決算書,作り方
(写真=Black Salmon/Shutterstock.com)

2019年粉飾企業の倒産は大幅増加
~ 長期にわたる粉飾複数発覚 ~

はじめに

2019年の企業倒産件数は8354件発生、2年ぶりの前年比増加となった。小規模倒産が大半を占める中で、中堅以上の企業で“粉飾”が相次いで発覚。なすすべもなく倒産に至る事例が目立っている。業績好調と目されていた企業が、隠し通せなくなったタイミングで長年にわたる粉飾をカミングアウト、その後倒産に至っており、取引先や金融機関が受けるダメージは計り知れない。また、粉飾決算が相次ぐ状況は、企業の財務内容に対する信頼を大きく揺るがす事態となっている。

帝国データバンクでは、不適切な会計処理が判明した粉飾企業の倒産を集計。2019年(1 月~12 月)の同倒産(法的整理のみ)について分析した。

調査結果

1 2019年の粉飾企業の倒産は85件判明。前年を26.9%上回り、大幅増加になった

2 業種別では「卸売業」が30件で最多。以下、「製造業」(15件)、「建設業」(14件)と続いた

3 負債規模別では負債額「10億円以上」の倒産が33件発生、前年を43.5%上回り大幅に増加した