(本記事は、津井 輝氏の著書『「競売不動産」で資産を増やす方法』実業之日本社の中から一部を抜粋・編集しています)
競売におけるリスク
競売というシステムそのものには、次のようなリスクがあります。
・瑕疵担保責任の適用がないリスク(購入したときにわからなかった欠陥があった場合、売主が買主に対して負う責任) ・落札者の費用と責任において、居住者に対し、物件の明渡しを求めなければならないリスク ・事前に物件の内側を確認できないリスク
これらを見て、やはり不動産投資はやめておこうかと思うかもしれません。でも、安心してください。これらのリスク対策については、第4章で説明します。
競売のリスクは簡単にメリットに変えられる
ここでは競売最大のリスクを、メリットに変えることを説明します。
競売における最大のリスクは、すでに述べたとおり、物件を落札して入手した人の費用と責任において、居住者に対し、物件の明渡しを求めなければならないことです。
昔はプロの占有屋と呼ばれる人がいました。プロの占有屋とは、競売物件に不法に居座り、物件入手者から法外な立ち退き料を要求する人のことです。
現在では法整備も整い、「明渡し訴訟」や「引渡し命令」そして「強制執行」など、不法占有者に対して、合法的に明渡し、追い出しができる環境は整っています。こうした法律を盾にして、感情を抜きにすれば、追い出しはやってやれないことはないと思います。しかし、普通のサラリーマンがこうしたことを実行するにはメンタル的、時間的、コスト的なハードルが高すぎます。普通の人ならここで諦めてしまうのではないでしょうか。
でも、よく考えてください。力ずくで追い出さなければならない物件を落札するから苦しむのです。つまり、住んでいる人を追い出す必要がない物件を落札すればいいわけです。
具体的にいえば、アパートなどの収益物件を競売で落札します。賃貸アパートに毎月家賃を払って入居している人をわざわざ追い出す必要はありません。むしろ、家賃を払っていただけるかぎりは、ずっと出ていかずに居座っていていただきたいほどです。
物件オーナーの最大の悩みは、空室による家賃収入が発生しないことです。この空室リスクを入居済みのアパート競売物件はカバーしてくれるのです。「明渡し」をしなくても済む、入居者を追い出す必要がない競売物件、それはアパート競売です。
どうですか。こう考えることで、リスクは大きなメリットになるのです。
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