「人生年表」を書けば自分の価値観に気づける

とはいえ、「自分のやりたいことがわからない」「好きなことがわからない」という人もいるでしょう。その場合は「人生年表」を書くことをお勧めします。

人生年表とは、横軸に時間、縦軸に幸福度を取ったグラフのこと。書くには時間がかかるので、30分ずつ、何日かに分けて作成しましょう。グラフを書く前に、まずは人生の棚卸しをします。

「誕生~幼稚園」「小学校」「中学校」「高校」「大学」「社会人1社目」「2社目」というように、自分の来た道を環境の変化ごとに区切り、それぞれの期間の「3大嬉しかったこと」「3大悲しかったこと」を、その理由と共に書き出します。

そして、それを見ながらグラフを作成すると、これまで気づいていなかった自分が見えてきます。注目すべきは、低迷期から好調期に変わった時期。その浮上のきっかけは何だったか。何を考え、どう苦境に対処したのか。そこを掘り下げると、自分が大事にしているものが見えてきます。

ちなみに私は、人生が好転したとき、必ず「朝活」がカギになっていました。そして今は、朝活をライフワークにしています。自分の価値観や軸を知り、何を求めて生きているのかがわかれば、「したいこと」が自然に見つかってくるでしょう。

軸ができると、日頃抱いている不満に対しても、違った見方ができるようになります。例えば、「上司の方針はおかしい」と怒っているとしたら、「それなら、どんな方針なら自分は納得できる?」と考えてみましょう。

自分の中の理想を思い描けば、新しいアイデアが生まれてきます。不満やグチで終わらず、「こうなったら最高だ」を考える習慣がつけば、気持ちが明るくなり、周囲の評価も変わっていくでしょう。

日常の用事はルール化し、そこに頭を使わない

以上のように、朝の1時間で人生は大きく変わります。あとは実行あるのみ……なのですが、「1時間でも早く起きるのはつらい」という人も少なくありません。

では、この1時間を、つらいと感じることなく捻出するには、どうすればいいのか。一番お勧めなのは「自動化」です。毎日することを、できるだけルール化するのです。

「朝食は何にしよう?」「今日はどの服を着よう?」などと毎朝考えるのは意外に時間を取りますし、判断するために脳のパワーも奪います。そこで、「朝食は前日の夕飯を温め直して食べる」「服は曜日ごとに決めておく」というように、固定するのも一つの手です。

夕飯も「1カ月分の献立を作っておいて、毎月、それを繰り返す」と決めるなど、生活の中の様々な用事を何も考えずにできるルールにしておけば、迅速に終わらせることができ、その分、早く寝られて、早く起きられます。

自分の価値観に従って、「これはこだわらなくていい」と思ったことに使う時間をどんどん圧縮してみてください。これもまた、タスクの優先順位を見極める良い練習になります。実行すればするほど、毎日の充実度が上がっていくでしょう。

池田千恵(朝イチ業務改革コンサルタント)
(『THE21オンライン』2020年12月14日 公開)

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