波瀾に次ぐ波瀾が巻き起こり、話題に事欠かなかった2020年のアメリカ大統領選もようやく終了しました。11月17日現在、ジョージ・バイデン氏の当選が確実とみられています。トランプ政権からバイデン政権へ変わることで、経済にはどのような影響があるのでしょうか。不動産市場の今後について考察します。
バイデン氏は不動産投資に課税で社会保障に充てたい考え
バイデン氏勝利の裏で、先の税制改革を見据えたアメリカの富裕層が「遺産相続計画を変更しようとしている」とロイターが報じています。バイデン大統領は、「富裕層や大企業の増税、低所得者の減税」で所得格差の是正を目指したいといいます。
富裕層への増税のひとつとして、不動産投資への課税を行い、徴収した税金をもって子どもや高齢者のケアに充てると選挙演説で発表しています。バイデン政権がスタートすれば、キャピタルゲイン課税を導入するほか、不動産売買による損失を所得税から差し引ける制度も廃止する方針とのことです。
コロナ禍の経済に追い打ちをかけるか
バイデン氏が政権を握れば、富裕層や大企業は税負担が増加する代わりに低所得者は減税されるようになるでしょう。これは喜ばしいニュースのように聞こえますが、富裕層のキャピタルゲインも通常の所得と同じく課税する計画とのことで、今後は株取引や不動産売買の鈍化が懸念されます。
富裕層がキャピタルゲイン課税を避けるために株や不動産の売却を渋れば、富裕層は価値のあるものを手放さず買い控えがおき、株式市場も大きな動きがなくなってしまうかもしれません。不動産市場も同様のことが起きれば、コロナ禍の不動産市場に追い打ちをかける結果となる可能性もあります。
日本経済はどうなる
富裕層や大企業の動きが止まり、株価が上がらなくなったとしても、バイデン氏は所得格差を埋める政策を止めることはないでしょう。アメリカ経済が後退すれば、日本経済にも影響がでるかもしれません。
大統領選の投票終了後以降日経平均は続伸を続け、11月17日には2万6,000円を超える高値となりましたが、長期的にみてどうなのるかはわかりません。日本経済に大きな影響を与えるアメリカ経済の今後を図るために、バイデン政権が成立した後の大統領および政府の動きを注視しておきましょう。(提供:YANUSY)
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