10月26日、電子部品大手の村田製作所 <6981> の株価が一時7500円と年初来の高値を更新した。同水準は株式分割考慮後で約20年ぶりの高値でもある。村田製作所は5G等に欠かせない積層セラミックコンデンサで世界最大のシェアを誇るほか、アップル(iPhone12)やEV(電気自動車)関連銘柄としての期待も膨らんでいるようだ。

今回は村田製作所の話題をお届けしよう。

村田製作所、5G関連で世界トップクラス

村田製作所,株価
(画像=tsukat / pixta, ZUU online)

京都といえば日本文化を象徴する都市で、旅行者に人気のスポットでもある。同時に株式市場では村田製作所のほか、京セラ <6971> 、任天堂 <7974> 、ローム <6963> 、日本電産 <6594> 、オムロン <6645> など、日本を代表するハイテク企業が集まる都市としても知られている。今回取り上げる村田製作所は1944年に京都で創業、コンデンサや高周波部品、ノイズ対策部品(フィルター)等の受動部品を手掛ける電子部品大手だ。

前述の通り、村田製作所は5G等に欠かせない積層セラミックコンデンサ(MLCC)で約45%の世界シェアを誇る。高付加価値製品のMLCCは材料からの一貫生産であるため収益性が高く、村田製作所の上期の営業利益率は17.5%となっている。ちなみに、電子部品大手8社の営業利益率(日本電産7.2%、京セラ6.3%、TDK <6762> 7.2%、日東電工 <6988> 9.4%、ミネベアミツミ <6479> 6.0%、ヒロセ電機 <6806> 16.7%、太陽誘電 <6976> 13.2%)の中でも村田製作所はトップクラスの収益力である。

コンデンサは電気をためたり放出することで、回路内の電圧を安定させ、ノイズを取り除くなど、電子機器に欠かせない部品である。特にMLCCは誘電率の高いセラミックスを使い、小型薄型で熱に強く、高周波の回路でも使えるため、5Gには必要不可欠だ。村田製作所はMLCC以外でも、5Gに欠かせないSAW(表面波)フィルターやディプレクサ、無線LANモジュール、セラミック発振子で世界シェアの過半数を占めるほか、EMI除去フィルタ、ブルートゥースモジュール等でも世界トップクラスとなっている。

株価は20年ぶり高値、マーケットは業績修正を好感