※本連載は日本でまだ翻訳されていない海外のビジネス書を紹介しています、書籍タイトルは著者による翻訳です

困難なときにこそ、どう生きるかが問われるのが人生と言える。社会的に困難の多い時期にこそ知っておくべきなのは、良い人生を生きるためにはどうしたら良いのかという点であろう。

この書籍では、インドの経済学者アビジットV.バネルジー氏による、その問いに対する一つの答えが展開されている。

Rebel Ideas
Good Economics for Hard Times『困難な時代の経済学』
アビジットV. バネルジー著
出版社:PublicAffairs
発売日:2019年11月12 日
ジャンル:ビジネス書

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書籍概要

この書籍では、今日の社会が直面している様々な問題と、それに対する経済学的なアプローチについて述べられている。例えば、移民と不平等の問題、グローバリゼーションと混乱する技術、気候変動と経済的成長の鈍化など…。

これらの問題は、インドやアメリカ、ヨーロッパだけの問題ではない。今や世界中が共通して抱える「困難」ということができるだろう。このような問題に対し、我々は不安を抱いて震えているわけにはいかない。問題を打破し状況を改善に向かわせるために、どのように対処することができるのかを、アビジットV. バネルジー氏は経済学的視点から教えてくれる。

経済学的と言っても、経済学の下地がなければ理解できないような難解な理論や主張は多くない。この書籍は、現代生きる全ての人に求められ、理解される必要がある。そのため、大変明快にかつわかりやすく説明が展開されている。

この書籍で取り上げられている問題は、先進国だけの問題ではないし、途上国だけの問題でもない。移民問題や貿易、産業革命など、様々な問題について、世界中全ての人々が当事者として読めるように著されている。

現代社会は、困難な時代と言わざるを得ない局面を迎えようとしている。この社会においてどう生き抜くのか、そのヒントは、間違いなくこの書籍から見つけられるだろう。

この本をおすすめする読者層

現代を生きる全ての読者が、この書籍を読む必要があると考えている。「困難な時代」がやってきた現代、そしてその現代をこれから生き抜かなければいけない我々。この時代を生き抜き、良い人生を送りたいと考えるのであれば、この書籍に道を問う価値は十分にあるだろう。

これまで経済学に触れることなく来た人であっても、この書籍は門戸を開いている。苦手意識を持つことなく、まずはページをめくってみてほしい。

著者について

インドの経済学者であり、現在はマサチューセッツ工科大学・フォード財団国際経済学教授。Abdul Latif Jameel Poverty Action Labの共同創始者でもあり、貧困対策の研究にも注力している。2019年ノーベル経済学賞受賞。