(本記事は、小杉樹彦氏の著書『世界一わかりやすい 20秒プレゼン実践メソッド 特別講義』秀和システムの中から一部を抜粋・編集しています)
EP直前に気をつけるべきこと
EP直前の注意点をお伝えする。
この期に及んで、提案内容の確認や資料の見直しなどに気を取られていてはいけない。
それはもっと前段階に行なっておくべきことだ。
ここでお伝えしたいこと、それはズバリ、「食事」についてだ。
まず、EP直前には何を食べるか。
第一に、匂いのキツイものは食べてはいけない。
特にネギは要注意だ。
さらに、食事は前日から気をつけたほうがいい。
具体的には、胃もたれするような食事やナマモノは避けよう。
腹を壊す原因になりやすいからだ。
「大一番で腹痛になり、汗びっしょりで話しかけた……」などというのは笑えない話だ。
次に、食べる分量についても気をつけよう。
満腹にしないことが大事である。
満腹感があると最高のパフォーマンスはできないので、「腹5分目」くらいがちょうどいいだろう。
ちなみに、私は何らかのプレゼンを控えているときは、直前で食事を取らないようにしている。
特にEPの場合は、長丁場になるわけではないので、何も食べないのがベストと考えている。
最後に、食事の後の口臭ケアも欠かせない。
自分では気づきにくいが、世の中の多くの人が「口臭」で評価を落としている。
臭いが気になるのか、口を押さえながら話している人を見かけるが、これはいただけない。
食後は意識して普段よりしっかりと歯を磨いておこう。
目安は20分程度(30分以上を推奨する歯科医もいる)。
その他には口臭だけでなく、体臭も無臭を心がけるべきだということは、いうまでもないかもしれない。
中には、香水をつけて体臭をごまかそうとする人もいるが、得策ではない。
EPでは、自分の好みよりも相手の都合を優先させる必要がある。
自分のお気に入りの香水があっても、相手はそれが好きではないかもしれないと配慮するのだ。
また、程よい量ならいいが、つけすぎてしまい、逆に臭いがきつくなってしまっている人もいる。
この絶妙なさじ加減は、ある程度の上級者でないと難しい。
徹底的に相手の立場に立って考えれば、「食事や香水はプレゼン前には遠慮する」という結論に達するはずだ。
以上をEP直前では注意してほしい。
緊張を集中に変える方法とは?
EPは一点突破だ。
たった20秒程度ですべてをぶつけるからこそ、EPは戦略的でなくてはならない。
私はよくEPをアスリートのファイターが試合に臨む姿勢に例えて話すことがある。
ファイターは試合当日に向けて、適切な練習を積み、その1日に全力を出し切る。
年末に行われる総合格闘技の試合を想像してみてほしい。
予選で格下と対戦する場合は(戦略として)余力を残す選手もいるかもしれないが、トーナメント優勝のかかった決勝で全力を出し切らないファイターがいるだろうか?
すべての選手が例外なくフルパワーで試合に臨むはずである。
狙った獲物は逃さない。
試合後に、一歩も動けなくなるくらい全力投球する。
そんなファイターの「一瞬で解き放つ力」はEPにも通じるものがある。
だからこそ、準備を積み重ねてきた人だけが感じることのできる特別な感覚がある。それが「緊張」だ。
「どうせダメでしょう」 「当日の運次第だよね」
この日のために、死力を尽くしてきた人が、ここにきてそう思うだろうか?
緊張するということは、あなたがこれまで一生懸命に準備してきた「本気の証拠」でもある。
緊張には次の2種類がある。
●力を発揮するのに妨げとなる緊張 ●実力以上のものを発揮させる緊張
「緊張」と聞くと、マイナスなイメージを抱くだろうが、無条件に悪いものではないのだ。
いや、120%の力を発揮するために、緊張は必要不可欠な存在なのだ。
なお、焦ってしまって話せないのではなく、準備ができていないから話せないほうが圧倒的に多い。
「提案内容を覚えられただろうか」などといった不安からくる緊張は、明らかに準備不足だ。
緊張をプラスのエネルギーに変えるための方法として、次のことを試してみるといいだろう。
□テンションの上がる音楽を聴く □甘いものを食べて血糖値を上げる □EPが成功しているイメージトレーニングをする
以上を参考に、自分に合った方法を取り入れほしい。
いずれにせよ、EPはタイミングが命。
「チャンスの女神に後ろ髪はない」というではないか。
その一瞬を決して逃さないように集中力を極限まで高めてほしい。
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