1月14日、カジュアル衣料品店「ユニクロ」等を世界展開するファーストリテイリング <9983> の株価が一時9万5310円まで買われ、過去最高値を更新した。2020年3月19日の安値3万9910円から10カ月で約2.4倍の上昇である。時価総額は一時10兆円を超える場面も見られ、アパレル製造小売業で世界一の「ZARA」を展開するインディテックスに肉迫している。後段で述べる通り、ユニクロの国内既存店売上高は8カ月連続のプラスと好調、eコマース販売も48.3%増と急成長を遂げており、名実ともに新型コロナ禍の「勝ち組」といっても差し支えないだろう。
今回はファーストリテイリングの最新動向をお届けしよう。
既存店売上は8カ月連続でプラス、eコマースも48%増と急成長
2月2日、ファーストリテイリングが発表した2021年1月のユニクロの国内既存店売上高は前年同月比で2.0%増だった。新型コロナ禍にありながら2020年6月以降、8カ月連続のプラスを記録している。1月は2度目の緊急事態宣言で時短営業をしたため客数は0.3%減少したが、ヒートテックなどの防寒着やステイホームを意識した衣服が好調で客単価は2.4%増加している。
ユニクロはeコマースも好調だ。1月14日に発表した2021年8月期第1四半期(2020年9〜11月)の既存店売上は7.3%増だったが、eコマースの売上は同367億円で48.3%増の急成長を示した。新型コロナ禍で「3密(密閉・密集・密接)」回避の生活様式が広く浸透する中、eコマースを活用する動きが広がったためと見られる。ちなみに、国内売上に占めるeコマースの割合は14.5%だ。