ネット銀行には振込手数料が安い、24時間利用可能といったようなさまざまなメリットがある。一方でこれまでネット銀行を利用したことのない人にとって、口座の開設は難しく感じるかもしれない。ネット銀行に口座を開設するメリットやデメリットを紹介するとともに、意外と簡単にできる口座開設の手順を解説する。

目次
1.ネット銀行で口座開設をする6つのメリット
2.ネット銀行で口座開設をする4つのデメリット
3.ネット銀行の口座開設までの日数比較
4.ネット銀行の口座開設の流れ
5.ネット銀行に向いている人の特徴とは?
6.自分に合ったネット銀行を

1.ネット銀行で口座開設をする6つのメリット

ネット銀行,口座開設
(画像=BillionPhotos.com/stock.adobe.com)

ネット銀行には紙の通帳がなく、パソコンやスマートフォンさえあれば誰でも簡単に取引できる。全国に数多くの提携ATMがあり利便性も高い。ネット銀行で口座開設をした場合、以下のような6つのメリットが受けられる。

メリット1…… 普通預金の金利が高い

メガバンクなどの一般的な普通預金の金利は年利0.001%だ。一方でネット銀行の普通預金は金融機関によって違うが、メガバンク以上の金利が多い。

たとえば、あおぞら銀行BANK支店ではメガバンクの200倍もの金利を提供している。預金の金利を重視している人にとっては大きなメリットだと言えるだろう。(※金利はすべて税引前 、2020年6月時点)

メリット2……振込手数料が安い

ネット銀行では多くの場合、150円から300円程度で他行宛に振込ができる。また利用状況などに応じて1ヵ月ごとに複数回、手数料が無料になることも多い。

メガバンクのATMで他行宛に3万円以上の振込をするときは、振込手数料として440円(キャッシュカード利用時)がかかる。

他行宛の振込回数が多い人は、ネット銀行に口座を開設したほうがよりメリットを感じられるだろう。

メリット3……24時間利用できる

ネット銀行では多くの場合、実店舗がなくインターネットのみでさまざまな取引に対応している。そのため店舗の営業時間に縛られず24時間いつでも取引できる。

ただし、システムメンテナンスなど、一部利用できない時間帯もあるので注意しよう。

メリット4……スマホやパソコンで利用できる

ネット銀行はスマートフォンやパソコンから振込をしたり残高の確認をしたりすることができたりする。スマートフォンやパソコンさえあれば時間や場所を選ばず、いつでもどこからでもオンラインで口座取引ができるのが魅力だ。

メリット5……めんどうな記帳が不要

一般的にネット銀行では通帳が発行されないため、取引明細確認のための記帳は不要だ。その代わり取引明細はスマホやパソコンから、リアルタイムの残高や取引明細を簡単に把握できる。

メリット6……口座開設手続きは最短で3分程度

ネット銀行の口座開設は来店不要なうえ、銀行によっては最短3分程度でオンラインから口座開設手続きが完了する。口座開設のために銀行の窓口で長時間待たされることを考えると、わずか3分で手続きが完了するネット銀行はありがたい存在だろう。

ただし口座開設の申請後、キャッシュカードの郵送まではある程度の時間が必要だ。

2.ネット銀行で口座開設をする4つのデメリット

ネット銀行は高金利など様々なメリットがある反面、ネット銀行ならではのデメリットも存在する。あらかじめネット銀行のデメリットをしっかりと理解しておけば、口座開設後も不安なく利用できるだろう。

デメリット1……実店舗がないため対面相談ができない

メガバンクであれば全国のさまざまな場所に支店があり、地銀であれば地域の中に数多く支店が存在する。しかしネット銀行の場合はそのほとんどで実店舗が存在しない。

店舗がないため対面での相談などはできず、コールセンターや問い合わせフォームなどからの相談となるだろう。対面での相談を希望している人には不便かもしれない。

デメリット2……暗証番号以外のパスワードの管理が必要

一般的な銀行でも4桁の暗証番号があるが、ネット銀行の場合は暗証番号の他にログインパスワードなどが必要になり、自分でパスワードの管理をする必要がある。パスワードの紛失などがないよう自身で適切な管理が必要だ。

デメリット3……セキュリティ面の対策が必要

ネット銀行では悪意ある第三者がインターネットを利用し、預金を不正に引き出すなどの犯罪も発生している。

ログインパスワードの定期的な更新やウイルス対策ソフトの導入などセキュリティ面での対策を個人がそれぞれ行う必要がある。

デメリット4……自社ATMが少ない場合もある

メガバンクや地銀など一般的な金融機関は自社のATMを多数設置していることが多いが、ネット銀行は自社のATMの数は少ない傾向がある。

ただしネット銀行では提携ATMとして他社のATMと提携し利便性を高めていることが多いので、開設する前に提携先をあらかじめ調べておこう。

3.ネット銀行9社の口座開設までの日数を比較 最短5日で口座開設

ネット銀行で口座を開設する場合、各金融機関によって口座開設までの日数が大きく異なる。各ネット銀行の具体的な口座開設までの日数は以下の通りだ。(口座開設までの期間は手元にキャッシュカードが届くまでの日数とする)

