※本連載は日本でまだ翻訳されていない海外のビジネス書を紹介しています、書籍タイトルは著者による翻訳です

まっすぐに歩いている時は良い。見通しはよく、不安は少ない。しかし、ある時突然道は曲がり角に突き当たる。曲がった先は見えない。待ち受けているのは、金銀財宝が詰まった宝箱か、はたまた奈落まで続いているような深い落とし穴か…

曲がり角の向こう側を見通す力、それこそが、ビジネスの成功者となるための秘密兵器とも言える。

Seeing Around Corners『曲がり角の向こうを見る』
リタ・マクグラス著
出版社:Houghton Mifflin Harcourt
発売日:2019年9月3日
ジャンル:ビジネス書

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書籍概要

ビジネスにおける「曲がり角」は、パラダイムシフトと呼ばれる。これまで社会において当然・常識と考えられていた物事が、ある日を境に古いものとなり、これまでとは異なるやり方や価値が生み出される。 これまでにも、大きな「曲がり角」は何度も現代社会に現れてきた。曲がり角を曲がってみた後には、驚くべき成功が待っていることもあれば、目を覆いたくなるような結果に見舞われることもある。

大きな曲がり角を曲がった先の光景は、企業によって大きく様相を異にする。

本書の著者であるリタ・マクグラスは、これらの曲がり角は突然に見えて、実はランダムではないと述べている。

そして、これらの曲がり角の到来を予測し、確認し、正しく対応することで、ビジネスにおける競合優位性を獲得することができるともしている。

変化の多い現代社会においては、大小様々な曲がり角が日々企業の、あるいはビジネスパーソンの目前に現れている。

これらの曲がり角の到来を予測することが、曲がり角の向こう側の景色を見通すためには重要である。 変化に翻弄されるのではなく、変化を利用し、そのたびにより大きな成功を手にすることができれば、企業は驚くほど大きく成長し、現代社会においてなくてはならない存在へと昇華していく。

この本をおすすめする読者層

企業の面前に現れる曲がり角は、企業の業種や分野、あるいは業績を選んではくれない。すべての企業にとって、いつ直面する可能性もある存在と言える。

企業の経営に携わる人材においては、いつ曲がり角に直面しても慌てることのないよう、常に先取りして対策している必要がある。

そのためには、本書で説明される内容が多いに役に立つであろう。

また、スタートアップ企業にとっては、曲がり角はピンチであり同時に大きなチャンスでもある。

これから新たなビジネスや企業を興そうと考えるビジネスパーソンであれば、その準備としてこの一冊は外せないだろう。

曲がり角の向こう側を見通す力は、すべてのビジネスにおいてハンドルを握る人材にはぜひ身につけたい力と言える。

著者について

コロンビアビジネススクールにおいて長年教鞭を執り、Thinkers50により最も優秀な経営者の一人として選出されている。