海には年間800万トンものプラスチックゴミが流れ込んでいます。2020年7月1日からスタートしたレジ袋の有料化もプラスチックゴミの使用を抑制するために施策されたものです。環境問題としていま注目を集めている海洋プラゴミですが、これを再利用した腕時計がスウェーデンで発売され、話題となっています。このサステナブル・ウォッチについて、その目的、そして時計としての特徴を解説します。
ブランド志向が強く高級品の多い腕時計に、環境問題を対応の製品が登場
腕時計と言えば時針、分針、秒針をいう3つの針と文字盤だけのシンプルな三針ウォッチや、時間を表示するだけでなく、高い防水性を持ったダイバーズウォッチ、気温、過酷な環境にも耐えるミリタリーウォッチ、さらには金やプラチナ、宝石などをあしらった宝飾品としてのジュエリーウォッチなどさまざまなタイプがあります。
腕時計でも高級品ともなるとスイスのブランドが多く、他にアメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、日本などもあり、高級ブランドの腕時計を身につけるのが一種のステイタスとされている風潮があります。
そんな腕時計に、環境に優しいサステナブル・ウォッチが登場しています。例えばデンマークのブランドNordgreen(ノードグリーン)は、腕時計を購入することで、「恩返しプロジェクト」と題した寄付に貢献できます。
「ラテンアメリカの熱帯雨林200平方フィート復元」「インドの子どもに1カ月分の教育費提供」「中央アフリカ共和国の1市民に2カ月分の安全な水を提供」この3つの中からひとつを選んで寄付ができ、寄付の金額は腕時計の価格に含まれています。
TRIWAの腕時計は海のプラスチックゴミを再利用
素材で環境問題に取り組んでいるブランドもあります。2007年に北欧スウェーデン・ストックホルムに誕生したTRIWA(トリワ)では、海洋プラゴミを再利用して腕時計を製作しました。
ブランド名のTRIWAは“TRansforming the Industry of WAtches”の言葉から作ったもので、「時計業界に革新を起こす」といった想いが込められています。
海洋プラゴミをアップサイクル処理するために、スイスのTide Ocean Material社とチームを組み、太陽エネルギーにより海洋プラゴミをビーズ状の素材に加工。その素材からTRIWAのプロジェクトである“Time for Change”の一環として、「Time for Oceans 」の新作ウォッチを作ったのです。
針は海面に浮かぶブイ、文字盤は立体的な波を表現し、同様に裏蓋にも波が刻印され、海からインスパイアされたデザインになっています。日本製ムーブメントを搭載しストラップは海洋プラゴミから作ったリサイクルナイロンを使用。また10気圧防水になっているためウォーターアクティビティにも耐える仕様です。
カラーは全部で4種類あり価格は税抜15,000円。説明書や保証書が入る専用ボックスもリサイクルペーパーを使用しています。
世界的に環境問題解決への運動が高まっていてESG投資も重視
サステナブル・ウォッチが誕生した背景には、海洋に漂うプラスチックであるマイクロプラスチックの問題があります。海には1.5億トンのプラゴミがあると言われていて、これは1分間ごとにダンプカーを満杯にしてしまうほどの量にもなり、海洋生物だけでなく私たち人間にとっても深刻な問題になっています。
他にも環境問題の解決へのひとつとして、世界中の投資家が重視しているESG投資があります。これは環境・社会・企業統治に配慮している企業に対して投資することです。
ESG評価の高い企業は成長の持続性や事業の社会的意義に優れているという特性があり、ESG投資をするとうことは、サステナブル・ウォッチ同様に環境問題解決に参加していることになるわけです。
環境問題を考えた腕時計をクリエイトする企業もESG評価が高いと言えるでしょう。
サステナブル・ウォッチを身につけることでSDGsに参加
腕時計は高級なものでは数千万円以上するものもあり、身につけることでステイタスを表すものにも使われています。サステナブル・ウォッチを身につければ、SDGsのひとつの課題である環境問題に取り組んで社会貢献していることにもなります。腕時計選びのひとつの選択肢としてサステナブル・ウォッチも考えてみませんか?(提供:JPRIME)
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