米国の製薬大手・ファイザーが開発したワクチンが2月14日、厚生労働省に承認されました。有効性や安全性などが確認されたとして、新型コロナウイルスのワクチンが国内で承認されたのは初めてです。

ワクチンは2月17日にも医療従事者の先行接種が始まる見通しで、政府は順次、高齢者などへの接種を進めていく方針です。

緊急事態宣言が延長されるなど、依然として猛威をふるう新型コロナウイルス。一方で、国内の富裕層の間では「闇ワクチン」の接種が広がっているようです。

報道された富裕層のワクチン接種

闇ワクチン,国内富裕層
(画像=redpixel/stock.adobe.com)

2021年1月1日、元旦に衝撃的なニュースが国内を駆け巡りました。中国で製造された新型コロナウイルスの未承認ワクチンを、大手企業のトップやその家族18名が接種していたというのです。

このワクチンは、中国人のコンサルタントが持ち込んでいるとされています。

お金と人脈さえあれば、正規のルートを外れて未承認のワクチンを接種できるのかもしれませんが、日本経済に大きく関与する大企業のトップが自分だけのためにこのような行動を起こすのは褒められたことではありません。

中国製ワクチンの実際は

まさに藁にもすがる思いで未承認ワクチンを接種した富裕層たち。新型コロナウイルスへの恐怖から逃れるためとはいえ、中国製の未承認ワクチンの安全性は確保されているのでしょうか。

中国は、新型コロナウイルスの感染拡大後すぐにワクチンの開発に着手していました。BBCニュースによると、2月3日時点、中国では16種類のワクチンが開発段階にあり、すでに20ヵ国以上とワクチンの供給契約を結んでいるといいます。

中国製のワクチンについては有効性を疑問視する声もあります。中国製のワクチンは重症化を防ぐ面では有効とされていますが、その実際はすぐに答えが出るものではありません。

2月5日には、フランスのマクロン大統領が「情報が共有されていないため中国製ワクチンの有効性は不明」「ワクチンが適切でない場合は新たな変異株の出現を助長する」と警告しています。

国内ではいつワクチンが解禁されるのか

日本政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種を2021年2月中に実施できるよう準備を進めています。2月17日にも医療従事者から行い、次いで高齢者、基礎疾患のある方、高齢者施設の従事者と続きます。一般への接種スケジュールは未定で、4月以降になる見込みです。

接種場所は、住民票所在地の市町村にある医療機関や接種会場です。ワクチンの接種は無料で受けられます。

これまでにあった副反応は

新たなウイルスに対抗する新たなワクチン、接種後にはどのような副反応が出るのかは多くの人が気にするところでしょう。

多くは、接種部分の痛みや頭痛、倦怠感、筋肉痛など、一般的なワクチン接種と同様の副反応にとどまるとされています。しかし、まれにアナフィラキシー(急性アレルギー反応)が発生することがあるようです。

イギリスの規制当局は、2021年1月下旬までにワクチンを接種した716万人のうち、アナフィラキシーが起こったのは114件だったと発表しました。

そのワクチン、偽物かも

富裕層のように、「我先に」と闇ワクチンを求めずとも、もう少しでワクチンの一斉接種が始まります。また、国が行うワクチン接種なら、もし重大な副反応が起こっても「予防接種健康被害救済制度」による救済が受けられます。

未承認のワクチンで重大な副反応が起きたとしても、国の救済は受けられません。日本で摂取できる闇ワクチンはワクチン自体が偽物の可能性もあり、厚生労働省はワクチン詐欺に注意するよう呼び掛けています。(提供:YANUSY

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