【目次】
①️Retty IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【10/21更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【10/16更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- Retty株式会社
- コード
- 7356
- 市場
- マザーズ
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 武田 和也 /1983年生
- 会社住所
- 東京都港区三田一丁目4番1号 住友不動産麻布十番ビル3階
- 設立年
- 2010年
- 社員数
- 132人(2020年8月31日現在)
- 事業内容
- グルメプラットフォーム「Retty」の運営等
- URL
- https://corp.retty.me/
- 資本金
- 95,000,000円 (2020年9月28日現在)
- 上場時発行済み株数
- 10,812,504株
- 公開株数
- 4,818,600株
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/10/13→1,150~1,180円に決定
- ブックビルディング期間:2020/10/15 - 10/21
- 公開価格決定:2020/10/22→1,180円に決定
- 申込期間:2020/10/23 - 10/28
- 上場日:2020/10/30→初値1,611円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:野村證券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:岩井コスモ証券
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:エース証券
- 大株主
- 武田和也 29.40%
- YJ2号投資事業組合 13.12%
- JAPAN VENTURES I L.P. 10.32%
- AT-Ⅰ投資事業有限責任組合 7.19%
- WiL Fund I, L.P. 6.22%
- CA Startups Internet Fund 1号 投資事業有限責任組合 3.96%
- テクノロジーベンチャーズ3号投資事業有限責任組合 3.84%
- PC投資事業有限責任組合 3.35%
- NTTインベストメント・パートナーズファンド3号投資事業有限責任組合 3.30%
- 長束鉄也 3.17%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/09 単体実績
1,268,337 -392,198 -427,377 758,623 - 2018/09 単体実績
1,690,541 -221,021 -230,421 536,905 - 2019/09 単体実績
2,268,123 99,899 155,849 692,754 - 2020/06 第3四半期単体実績
1,711,871 20,761 -46,378 646,376 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後180日目の2021年4月27日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 56億8594万8000円(4,818,600株×1,180円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 1,495,384株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- Retty株式会社<7356>はインターネット上の実名型グルメプラットフォーム「Retty」の運営を行う企業である。
■事業内容
同社は各ユーザーの好みに合わせて個別最適化された飲食店情報を提供する、ユーザーの実名に基づく飲食店の口コミ情報及び全国の飲食店情報等を蓄積した実名型グルメプラットフォーム「Retty」を運営している。尚、同社ではFacebookアカウント等との連携により、個人がインターネット上での発信に責任が持てる環境を構築している。
同社は“信頼できる「ヒト」から飲食店を探すのがベストである”という考えに基づいてRettyを設計・運用しており、実名型グルメプラットフォーム「Retty」の月間利用者数は下記のような右肩上がりで伸びている。
■同社の売上構成
同社はFRM(Fun Relationship Management)、広告コンテンツの2つのサービスで売上を計上している。
●FRM(Fun Relationship Management)サービスについて
同社はRettyを通じたオンラインでの販促を提供することで、飲食店から毎月定額のサービス利用料収入を得ている。
Rettyではユーザーに対して最適化された飲食店情報を提供している。一方で契約した飲食店(有料店舗)に対して、二次集客・三次集客に繋がる販促ツールを提供している。
本サービスは、毎月定額料金を有料店舗より受領するサブスクリプション型のビジネスモデルである。新型コロナウイルス問題の影響で2020年に入り有料店舗数は減少に転じたものの、2020年7月から再び増加に転じている。2020年8月末時点で有料店舗数は9,678店である。
尚、有料店舗の獲得は直販及び販売代理店(専売代理店及び併売代理店)を通じて行っている。契約内容によるが1店当たり約12,000~48,000円の月額プランとなっている。
●広告コンテンツについて
同社の広告コンテンツは、広告ソリューション及びコンテンツソリューションの2者から構成されている。
広告ソリューションは「タイアップ」、「アドテクノロジー」、「アライアンス」の3種類が存在する。「タイアップ」、「アドテクノロジー」はRetty上に広告の配信を行い、広告掲載収入を得るものである。「アライアンス」はRetty上に飲食店予約サービス機能を連携させるなど、他社とのアライアンスを組むことで送客手数料収入を得るものである。
コンテンツソリューションは、同社に蓄積された79万店(2020年8月時点)の店舗データや写真データ、実名口コミデータなどを、Rettyのデータベースである「Food Data Platform」として顧客に継続的に提供して、月額の利用料を得るものである。
■新型コロナウイルス問題の影響について
同社顧客の飲食店は新型コロナウイルス問題の影響を最も受けた業種である。同社もその影響を免れなかったが、月間利用者数は既に8月は2019年5月に比べ91%まで回復しており、その影響はカバーされつつある。
■業績推移
2017年9月期 売上高13億円、経常利益▲3.9億円、当期純利益▲4.3億円
2018年9月期 売上高17億円、経常利益▲2.2億円、当期純利益▲2.3億円
2019年9月期 売上高23億円、経常利益1.0億円、当期純利益1.6億円
2020年9月期(予想) 売上高22億円、経常利益▲2.8億円、当期純利益▲3.3億円
2019年9月期まで増収が継続し、2019年9月期は経常利益1.0億円と黒字化した。
2020年9月期は新型コロナウイルス問題の影響を受け、若干の減収及び赤字転落を見込んでいる。Q3時点で売上高17億円、経常利益0.2億円である。
尚、部門別売上について2020年9月期はFRM15億円(前期13億円)、広告コンテンツ7.1億円(同9.6億円)の予想であり、全体は減収ながらFRM事業は増収の予想である。
■財務状況
2019年9月期末時点で資産合計11億円に対し、純資産合計6.9億円、自己資本比率66%である。借入金0.8億円に対し現預金3.9億円を保有している。尚、資産合計のうち最大の科目は現預金である。
キャッシュ・フロー計算書では2018年9月期は営業活動によるキャッシュ・フロー▲2.9億円であったが、2019年9月期は+0.5億円とプラスとなっている。
■資金使途
IPOにより上限8.4億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・事業拡大に向けた人件費及び採用費 1.7億円
・有料店舗増加に向けた代理店の体制構築への投資 4.0億円
・新商品の開発に向けた投資 2.6億円
・海外に向けた投資 2.0億円
同社は販売代理店の支援を目的に、将来の新規有料店舗の獲得により見込まれる収益相当額を前払費用として負担している。今後も販売代理店の支援を通じ有料店舗の拡大を目指しており、調達金額の約半数は販売代理店の体制構築への投資に充当される。
尚、公募株数200,000株に対し売出株数4,618,600株であり売出株数の多いIPOである。
■株主状況
筆頭株主は武田社長であり株式シェアの29%を保有している。
第2位株主(株式シェア13%)のYJ2号投資事業組合以下、多数のVCが株主参入をしており、VC比率は44%となっている。(ただし戦略的パートナーシップ関係にあるヤフー株式会社が組成したYJ2号投資事業組合の所有分は除かれている)尚、VCは期間180日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
■まとめ