「Tカード Prime」は、2020年3月30日に発行が開始された「Tポイント史上最高峰」と呼ばれるクレジットカードだ。何が史上最高峰なのだろうか?ここでは、そのメリット・デメリットも含めて解説しよう。

1,カードの基本スペックと審査基準――Tポイントが貯まりやすいカード

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(画像=TカードPrime公式画像)

「Tポイント史上最高峰」というキャッチコピーのとおり、「Tカード Prime」はクレジット機能付きTポイントカードの中でも特にポイントが貯まりやすくなっている。まずは、その基本スペックから見ていこう。

Tカード Primeの基本スペック……年会費、ポイント還元率、電子マネーなど

国際ブランド Mastercard
年会費 1,375円(税込)
※初年度無料
※年1回利用で次年度無料
ポイントサービス Tポイント
通常ポイント還元率 1%
ポイント交換対象 Tポイント提携先での支払い充当
Tマネーへのチャージ
現金化 など
空港ラウンジサービス 
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
追加カード ETCカード
電子マネー 【カード付帯機能】
Tマネー
【Apple Pay・Google Pay経由】
QUICPay

審査基準・審査難易度……年収250万~300万円以上が目安

申し込み資格は「高校生を除く18歳以上」となっており、ここだけを見ると作りやすいカードに思える。しかし発行元のジャックスは審査が比較的厳しいといわれており、20代で250万円以上、30代より上は300万円以上の年収がないと審査通過は難しいと思われる。

年収基準を満たしていても正社員でなかったり、勤続年数が3年未満だったりすると審査に通りにくいと考えてよいだろう。

年会費を下げる方法……年会費は実質無料

初年度は年会費無料。年に1回以上のカードショッピングがあれば次年度も無料になるので、年会費は実質無料と考えてよいだろう。

2,TカードPrimeのポイントサービス、還元率――超高還元率を目指せるカード

次に、このカードの最大の特徴であるポイントサービスの仕組みを紹介しよう。

貯まるポイントと還元率……通常1%還元

貯まるポイントは「Tポイント」で、クレジット支払い100円(税込)ごとに1ポイント(1円相当)が付与される。通常のポイント還元率は1%と考えてよいだろう。ポイントの有効期限は、最終利用日から1年間だ。

貯まるポイント Tポイント
ポイントの貯まり方 100円(税込)ごとに1ポイント付与
通常還元率 1%
有効期限 最終利用日から1年間

ポイントの交換対象……全国の提携店で利用できる

ポイントは1ポイント→1円相当として全国のTポイント提携店で支払いに使えるほか、TマネーへのチャージやTポイントによる投資、現金化、映画ギフト券などの金券を含む賞品への交換も可能だ。それぞれ説明しよう。

・Tポイント提携店での利用
全国のTポイント提携店(実店舗・ネットサービス)において、1ポイント→1円相当として支払いに充当できる。ネット系では特にYahoo!JAPAN関連のサービスでTポイントが貯まり、使えるようになっている。

・Tマネーへのチャージ
電子マネー「Tマネー」に1ポイント以上1ポイント単位でチャージ(入金)できる。Tポイント提携店ではTポイントだけで支払った場合は新たなポイントは付与されないが、Tマネーで支払うと現金払いと同様にTポイントが付与され、さらに「Tマネー決済ポイント」として月間累計利用金額500円(税込)につき1ポイントが付与される。

なおTマネーにチャージするには、Yahoo! JAPAN IDとTカード番号の登録が必要だ。

・Tポイントによる投資
1ポイント→1円相当として、100円程度から投資ができる。投資対象は株、投資信託、FX、仮想通貨など。口座開設などによってTポイント(決まった提携先でのみ使える期間固定ポイント)がプレゼントされることもある。

