自民総裁選3候補がともに主張

地方再生
(画像=PIXTA)

安倍首相の後任を決める自民党の総裁選は、菅官房長官を軸に三つどもえの争いが繰り広げられている。こうした中、注目度を高めている政策テーマが「地方再生」。本命の菅官房長官が地方活性化を強く訴えたほか、石破元幹事長、岸田政調会長も独自の支援構想を訴えている。

菅官房長官は総裁選への立候補を表明した2日の記者会見で「活力ある地方をつくりたい」と語った。これまでもふるさと納税や観光振興などに注力してきたことを強調したほか、地銀過多にも触れ再編への意欲を示唆した。3日の株式市場ではSBIホールディングス(8473)による地銀連合構想も注目され、福島銀行(8562)や島根銀行(7150)が急騰した。

対立候補の石破元幹事長は地方創生担当大臣を経験しているほか、岸田政調会長は「デジタル田園都市構想」を政策目標として掲げ、地方のデジタル化による都市機能の移転、教育や医療の遠隔化を主張している。

ライトアップ、みらいワクスなど注目

株式市場では地銀株のほか、地方自治体のデジタル化を支援するITbookホールディングス(=ITbHD、1447・M)や、地域行政情報誌の発行を手掛けるサイネックス(2376)などが注目を集めている。物色対象は今後も広がりをみせそうだ。

ライトアップ(6580・M)は地方企業や中小企業を対象にITによる経営やマーケティングの支援事業を展開する。また、地方企業向けWEB広告のソウルドアウト(=ソウルドO、6553)、地方都市で中古住宅の再生販売を展開するカチタス(8919)なども関連株に浮上する。

一方、地方再生に絡んではもう一つの注目すべき動きがある。地方に社員を派遣すると企業が優遇税制を受けられる「人材版ふるさと納税」だ。同制度は総務省や内閣府で議論されており、今後企業の地方移転が加速するきっかけになるかもしれない。

人材サービス各社には新たな商機が想定される。大手のリクルートホールディングス(6098)や、本社機能の淡路島移転が話題になったパソナグループ(2168)をはじめ、中国・四国地方で人材派遣を手掛けるクリエアナブキ(4336・JQ)や、福岡県を地盤に製造業派遣などを展開するワールドホールディングス(2429)、北海道の人材派遣企業のキャリアバンク(4834・札)などの地方勢も狙い目だ。

このほか、フリーランサーの紹介サービスで知られるみらいワークス(6563・M)は、都市部のプロフェッショナル人材に地方企業での副業をマッチングする。テレワークの流れにも乗る有力銘柄として注視しておきたい。(9月4日株式新聞掲載記事)

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