不動産投資の盛り上がりとともに、投資物件の売買や管理における社会問題が数多く発生しています。不動産会社は玉石混交であり、良心的な提案をしてくれる業者がある一方で、利益至上主義で手段を選ばない業者もあります。そんな悪徳業者を見抜くためのチェックポイントを紹介します。
後を絶たない悪徳不動産業者の横行
悪徳不動産業者の定義はありませんが、物件を購入した家主が「当初の話と違う」「そんな話聞いていない」と感じた場合は、悪徳業者ということになるでしょう。悪徳不動産業者は、以下のような行動を取ります。
- 相場を大きく上回る価格で不動産を売りつける
- 不人気物件を「高利回り!」とうたって強引に売る
- 家主が不利になる文言を入れた契約書を締結する
- 空室リスクの高い物件をカモフラージュして売る
- 破綻リスクのあるビジネスモデルを提案する など
このような家主に損害を与える悪徳不動産業者に引っかからないよう、新規の取引をする際は十分注意してください。
悪徳不動産業者を見抜くための5つのチェックポイント
チェックポイント1:宅建免許があること
資格を持つ知識豊かな不動産コンサルタントがいる一方で、「自称不動産コンサルタント」として、価値の低い物件を不当に高く売りつけたり、高額なコンサルフィーを要求したりする悪徳業者もいます。
このような業者は宅建業者でないケースも多く、契約後は宅建免許を持つ不動産会社や施工会社などに丸投げし、問題が発覚する前に姿をくらますのが常套手段です。不動産取引は、宅建免許を持っている業者を窓口にして行うようにしましょう。
チェックポイント2:宅建免許の更新回数
とはいえ、宅建免許のある不動産会社ならすべてが安心というわけではありません。免許証番号をチェックすることも大切です。例えば、東京都の業者であれば「東京都知事(1)12345号」のように免許番号が表記されますが、「(1)」の部分に注目してください。これは宅建免許の更新回数を表し、(1)はまだ一度も更新していない(=5年未満)ことを意味します。
悪徳業者の中には「会社を立ち上げては潰す」を繰り返して、不当な利益を上げているところもあります。もちろん設立間もない優良業者もありますが、更新回数が少ない業者は警戒すべきでしょう。
なお、実績と歴史のある不動産会社でも、個人事業主から「法人成り」したり、国土交通大臣免許に変更したりした場合は(1)になることがあります。
チェックポイント3:ネット上で評判が悪い不動産会社
新規の不動産会社と取引をする際は、ネット上の評判をチェックすることも大切です。このちょっとした一手間で、悪徳業者を回避できることがあります。「社名 口コミ」「社名 評判」などのキーワードで検索してみましょう。
ただし、ある程度の規模の不動産会社であれば、一定のクレームはあるものです。「クレームがゼロ」ではなく、「クレームが多すぎないか」という視点でチェックしてみてください。
チェックポイント4:若手社員の比率が多すぎる不動産業者
急成長中のベンチャー企業で、積極的な採用によって若手社員が多い場合は別ですが、一般の不動産業者で若手、特に新卒社員や入社から数年の社員が多すぎるところは、体質的に問題がある可能性があります。それによって適切なコンサルティングやサポートが受けられない可能性もあるため、求人用の社員・元社員の口コミサイトなどで、その会社の体質や社風をチェックするのが賢明です。
チェックポイント5:話がうますぎる不動産業者
基本的に、利回りとリスクは比例します。「この物件は高利回りですし、空室率も極めて低いですよ!」といった、話がうますぎるセールストークは疑うべきでしょう。掘り出し物は、そう簡単には見つからない。これが不動産業界の定説です。
またセミナーやパンフレットなどで、キャッチーなキーワードを並べ立てる会社も疑うべきでしょう。大きな社会問題になった「かぼちゃの馬車」は、その典型です。「新築物件で利回り8%」「単身女性を応援するシェアハウス」といったキーワードに、多くのビジネスパーソンが飛びついてしまいました。
悪徳業者にだまされないために一番大切なことは?
悪徳不動産業者を見抜くためのチェックポイントをご紹介しました。悪徳業者にだまされる根本の原因は、不動産会社と家主の「知識量と情報量の差」にあります。だからこそ、家主は不動産投資の勉強を日々積み重ねる必要があります。業者の言いなりではなく、豊富な知識と情報をベースに、「最終判断は家主がすること」にこだわれば、悪徳業者にだまされるリスクは限りなくゼロに近くなります。(提供:YANUSY)
【あなたにオススメ YANUSY】
・副業ブームの日本!サラリーマン大家になるなら覚えておきたいこと
・2019年以降の不動産投資は「コミュニティ」が欠かせない
・賃貸業界の黒船になるか。インド発のOYOの実態
・不動産所得での節税に欠かせない必要経費の知識
・賃貸管理上でのトラブル対応術とは?