【目次】
①️コマースOneホールディングスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【6/17更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【6/11更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社コマースOneホールディングス
- コード
- 4496
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役 岡本 高彰 /1968年生
- 会社住所
- 東京都千代田区四番町6番地 東急番町ビル
- 設立年
- 2006年
- 社員数
- 4人(2020年4月30日現在)
- 事業内容
- ECプラットフォーム関連事業
- URL
- https://www.cm-one.jp/
- 資本金
- 100,000,000円 (2020年5月22日現在)
- 上場時発行済み株数
- 3,761,700株
- 公開株数
- 534,000株
- 連結会社
- 3社
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/06/09→1,400~1,600円に決定
- ブックビルディング期間:2020/06/11 - 06/17
- 公開価格決定:2020/06/18→1,600円に決定
- 申込期間:2020/06/19 - 06/24
- 上場日:2020/06/26→初値6,970円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- 岡本高彰 33.83%
- Asian Asset Acquisition Pte., Ltd. 25.00%
- (株)フューチャースピリッツ 14.99%
- (株)オプトホールディング 11.88%
- 星野裕子 5.43%
- 越智哲生 2.33%
- 北川輝信 2.08%
- 熊谷儀七 1.89%
- NIFSMBC-V2006S3投資事業有限責任組合(SMBC VC) 1.00%
- オリックス(株) 0.83%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/03 単体実績
213,689 123,387 129,982 365,656 - 2018/03 連結実績
1,665,642 280,044 232,687 900,009 - 2019/03 連結実績
1,952,433 357,468 294,333 1,273,479 - 2019/12 第3四半期連結実績
1,604,016 338,472 234,466 1,111,170 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年9月23日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 8億5440万0000円(534,000株×1,600円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- なし
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社コマースOneホールディングス<4496>は、ECサイト運営の支援サービスをSaaS形式で提供するECプラットフォーム事業者である。
■事業内容詳細
同社は持株会社であり、同社、株式会社フューチャーショップ、株式会社ソフテル、株式会社TradeSafeの計4社からなる企業グループ(以下、同社)を形成している。
グループ各社はECサイト運営を支援するサービスをSaaS形式で提供するECプラットフォーム事業を、国内中堅・中小ECサイト運営企業向けに展開している。
●株式会社フューチャーショップ
株式会社フューチャーショップではSaaS型EC構築・運用プラットフォーム「futureshop」を展開している。「futureshop」は成長志向の中堅中小企業を支援する、プロユースのECコマースサービスである。
既に2,500店舗以上の利用実績があり、2019年3月期の年間流通額1,115億円、1店舗あたり年間流通額4,520万円となっている。
月額費用のみの完全ストック型モデルで個別カスタマイズは一切行っていないが、2,500以上のECユーザーを有しており、有益な個別オプションの提供が特徴である。
●株式会社ソフテル
販売管理・在庫管理ソフト「通販する蔵」のサービスを提供している。大手インターネットショッピングモール及びEコマースフロントシステムとのデータ連携機能を搭載しており、Eコマースのバックエンド側業務の効率化を実現する。基幹システム・POSメーカーとの接続により大手企業にも対応しており、Eコマース事業の成長をバックエンド側から支援するサービスである。
「通販する蔵」は月額費用の“ストック型モデル”と、顧客の業務フローに合わせた“カスタマイズモデル”の両者のモデルを持つ、ハイブリッド型のビジネスモデルとなっている。
■成長戦略
同社は中堅・中小企業小売店のデジタルコマース化を推進し、DX(デジタルトランスフォーメーション※)の実現を目指している。
各プロダクトが保有するデータを活用した新しい付加価値提供に加え、各社のノウハウを統合したコンサルティングを行い、ユーザーに新しい付加価値の提供をし続けることでユーザーと共に継続的に成長する好循環を作り出す計画である。
※DX→企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
■2019年3月期部門別損益
2019年3月期 売上高20億円、経常利益3.6億円
・株式会社フューチャーショップ 売上高14億円、経常利益3.4億円
・株式会社ソフテル 売上高5.4億円、経常利益0.4億円
・株式会社TradeSafe 売上高0.4億円、経常利益0億円
株式会社フューチャーショップの売上が全体売上の約7割を占め、黒字額も同社が殆どを占めている。ただし残り2社も黒字化はしている。
■業績推移
2017年3月期 売上高2.1億円、経常利益1.2億円、当期純利益1.3億円
2018年3月期 売上高17億円、経常利益2.8億円、当期純利益2.3億円
2019年3月期 売上高20億円、経常利益3.6億円、当期純利益2.9億円
2020年3月期 売上高22億円、経常利益4.3億円、当期純利益2.9億円
2021年3月期(予想) 売上高22億円、経常利益3.5億円、当期純利益2.3億円
※2018年3月期より連結決算
着実に増収増益を重ねており、2020年3月期は売上高22億円、経常利益4.3億円を達成した。ただし2021年3月期は新型コロナウイルス問題の発生による営業自粛の影響などから、若干の減収の予想となっている。
当初は2020年4月のIPOを予定していたが新型コロナウイルス問題の発生などにより、上場申請を取り下げた後、再度2020年6月のIPOを予定している。
尚、公開申請決算期は2019年3月期であり期超え決算での上場である。
■財務状況
2019年3月期末時点の資産合計21億円に対し純資産合計13億円、自己資本比率61%である。
借入金1.3億円に対し現預金8.8億円を有しており、財務内容に対し特段の懸念事項はない。
投資有価証券として台湾のシステム開発会社であるWistron Information Technology & Services Corpの株式などを5.8億円所有している(事業シナジーを目的)。
■資金使途
IPOにより2.2億円の資金調達を行う。
事業拡大に係るグループ人材開発費用として0.5億円を充当し、残りは「futureshop」及び「通販する蔵」のカスタマイズ効率化などの機能充実のためのソフトウェア開発資金に充当される。よって調達資金の大半はソフトウェア開発に充当予定である。
■株主状況
岡本社長が株式シェア34%を有する筆頭株主である。第2位株主Asian Asset Acquisition Pte.,Ltd.(株式シェア25%)はシンガポール在住の資産管理会社であり、同社への投資目的は純投資である。
第3位株主(同15%)は株式会社フューチャースピリッツ(サーバーのホスティング等、未上場)、また第4位株主は岡本社長の以前の所属先である株式会社オプトホールディングス(2389:同12%)となっている。
VCとしてNIFSMVC-V2006S3投資事業有限責任組合が出資(株式シェア1.0%)している。また金融機関としてオリックス(同0.8%)、三菱UFJ銀行(同0.3%)、みずほ銀行(同0.2%)、三井住友銀行(同0.2%)が出資している。
■まとめ