一億総中流時代も今は昔、日本における個人の所得格差、資産の格差は拡大するばかり。富める者と貧する者には大きな溝が横たわっています。富裕層と貧困層、それぞれが増加しており、中間層が減少しているのが今の日本なのです。
富の集中は海外だけの問題ではない
一部の富裕層に富が集まり、多くの人が貧困にあえぐ……この問題は現在、世界の多くの国で起こっています。2000年代に入ってからというもの、日本でも格差が広がり、今後も若者を中心に貧困が拡大すると考えられています。
野村総合研究所は、日本の富裕層は2019年時点で133 万世帯、純金融資産は333兆円と推計しています。また2005年以降、富裕層の純金融資産額はほぼ右肩上がりに増加しているといいます。
その一方で、国内では貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)に満たない世帯の割合も増加している状況です。
貧困とされる世帯は子どものいる現役世代でも多く、大人2人の子どもがいる世帯の相対的貧困率(貧困線に満たない世帯員の割合)は2018年時点で11.2%となっています。国際的に問題となっている「働く貧困層」が日本でも多く存在しているのです。
127万円以下の生活
2018年の貧困線は127万円です。年間の可処分所得が127万円以下の世帯の毎月の手取りは約10万円ということになります。
月10万円の収入では、家賃を払った後に残る現金はごくわずかです。子どもがいる世帯では貯蓄どころか、生活しているだけで赤字が膨らむ家庭も多いことでしょう。
仕事終わりに同僚や友人と食事に出かける、休日に家族でレジャーを楽しむのも難しい収入といえいます。
働く富裕層の生活
純金融資産保有額が数億円の超富裕層は、有り余る資産を運用してさらに資産を増やしながら生活しています。
大きな自宅の駐車場には高級車が並び、数千万円の会員権を購入して高級ホテルを利用するエグゼクティブも少なくありません。
格差は解消できないのか
富裕層は資産を築くために大きな努力をしているのは確かですが、貧困層と呼ばれる人々も生活のために日々働いています。就職氷河期を経験した30代、40代の中には、以降正社員になれず非正規労働者として働く人も少なくありません。
近年では、高校新卒者を受け入れていた工場員や一般事務も、IT化等により人員を多く必要としていない現状があります。格差が広がり続ければ、経済の衰退は避けられません。政府が国民の生活を保障するベーシックインカム(基礎所得保障)の必要性を叫ぶ声も出ていますが、導入されるとしてもまだまだ先の話でしょう。
資産を築き増やすためにどうすればよいのか、多くの個人が考えるべき時が来ています。(提供:YANUSY)
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