日本においても、全国緊急事態宣言で休校期間が長引く懸念から、オンライン授業や教材の導入が検討・推進されている。
長期間にわたり学校閉鎖が続く欧米では、オンライン学習やリモート授業などを取り入れたホームスクーリング(Home Schooling)が、ロックダウン中の家庭生活の一部となっており、リモートワーク同様、解除後もある程度定着すると予想されている。
こうした背景が、2025年までに3500億ドル(約37兆6206億円)市場に成長すると予想されているオンライン教育市場を、さらに加速させる可能性がある。
米国で250万人の子どもが実践する「ホームスクーリング」とは?
ロックダウン中の緊急教育対策の一環として、欧米の多くの国でホームスクーリング・システムが急きょ構築されている。政府と役所、自治体、教育機関が提携し、リモート環境でも学習しやすく、親の負担を最小限にとどめられることが期待されている。
ロックダウン中のホームスクーリングは、あくまで学校が再開するまでの一時的なものだが、一部の国では従来の学校に代わるオルタナ教育として、年々増加傾向にある。
本来のホームスクーリングは、教育方針・健康・宗教上などの理由で、子どもを一般の学校に通わせずに自宅で義務教育を行うというもの。
1970~80年代、既存の教育システムに疑問を抱いていたレイモンド・ムーアなどの米作家が、続々とホームスクーリング関連の書籍を出版したことが、オルタナ教育を検討する親の増加につながった。
米国の国立家庭教育研究所(NHERI)のデータによると、「オンライン学習発展国」といわれる米国では、過去数年にわたり、ホームスクーリングを選択する親が年間2~8%増加。2019年には、約250万人のK-12の子ども(幼稚園~高校2年生)が自宅で義務教育を受けている。