旅行業界支援策「GoToトラベル」に、当初除外されていた東京発着が10月1日から追加される。また、都も独自に助成の上乗せを検討すると伝わり、都内の観光スポットの盛り上がりが見込まれる。「GoTo東京」の関連銘柄に注目したい。

GoToトラベル
(画像=Photobank/stock.adobe.com)

国内の新型コロナウイルス感染者数が落ち着きつつあることで、9月19日からの4連休には観光地に多くの人が押し寄せた。消費者の過剰な警戒感がようやく解消してきた中、都内でも浅草や新宿などがにぎわい始めている。

10月以降はGoToトラベルに東京が追加され、勢いが本格化する公算だ。飲食店振興の「GoToイート」や「GoToイベント」「GoTo商店街」など他のキャンペーンの効果も期待される。また、GoToトラベルに5000円を上乗せする都独自の助成も浮上している。

GoToトラベルに東京が含まれることによる消費押し上げ効果は、8000億円近くになるという試算もある。都内で観光サービスや飲食店を展開する企業は大きな恩恵を受ける可能性が高い。

関連株は多岐にわたるが、最注目銘柄の一つが百貨店の松屋(8237)だ。同社は店舗が銀座と浅草だけの「東京集中型」。このため、従来のGoToトラベルは追い風にならなかった。

松屋の銀座本店(銀座店と浅草店の合計)の単月売上は4、5月に前年同月比9割減となった後も低迷し、8月になっても同35.6%減に沈んでいた。しかし、GoToトラベルの東京追加により、10月以降は売上回復が見込まれる。株価は期待を先取りし始めているが、それまでの大幅な調整を踏まえれば戻り余地はなお大きい。

ホテル関連にも好材料だ。共立メンテナンス(9616)や帝国ホテル(9708・(2))、ワシントンホテル(4691・(2))、ABホテル(6565・JQ)のほか、ホテルの食器洗浄や衛生管理を代行するCSSホールディングス(2304・JQ)などをマークしたい。

また、野球場や遊園地を有する東京ドーム(9681)、錦糸町や浅草に商業施設を持つ東京楽天地(8842)、上野動物園の関連銘柄として知られる東天紅(8181)も狙い目。さらに、浅草などで着物レンタル店や和装小物店を展開する和心(9271・M)も面白い存在だ。

穴株としては、不動産事業のほかに温浴施設も展開するエコナックホールディングス(3521)に焦点を当てたい。新宿で運営する温浴施設「テルマー湯」はコロナ禍で来客数が大幅減となっていたが、国内旅行熱の高まりで温泉人気が復活しつつある。100円未満でもみ合う株価が急浮上しても不思議ではない。(9月25日株式新聞掲載記事)

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