ベントレーが新型フライングスパーのインテリアの詳細を公開。キャビンは1台当たり3kmを超える糸を使用して縫製
ベントレー・モーターズ・ジャパンは1月29日、新型フライングスパー(Flying Spur)のインテリアの詳細をアナウンスした。
「豪華リムジンの雰囲気をあわせもつスポーツセダン」を謳う新型フライングスパーは、英国で昨年の6月11日に発表。日本では昨年12月4日より予約受注を開始し、今年の第2四半期にデリバリーを開始すると予告している。
グランドツアラーとしての大幅なレベルアップを果たした新型フライングスパーは、内包するインテリアのアレンジも大きなアピールポイントである。
「ベントレー史上最も凝ったインテリア」を謳うハンドメイドの内装は、全部で350片の1つひとつ形の違うレザーパーツがそれぞれ141名のベントレーの職人の手にゆだねられ、総延長3km以上もの糸で60個の特注部品へと装飾され、フライングスパーのインテリアとして組みつけられる。ちなみに、製作する職人はベントレーのマスタートレーナーによる最低5カ月間のトレーニングによって、必要かつ膨大なテクニックを習得するそうだ。
使用するレザーハイドは、そのすべてが北欧産の雄牛を使用し、その副産物として持続可能な方法で調達される。この厳選したレザーは、より冷涼な気候帯にあることで寄生虫が少なく、同時に傷のないレザーの風合いを保っているという。そして、フライングスパーでは14色ものレザーハイドを用意し、さらにコントラストカラーとして23種類のステッチ用の糸を取りそろえている。
各パーツの凝ったアレンジも訴求点だ。重要部品の1つであるステアリングホイールは、極めて精巧な手縫いのレザー製品。ステアリングホイールのステッチは、168個の独特のクロスステッチを生み出すために352個の縫い穴に長さ5mの糸を正確に通している。1つのステアリングホイールを縫い上げるのには、3時間半ほどかかるそうだ。また、種類の異なる5つのミシンに太さの違う糸を使用して、インテリア全体の複雑な細部の仕上げを実施。たとえばエアバッグ用部品まわりのステッチは、安全性を最優先に考えてより細い糸で繊細に仕上げている。
高いホールド性と快適性を誇るシートについては、合計12時間をかけて手組で仕立てられる。各シートのヘッドレストまわりに施されるオプションのベントレーウイングの刺繍は、5103個のステッチから入念に製作された。また、ベントレーEXP10スピード6のデザインコンセプトにインスパイアされた、自動車用としては初採用となる3次元ダイヤモンドキルテッドレザー仕様のドアインサートを新規に採用。英国ブランドの革新性と細部へのこだわりを、目いっぱいに表現している。
なお、新型フライングスパーはパワートレインに5950cc・W型12気筒ツインターボTSIエンジン(635ps/900N・m)+8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)+アクティブ4WDを搭載。ボディサイズは全長5325×全幅1990×全高1490mm/ホイールベース3195mmに設定し、日本でのプライスタグは2667万4000円を掲げている。
(提供:CAR and DRIVER)