米国株調整の度合いを見定める展開 メジャーSQも波乱含みか
今週、最大の注目は米国株の動向だ。米国株の調整の度合いを見極めるまでは積極的に動けない。米国株はここで踏みとどまることができるか際どいところ。金曜日の取引でナスダックは取引時間中にはもっと安くなる場面があったが終値は25日線をキープしている。これまでも押しても25日線まで止まってきた。ここで切り返すと思うが下に抜けたら調整は深く長くなるだろう。米国株のバリュエーション調整に関して詳細はこちらのレポートを参照いただきたい(ストラテジーレポート「米国株急落は健全な調整」)。
週初はレーバーデーの祝日で休場だから米国株の動きを確認できるのは日本時間で水曜の朝。それまでは小動きの展開か。その後も連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え動きにくい。そうしたなかで週末にはメジャーSQを迎える。波乱に警戒したい。
日経平均のレンジの下は一応22,900円としているが23,000円を割り込めば押し目買いでサポートされるだろう。
米国発の高値波乱への警戒はあるが、最後の拠り所はFRBだ。パウエル議長は4日、新型コロナウイルスによる景気回復には時間がかかると指摘して「低金利政策は何年も続く」と述べた。来週のFOMCで低金利を長期に続けるコミットメントをフォワードガイダンスとして示すだろう。市場には織り込み済みだが、実際に追加緩和策としてフォワードガイダンスを正式に決めれば、今の相場では好感されるだろう。レーバーデー明けから米国議会も再開する。追加景気対策について両党歩み寄りのニュースなどが出れば相場の押し上げ要因になる。
今週の予想レンジは22,900円~23,500円とする。
広木 隆(ひろき・たかし)マネックス証券 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問。外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。著書『9割の負け組から脱出する投資の思考法』『ストラテジストにさよならを』『勝てるROE投資術』
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