投資商品 会社名 ポイントプレゼント 特徴
ネオモバ 支払い方法設定完了で
毎月200P
・1株から買える
・数百円で株主になれる
投資信託 SBI証券 新規口座開設で100P ・手数料0円
(インターネットコース)
・100円から投資
・Tポイントが貯まる
FX ネオモバ 支払い方法設定+
口座開設で400P
・5円から取引可能
・1,000通貨までスプレッド0銭
仮想通貨 bitFlyer ・100Pから始められる
・数百円からビットコインを保有できる
・500円以上のビットコイン決済で
Tポイントが貯まる

・Tポイントの現金化
ジャパンネット銀行の普通預金口座をYahoo!ウォレットの受取口座として登録すると、Tポイントを現金化して受け取れる。交換レートは100ポイント→85円で、1,000ポイント以上100ポイント単位で交換可能だ。

・Tポイントの賞品交換
ムビチケ当日券を購入できる電子クーポン「映画GIFT」のほか、さまざまな賞品やカタログギフトに交換できる。

Tポイント提携店は全国に数多くあるため、ここで紹介したものの中ではTポイントやTマネーでの支払いが最も使い勝手の良い利用方法といえるだろう。

ポイントアップの4つの方法……日曜日はポイント還元率が1.5%に

・方法1,高額利用は日曜日に
このカードは、日曜日になると200円(税込)ごとに3ポイントが付与される(1.5%還元)。よって、高額利用はなるべく日曜日に行うようにすると効率良くポイントを貯められるだろう。

・方法2,Tポイント提携店でポイントの2重取り
Tポイント提携店でカードを使うと、クレジット利用ポイント1%分のほかにTカード提示ポイントとして0.5~1%分のポイントが付与され、合計で1.5~2%還元となる(日曜日は2~2.5%還元)。

・方法3,リボ払いは2%還元
リボ払い分については100円(税込)につき2ポイントが付与されるため、ポイント還元率は2%になる。リボ払い手数料(利息)を考えると純粋なポイントアップとはいえないが、他のカードにおけるリボ払いと比較する際の判断材料にはなる。なお、このカードのリボ払いの実質年率は15.0%だ。

・方法4,入会キャンペーンを利用する
入会キャンペーンが随時行われているので、上手に利用したい。例えば2021年3月31日まで実施されるキャンペーンでは、新規入会特典として1,000ポイント、自動リボ払いサービス「Jリボ」への登録で1,000ポイント、カード到着から3ヵ月以内の利用金額に応じて最大5,000ポイント(10万円以上利用時)が付与され、最大で7,000ポイントを獲得できる。

通常の1%でも十分高い還元率だが、高額利用を日曜日に合わせたり、意識的にTポイント提携店を選んだりすることで超高還元率カードになる。

3,Tカード Primeの3つのメリット――全国17万件の優待、TSUTAYA優待、最高2,000万円の海外旅行傷害保険など

次に、このカードの特徴となっている3つのメリットを紹介しよう。

メリット1,全国17件以上で優待を利用できる「J's コンシェル」が付帯

利用明細をウェブサイト上で確認する「Web明細」に登録すると、ジャックスが提供する優待サービス「J's コンシェル」を利用できる。

提供される優待は旅行やレジャー関係のほか、ショッピング、クルマ、美容、生活、健康、育児、学びなど多岐にわたる。その一例を紹介しておこう。

J'sコンシェルの一例

優待店舗・サービス名 優待内容
ベネフィト・ステーション
パッケージツアーデスク
国内・海外のパッケージツアーが5~12%オフになる
旅ステーション 国内外のホテルが優待料金で提供される
109シネマズ&ムービル シネマチケット(一般)1,900円が1,500円になる
ユナイテッド・シネマ/
シネプレックス
一般券(大学生以上)1,800円が1,300円になる
カラオケルーム歌広場 20時までの入店でグループ全員、
室料20%オフになるなど
カラオケ ビッグエコー 室料が日~木・祝日30%オフ、
金・土・祝前日20%オフ、
フリータイム5%オフになる
東京お台場 大江戸温泉物語 おとな(中学生以上)平日2,768円が1,986円になる
レゴランド・
ディスカバリー・
センター東京
入場券(平日)2,500円が1,400円になる
横浜・八景島シーパラダイス アクアリゾーツ パス(水族館4施設パス)おとな・
高校生以上3,000円が2,600円になる
日産レンタカー 一般料金より12~50%オフになる
コスモ石油 全国約570店舗でガソリン・軽油が
1リットルあたり1~2円割引になる

