1月19日、大手ゲームメーカーのカプコン <9697> の株価が一時7190円まで買われ、過去最高値を更新した。昨年3月13日の安値2400円から約10カ月で3倍の上昇である。後段で述べる通り、今年3月には人気ゲーム『モンスターハンター』のシリーズ最新作の発売を控えているが、1月8日にリリースされた体験版にアクセスが集中し、一時ダウンロードできない事態となった。ゲーム業界は新型コロナ禍の巣ごもり需要等を背景にハードウェアもソフトウェアも好調だ。

今回はカプコンの最新動向をお届けしよう。

『モンスターハンターライズ』体験版にアクセス集中

カプコン,株価
(画像=kou / pixta, ZUU online)

カプコンは世界的なゲームメーカーだ。『カプコン統合報告書 2020』によると『バイオハザード』のシリーズ28作品の世界累計販売本数は9800万本、同じく『モンスターハンター(以下、モンハン)』はシリーズ12作品で6300万本、『ストリートファイター』は13作品で4400万本、『ロックマン』は6作品で3600万本と数多の人気コンテンツを世に送り出している。

今年3月26日には Nintendo Switch 向けの『モンスターハンターライズ』を発売する予定で、1月8日にはその体験版をリリースした。モンハンとしては、2018年の『モンスターハンター:ワールド』以来3年ぶりになる(スマホゲーム等を除く)。反響は予想以上で、1月8日にはニンテンドーeショップにアクセスが集中し、体験版のダウンロードが一時できない事態となった。SNSでは体験版に関するコメントが相次ぎ、ユーチューブには体験版のプレイ動画が多く投稿されている。ちなみに、1月19日時点のAmazonの今一番売れている「Nintendo Switchゲームソフト」ランキングは、1位がコナミホールディングス <9766> の『桃太郎電鉄』、2位が『モンスターハンターライズ』、3位が任天堂 <7974> の『あつまれどうぶつの森』となっている。『モンスターハンターライズ』は予約段階で2位にランクインする人気ぶりだ。

カプコンの人気コンテンツは『バイオハザード』に代表されるように、映画等とのメディアミックスを展開するのが特徴だ。モンハンもゲーム発売日の3月26日にあわせて、ハリウッド映画の実写版『モンスターハンター』が公開される。日本語吹き替え版はモンハン好きの声優に限定し、中でもモンハンのヘビープレイヤーとして知られる俳優・松坂桃李氏は日本語ではなく「モンハン語」で吹き替えをすることでも話題となっている。今後も3月26日に向けてイベント等さらなるプロモーションが展開されることになりそうだ。

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