先週のレポートでCTC(4739)を取り上げた。「株価は75日線できれいにサポートされている。この押し目は拾いたい」と述べた。それからどのような推移となっているか確認しよう。

CTC(4739)

CTC(4739)
(画像=Bloomberg)

株価はきれいに反転上昇をたどり、今度は25日線で頭を抑えられている格好。しかし、25日と75日は収束してきて、どちらかへ放れる頃合いだ。慎重にいくなら上抜けを確認してから買ってもいいが、おそらく上に抜けてくるだろう。

じつはCTCのようなシステム、あるいはDX関連銘柄でこのようなチャートが多い。

デジタルアーツ(2326)

デジタルアーツ(2326)
(画像=Bloomberg)

ジャストシステム(4686)

ジャストシステム(4686)
(画像=Bloomberg)

デジタルアーツ(2326)やジャストシステム(4686)など急落して75日線でサポートされ切り返し、25日を抜く直前。

急落ではないが緩やかに調整してきた銘柄群は、大塚商会(4768)、オービック(4684)、内田洋行(8057)、NRI(4307)、エレコム(6750)など。いずれもDXやリモートワークなどの追い風を受けて成長が期待される有望企業である。コロナ禍にあっても業績は非常に良い。これらに共通するのもすべて75日線がサポートになっている点。つまり調整完了、ここで買ってもダウンサイド・リスクは限られると思う。

大塚商会(4768)

大塚商会(4768)
(画像=Bloomberg)

オービック(4684)

オービック(4684)
(画像=Bloomberg)

エレコム(6750)

エレコム(6750)
(画像=Bloomberg)

内田洋行(8057)

内田洋行(8057)
(画像=Bloomberg)

オービックや大塚商会、エレコム、内田洋行はまさに25日線と75日線が収束し、どちらかへ放れる寸前だ。放れたほうにつくのが定石である。こうした銘柄はDXを背景とした時代の流れに乗っているので、一押し入れたあとはもとの上昇基調に回帰する確率が高い。すなわち、保ち合いを放れるのは上である。

先行事例はNRIだ。

NRI(4307)

NRI(4307)
(画像=Bloomberg)

さらに早い例がエス・エム・エス(2175)だ。7月いっぱいをかけて75日線のサポートを確認し、25日とクロスするところで、一度ダマシの陰線を引く。下放れるかと見せて窓空けして上に放れた。介護・医療向け人材紹介というニーズの高いビジネスで7年連続増収増益の見通し。これまで紹介してきたDXやシステム系のIT企業ではないが注目株だ。

エス・エム・エス(2175)

エス・エム・エス(2175)
(画像=Bloomberg)

強い右肩上がりのトレンドをもった株の押し目買いというのは、かなりの確度でうまくいく。今回は75日線がサポートとなっている銘柄を紹介したが、強過ぎるゆえ、75日線まで押さない銘柄を紹介しよう。イーガーディアン(6050)だ。ブログやSNSなどのソーシャルメディア、インターネット掲示板などのインターネット媒体を運営する顧客に対し、投稿内容の監視サービスを提供する掲示板投稿監視事業が主力。これからますます社会のデジタル化が進む中では、ネットの「ガーディアン(番人)」が必要となる。まさに時代の要請にかなう企業だ。だから押し目待ちに押し目なしの状況だ。そうはいっても25日線まで押すので、そこを着実に拾いながらこのトレンドに乗っていくのがアイデアのひとつだ。

イーガーディアン(6050)

イーガーディアン(6050)
(画像=Bloomberg)

広木隆 広木 隆(ひろき・たかし)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問。外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。著書『9割の負け組から脱出する投資の思考法』『ストラテジストにさよならを』『勝てるROE投資術

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