(本記事は、津井 輝氏の著書『「競売不動産」で資産を増やす方法』実業之日本社の中から一部を抜粋・編集しています)
【コラム①】担保価値が高いサラリーマンこそ融資を受けやすい
金融機関は「晴れているとき、傘を差しだし、雨が降りはじめると、傘を取り上げる」といわれています。このセリフはある金融機関で融資を受けたとき、銀行の融資担当者が笑いながら言っていた言葉です。銀行はお金を必要としている人たちに、お金を貸してはくれますが、どんなにお金が必要でも、返済が滞りそうな人、貸し倒れになりそうな人には絶対貸しません。
そんな慎重な審査姿勢で融資審査をしても、貸し倒れになる可能性は残っています。銀行はそんなリスクをカバーするためにも、しっかりとした担保提供を求めてきます。融資対象物件そのものの担保価値はもちろん、最初に入れる頭金の金額、保険への加入義務など、可能なかぎりリスクヘッジをしてきます。
そのなかでも彼らが注目しているひとつは、融資対象者の属性ではないでしょうか。その人自身が、いくらの担保価値があるかを見ています。
サラリーマンは毎月決まった給与という安定した入金があります。病気で働けない期間があっても、一定金額は保証されています。しかも、源泉徴収票を見れば、その人が年間いくらの収入があるか一目瞭然で、ある程度の未来予測が付きます。
仮に融資したお金が貸し倒れになりそうだとしても、この給与口座を押さえてしまえば、お金が本人の手に渡る前に、金融機関が毎月一定額を回収することも可能です。担保提供を受けた物件を競売にかけて、融資全額を一気に回収できなくても、給与を押さえることで、取りこぼしの可能性をずいぶん下げることができそうです。
金融機関から見た場合、サラリーマンは安全パイにみえるのではないでしょうか。そういう意味では、小さな企業の社長より、サラリーマンのほうが融資は通りやすいという話も頷けます。
あるカード会社の営業マンとのお話です。話題はプレミアムカードについてのときでした。小さな企業の社長さんは、プレミアムカードの審査にバンバン落とされているとのことでした。カード会社は、決済金額ではなく、リスクの大きさを見ているからです。社長は稼ぎがよいときはいいのですが、売り上げが落ちたとき、返済が滞ってしまう可能性があるとのことでした。
その点、サラリーマンは安定した給与があるので、ローン返済の焦げ付きリスクが低い、信用度が高い、つまり担保価値が高いという話を聞きました。
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