善することで給料アップができるかもしれません。しかしながら、自分の力では給料アップが望めない場合や、深刻な問題がある場合は、今の会社から転職することや、現状の給料を維持しながら副業をスタートさせることも解決策として有効です。

転職

令和元年上半期雇用動向調査結果の概要のなかの、転職入職者の賃金変化状況をみると、転職者の前職の賃金に比べ、転職後の賃金が「増加」した割合は 35.3%で、 「減少」した割合は 35.8%、「変わらない」の割合は 27.3%となっています。

転職したことによって、全ての転職者が給料アップにつながると言い切れませんが、転職は給料アップへのチャレンジ方法のひとつでしょう。

副業

近年、従業員の副業に対する考え方もだいぶ変化しています。会社の規定や制度を確認したうえで、副業が可能であれば副業をスタートするのも、収入を増やすための一つのアイデアです。

給料が上がらないときは仕事に対する考え方を変えることが大切

給料が上がらないと感じた時には、まず原因を分析してみましょう。自分で解決できることが見つかれば行動に移すことが必要です。特に、会社および部署ごとの目標と自分の目標が一致していることや人事評価制度の確認はいますぐにでも実行可能です。給料が上がらないときは、現状をじっくりと検証し、仕事に対する考え方を変えることが大切です。

文・小塚信夫(ビジネスライター)/fuelle

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