このような優待が受けられるクレジットカードは少なくない。しかし、年会費実質無料カードのサービスであることを考えると、非常に充実した内容といえるだろう。ここに挙げたもの以外にも、提供期間が短い代わりに割引率・値引額が大きい優待が随時提供されるので、それらも上手に使うとさらにメリットが大きくなる。

メリット2,TSUTAYAレンタル登録料・更新料、ETCカードが無料

Tポイント・TカードはTSUTAYA (ツタヤ)発祥ということもあり、このカードではTSUTAYAでの優待も利用できる。TSUTAYAは店舗によってレンタル年会費や更新料が必要になるが、このカードを持っているとそれらが無料になる。

また、ETCカードも年会費無料で作れる。車で有料道路を使う人には、これもメリットになるだろう。

メリット3,海外最高2,000万円・国内最高1,000万円の旅行傷害保険が付帯

このカードには、海外・国内旅行傷害保険が付帯する。

・海外旅行傷害保険……最高2,000万円
旅行代金のカード払いの有無にかかわらず最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯(自動付帯)。傷害・疾病治療費用の補償金額が最高200万円、賠償責任の補償金額が最高2,000万円に設定されており、年会費が実質無料のカードの保険としては非常に良い条件といえる。

海外旅行傷害保険(自動付帯)

補償項目 保険金額
傷害死亡 最高2,000万円
後遺障害 80万~2,000万円
傷害治療費用 最高200万円
疾病治療費用 最高200万円
賠償責任 最高2,000万円
携行品損害 最高20万円
(免責3,000円)
※1旅行かつ1年間の限度額
救援者費用 最高200万円
※1年間の限度額

・国内旅行傷害保険……最高1,000万円
一方、国内旅行傷害保険は旅行代金をカードで支払った場合に付帯する「利用付帯」だ。こちらも、入院・手術・通院が補償対象である点が高く評価できる。

補償項目 保険金額
傷害死亡 1,000万円
後遺障害 30万~1,000万円
入院1日につき 5,000円
手術1日につき 5万円/10万円/20万円
※手術の種類に応じて
通院1日につき 3,000円

年会費が実質無料であることを考えると、いずれも充実した内容といえるだろう。

4,Tカード Primeの3つのデメリット――国際ブランド、家族カード、ポイントアップ条件

申し込む前に、このカードのデメリットも確認しておこう。

デメリット1,選べる国際ブランドはMastercardのみ

このカードの国際ブランドは、Mastercardだ。Mastercardの加盟店は世界中に数多くあるため不便はないが、すでにMastercardブランドのカードを持っていて、別のブランドを検討していた場合はデメリットになるだろう。

デメリット2,家族カードがない

このカードでは家族カードが発行されないので、クレジット利用ポイントをまとめたい人や家族のカード利用状況を把握したい人には向かない。

家族が各自でこのカードに申し込むことはできるが、収入がなかったり少なかったりする場合は審査に通らない可能性がある。

デメリット3,日曜日にカードを使わないと最大限の恩恵が受けられない

日曜日にカードを使う機会があまりない人は、日曜日に1.5%還元になるというメリットを十分享受できない。

5,Tカード Primeがおすすめなのはどんな人?

日曜日に外出の多い人であれば、トータルでポイント還元率が1%を超える超高還元率カードとなる。Tポイント提携店の利用が多い人も、ポイント2重取りができるのでおすすめだ。

年会費実質無料カードとしては海外・国内旅行傷害保険が非常に充実した内容なので、旅行の多い人にもおすすめしたい。

執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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