読者の皆さんは「SaaS(サース)」をご存知だろうか? 「Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)」の略称で、クラウドで提供されるソフトウェアのことだ。たとえば職場で、クラウドのプラットフォームにグループ統合ウェア、メールやチャットのコミュニケーションツール、経費や交通費の精算、スケジュールやファイルの作成・共有など様々なサービスやアプリケーションを活用している企業も多いことだろう。

「SaaS」は株式市場でも注目度の高いテーマの一つだ。最近では9月16日に誕生した菅義偉内閣の「デジタル化推進(スガノミクス)」への期待からHENNGE <4475> の株価が急伸、一時は上場来高値を更新し、時価総額で1000億円を突破する場面も観測されている。ちなみに、HENNGEは「シングルサインオン」の分野で65.4%のシェアを握る企業だ(詳細は後述)。

今回は「スガノミクス期待」で人気化するHENNGEの最新動向をお届けしたい。

「継続的安定収益型」のビジネスモデルを確立

HENNGE,株価
(画像=Graphs / pixta, ZUU online)

「シングルサインオン」とは1組のID・パスワードによる認証で複数のサービスやアプリケーションにログインできる仕組みである。前述の通り、SaaSには様々なサービスやアプリケーションがあるが、それぞれのID・パスワードを管理するのは意外と面倒である。その問題を解決したのが「シングルサインオン」だ。

HENNGEが提供するシングルサインオン「HENNGE One」は、国内のクラウド型シングルサインオン市場で65.4%のシェアを握っている。ちなみに、同社の売上の97%がサブスクリプションで、すでに「継続的安定収益型」のビジネスモデルを確立している。

「HENNGE One」契約者数は18.3%増、コロナ禍でも好調

8月7日、HENNGEが発表した2020年9月期・第3四半期まで(10〜6月)の決算は、売上が前年同期比19.5%増の30億円、本業の利益である営業利益は同2.2倍の3.1億円と好決算だった。