新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中に大打撃を与えている。
健全な企業経営を維持するためには、経営者自身も健康をキープしなければならない。『食べる投資〜ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)の著者であり、経営者御用達のアンチエイジングクリニックの院長でもある満尾正氏に、経営トップだからこそ押さえておきたい健康法を伺った。(聞き手・くすいともこ、撮影・森口新太郎)
※本インタビューは4月初旬オンラインで行われ、撮影のみ別途実施しました
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新型コロナ対策、キーワードは「免疫力」
――コロナショックが広がる中、先生のクリニックでお問い合わせは増えているでしょうか?
もちろん、皆さん心配されています。お問い合わせで多いのは「メディアで報じられていないことで、何か有益な情報はありませんか」ということですね。
実際、世界中で日々、新たな情報が発表されており、私も日々チェックしています。当医院のwebサイトでも、COVID-19(新型コロナウイルス)対策のパンプフレットをアップしていますので、よろしければぜひご覧になってください。
新型コロナウイルス対策として大切なことは2つあります。まずは人が密集している場所を避ける、手洗いを徹底するなど、皆さんがすでに実施されている「ウイルスと接触しない」ということ。
もう一つは皆さんの免疫力を上げることです。こちらはなかなかメディアではズバリ教えてもらえないというか、個人差も多いことなので伝えにくいとは思います。
ウイルスと接触しないことがもちろん大事ですけれども、100%ウイルスを防ぐことはできません。そこで、ウイルスが体内に入ってきたとしても対抗できる免疫力を上げておくことも大切、ということになるのです。ウイルスを避けること、自分の免疫力を上げること、この2つの柱を考えてみてはどうか、ということですね。
――具体的にはどのような食品が免疫力アップには良いとされているでしょうか?
最近(※取材時点、4月初旬)の情報では、「エピガロカテキン」という緑茶に含まれる成分がウイルスの増殖を抑えるのではないかというデータが海外から出ています。
緑茶以外ですと、昔からモズクに含まれるフコイダンが有名なんですけれども、そういうものもいいのではないかと。青魚やビタミンD、発酵食品である納豆、さらには、海藻がもともと免疫力を上げるというのでよいのではないか、と発信しています。
日本や韓国は、世界でも(新型コロナウイルスによる)死亡率が比較的低いのは、そのような免疫力を上げる食材や栄養を摂りやすい食生活にあるのではないか、と私は考えています。
納豆がもともとウイルス対策として注目さている理由
――先生の著書『食べる投資』でも最初に「毎日、納豆1パックを食べる」ようにと紹介されています。
納豆は特に新型コロナウイルスに対するものではなく、もともと大事なものとして伝えてきました。
日本酒を作るときに、杜氏さんは絶対納豆を食べてはいけないというのを聞いたことがあるでしょうか?納豆菌が麹菌の発育を邪魔してしまうんですね。
納豆には、ウイルスの働きを抑える抗ウイルス作用があるというのはもともと知られています。ただ、今回のコロナは新しいウイルスですから、納豆が新型コロナウイルスに対してどうこうっていうのはまだ誰も知りません。けれども、一般論としていうと、納豆は抗ウイルス作用があるということです。
なぜかというと、新型コロナウイルスの患者さんの糞便からコロナウイルスが検出されています。つまり、腸の中でウイルスが増えている可能性があるので、それを納豆菌が抑えてくれるかもしれません。
あとは、ウイルスに接触しないという意味で、トイレから移る可能性もあるということです。もし感染者がトイレを使っているとウイルスが残っている可能性があるので、くれぐれも気をつけて利用するということですね。
現代人の95%に不足している「ビタミンD」とは?
――アンチエイジング治療についてお伺いしたいのですが。
その前に、ビタミンDのお話をしましょうか。