世界最大の資産運用会社BlackRockが、ビットコインデリバティブ市場への参入を準備していることがわかった。20日、2つのファンドの目論見書 「BlackRock Funds V」 と 「BlackRock Global Allcoation Fund, Inc.」が米証券取引委員会(SEC)のウェブサイトに掲載されたことにより明らかになった。

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(画像=月刊暗号資産)

どちらの目論見書も、投資スキームの一部としてビットコインのデリバティブの可能性に言及している。しかし、いずれも参入時期およびビットコインデリバティブの取り扱いについて明確な声明を出していない。

BlackRockは1988年にニューヨークで設立された世界最大手の資産運用会社だ。昨年12月末時点で資産運用残高は8兆6800ドル(約900兆円)に上る。

BlackRockはSECに提出した目論見書で、取引を行う場合は米商品先物取引委員会(CFTC)に登録した取引所で、現金決済の先物のみを利用すると報告した。

一方で、BlackRockは目論見書において、「ビットコインデリバティブは『比較的新しい』市場であるため、非流動性リスクを伴う可能性がある」と指摘している。また、同様にファンドに悪影響を与える可能性があるリスクとして、規制の変更やボラティリティの高さ、評価リスク等を挙げた。

BlackRockの幹部はここ数ヶ月でビットコインについて肯定的な発言をしており、機関投資家の暗号資産(仮想通貨)に対する評価の変化によるニーズに応えようとしている。

昨年11月、BlackRockの債券担当最高投資責任者(CIO)であるRick Rieder氏は、ビットコインについて「金に取って代わる可能性が大きい」と語った。

また翌12月には、BlackRockのLarry Fink最高経営責任者(CEO)が、「ビットコインは世界的な投資市場の注目を集め、発展する可能性がある」と述べていた。(提供:月刊暗号資産