ネット銀行口座開設日数比較表

銀行名 口座開設までの期間
イオン銀行 最短2週間
ジャパンネット銀行 最短5日
auじぶん銀行 最短5日
住信SBIネット銀行 最短1週間
セブン銀行 最短1週間
ソニー銀行 最短5日
GMOあおぞらネット銀行 最短2週間
ローソン銀行 最短2週間
オリックス銀行 最短10日
※筆者作成、2020年6月時点

口座開設の最短はジャパンネット銀行、auじぶん銀行、ソニー銀行で5日程度

主要ネット銀行の中で、口座開設の日数が一番短かったのはジャパンネット銀行、auじぶん銀行、ソニー銀行の3行だ。それぞれ最短5日で口座開設が可能である。

最短1週間で口座開設できるのが住信SBIネット銀行とセブン銀行だ。そのほかオリックス銀行は最短10日、イオン銀行、ローソン銀行、GMOあおぞらネット銀行は2週間ほど必要である。ただし口座開設の申し込みが混み合っている場合などは、さらに日数がかかることもある。

最短日数での口座開設には必要書類をオンラインから提出することが重要

最短5日で口座開設が可能なネット銀行でも、開設方法の選択を誤ると場合によっては1週間以上時間がかかってしまう場合がある。

ネット銀行で最短での口座開設を実現するために特に重要となるのは、郵送などを利用せず、全ての手続きをオンラインで済ませてしまうことだ。申請用紙だけでなく本人確認書類なども郵送せず、スマートフォンやパソコンなどを活用してオンラインから提出すれば素早く口座開設ができる。

最短日数でのネット銀行の口座開設を希望している人は必ずオンライン申請を選択しよう。

4.ネット銀行の口座開設の流れ

各ネット銀行の口座開設手続きの流れを説明していこう。具体的な手順は以下の通りだ。

手順1……パソコンやスマホから口座開設の申請をする

多くのネット銀行の場合、実店舗がないためパソコンやスマートフォンから口座開設の申請をする必要がある。

申請は最初にメールアドレスを登録し、その後、名前や住所などの申請に必要な情報を入力していく。ネット銀行にもよるがパソコンやスマートフォンの操作に慣れていれば、入力は3分程度で終わるはずだ。一般的な銀行窓口での口座開設に比べれば、はるかに早いといえるだろう。

パソコンやスマートフォンからの申し込みが苦手な人は、ネット銀行によっては口座開設の申請書類を郵送で送ってくれる場合もある。その場合は書類記入後に郵送で提出すればよい。

手順2……必要書類を送付する

ネット銀行の口座開設申請が終わったら免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を金融機関へ送付する。

提出方法は郵送でも可能だが、ネット銀行によってはパソコンやスマートフォンから写真データをアップロードすることで提出できる場合もある。最短日数での口座開設を希望している人は本人確認書類を郵送せず、パソコンやスマートフォンを利用してアップロードしよう。

中にはキャッシュカード配達時に配達員に本人確認書類を掲示するだけで本人確認が完了するネット銀行もあるので便利だ。

手順3……開設完了後に初期設定をする

ネット銀行の口座開設申請や本人確認書類に不備がなければ、後日キャッシュカードや口座情報が郵送されてくる。到着し次第、初期設定を行えば無事にネット銀行を利用できるようになる。

5.ネット銀行の口座開設に向いている人の特徴

ネット銀行は口座開設も簡単でメリットも多いが、特にどのような人に向いているのだろうか。特徴をみてみよう。

⑴普段からパソコンやスマホ利用している人

日常的にパソコンやスマートフォンを利用している人は、ネット銀行での口座開設に向いているといっていいだろう。

口座開設だけでなく、利用明細の確認や振込もオンラインで完結するので、普段から機器の操作に慣れている人であれば簡単だ。

⑵24時間いつでもどこでも利用したい人

多くのネット銀行では実店舗がない代わりに、営業時間に縛られず24時間いつでもどこでもさまざまな取引ができる。

時間を気にせず、好きなときに取引がしたい人にはネット銀行は向いているだろう。

⑶預金金利や手数料を重視したい人

ネット銀行は一般的な銀行と比較して預金金利が高く、振込手数料が安い傾向だ。より高金利を求める人や手数料を重視したい人はネット銀行が向いているだろう。

ただしネット銀行の預金金利は利用状況などによって変わってくる。預金金利目的でネット銀行に口座を開設したいのなら、各ネット銀行の金利条件をしっかりと確認したうえで開設しよう。

6.ネット銀行で口座開設するなら自分に合った銀行を選ぼう

いざネット銀行で口座を開設しようと思っても、ネット銀行によって書類提出の方法が郵送かオンライン提出に対応しているかなど、申請方法はさまざまだ。口座を開設するまでの最短期間も大きく異なる。

口座開設までの期間や申請方法を事前にしっかりと確認するのはもちろんのこと、自分がネット銀行に何を求めているのかを明確にし、自分に合ったネット銀行で口座開設を行ってほしい。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)/MONEY TIMES

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