【目次】
①️トヨクモIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【9/10更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【9/4更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- トヨクモ株式会社
- コード
- 4058
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 山本裕次 /1968年生
- 会社住所
- 東京都品川区西五反田二丁目27番3号
- 設立年
- 2010年
- 社員数
- 31人(2020年7月31日現在)
- 事業内容
- 法人向けクラウドサービス事業(安否確認サービス及びkintone連携サービスの開発・販売)
- URL
- https://toyokumo.co.jp/
- 資本金
- 57,300,000円 (2020年8月19日現在)
- 上場時発行済み株数
- 5,002,000株
- 公開株数
- 500,000株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/09/02→1,800~2,000円に決定
- ブックビルディング期間:2020/09/04 - 09/10
- 公開価格決定:2020/09/11→2,000円に決定
- 申込期間:2020/09/14 - 09/17
- 上場日:2020/09/24→初値9,020円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:いちよし証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:極東証券
- 引受証券:東洋証券
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- (株)ナノバンク 47.44%
- サイボウズ(株) 11.63%
- インキュベイトファンド2号 投資事業有限責任組合 6.78%
- 田里友彦 6.40%
- 山本裕次 5.81%
- 落合雄一 5.62%
- 片岡寛 3.10%
- (株)サムライキャピタル 2.91%
- 石井和彦 2.52%
- 木下正則 1.94%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/12 単体実績
271,497 5,440 41,341 199,081 - 2018/12 単体実績
482,595 137,231 91,585 290,666 - 2019/12 単体実績
761,226 98,464 72,220 375,887 - 2020/06 第2四半期単体実績
499,090 126,530 83,169 459,056 - ロックアップ情報
- サイボウズ株式会社、山本裕次、田里友彦、石井和彦、落合雄一、株式会社ナノバンク、株式会社サムライキャピタル、木下正則は上場後90日目の2020年12月22日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 10億円(500,000株×2,000円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 458,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- トヨクモ株式会社<4058>は法人向けにクラウド上で利用可能な安否確認サービス及び、サイボウズ株式会社が提供するkintoneと連携したBtoB型クラウドサービスの2つのサービス提供を行う企業である。
■同社の沿革
同社は2010年8月にサイボウズ株式会社<4776>の100%子会社(サイボウズスタートアップ株式会社)として設立された。その後、2014年3月にマネジメントバイアウト(MBO)を行いサイボウズの連結決算から外れ独立。2019年7月にトヨクモ株式会社に社名変更を行い、現在に至っている。
■同社サービスについて
同社では下記サービスを提供している。
・安否確認サービス
・kintone連携サービス
2011年12月から安否確認サービスの提供を開始しており、またkintone連携サービスは2012年7月のWebフォーム作成サービス「フォームクリエイター」の提供からサービスを開始している。
●安否確認サービスについて
安否確認サービスは、自然災害や異常気象等による災害が発生した際に従業員等の安否確認を携帯電話、スマートフォンやパソコンで行うクラウドサービスである。災害発生時の被害状況を正確に把握し、従業員等への指示を迅速に行うための機能を備えており、また社内ネットワークの障害時の緊急連絡用としても活用できるサービスとなっている。
サービスの性質上、平常時は利用される機会が少ないことから、同社はサーバー管理会社とはアクセス状況に応じたサーバー契約をしている。そのため同社は常に適切な費用負担のみでサービスを運営することができ、顧客に対して競争力のある価格でのサービス提供が可能である。
●kintone連携サービス
kintone連携サービスでは、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型業務用アプリケーションkintoneと連携する下記サービスを提供している。
■同社のビジネスモデル
同社サービスは顧客が「簡単」「便利」に使えることにこだわりを持っている。無料の使用期間中に、企業担当者が自ら操作を習得できるサービスのため、同社の営業社員などが訪問説明を行わずともサービス導入が可能である。また個別のカスタマイズも行っておらず、サポートの負担も少ない。尚、販売は直販及び代理店等の販売パートナー経由でも行われている。
また同社サービスは有償契約数の増加により、継続的に収益が積み上がるストック型ビジネスである。有償契約数は下記のように右肩上がりで増加しており、2020年6月末時点で5,000件を超えている。
■業績推移
2017年12月期 売上高2.7億円、経常利益0.1億円、当期純利益0.4億円
2018年12月期 売上高4.8億円、経常利益1.4億円、当期純利益0.9億円
2019年12月期 売上高7.6億円、経常利益1.0億円、当期純利益0.7億円
2020年12月期(予想) 売上高10億円、経常利益1.8億円、当期純利益1.2億円
着実な増収を続けており2018年12月期に経常利益1億円の大台に到達した。しかし2019年12月期は増収となったものの減益となっている。
2020年12月期から再び増益の予想となっており、売上高10億円の大台到達も予想している。2020年12月期はQ2時点で売上高5.0億円、経常利益1.3億円であり、通期予想の達成に向け順調に進捗中である。
■財務状況
2019年12月期末時点で資産合計6.9億円に対し、純資産合計3.8億円、自己資本比率54%である。借入金なく現預金6.1億円を有しており、財務状況に対し特段の懸念事項はない。
尚、資産合計のうち最大の科目は現預金6.1億円である。また顧客から先払いで受領したサービス利用料は、前受収益として負債の部に2.2億円が計上されている。
■資金使途
IPOにより6.0億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。
・人材採用費 0.3億円
・人件費 2.3億円
・広告宣伝費 3.4億円
調達資金のうち半数以上が知名度向上のための広告宣伝費に充当される。同社はストック型のビジネスモデルであり、有償契約数の増加とそれによる将来獲得収益の最大化が重要であり、広告宣伝費の活用による知名度向上は必要不可欠と考えている。
■株主状況
筆頭株主(株式シェア47%)の株式会社ナノバンクは山本社長の資産管理会社である。山本社長は個人で第5位株主(同5.8%)でもあり、山本社長の関係先で50%以上の株式が所有されている。
第2位株主(同11%)は同社設立母体であり旧親会社でもあるサイボウズ株式会社である。
第3位株主(同6.8%)としてVCファンドのインキュベイトファンド2号投資事業有限責任組合が株主参入している。
上記以外は個人中心の株主構成となっている。
■まとめ