「セゾンカードデジタル」は、券面の表にも裏にもカード番号のない日本初の完全ナンバーレスクレジットカードだ。アプリ上でスピーディーに番号が発行され、即座に支払いに使えることもメリットとなっている。ここでは、カードの詳細について紹介しよう。

1,カードの基本スペックと審査基準――日本初の完全ナンバーレスクレジットカード

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(画像=umaruchan4678/stock.adobe.com)

日本初の完全ナンバーレスクレジットカードとなる「セゾンカードデジタル」は、プラスチックカードの券面の表にも裏にもカード番号などの記載はない。また、カードの申し込みからApple Pay・Google Payへの登録までスマホで可能となっており、カード番号自体はわずか5分ほどで発行完了する。

この革新的なカードの基本スペックからまずは見ていこう。

セゾンカードデジタルの基本スペック……年会費、ポイント還元率、電子マネー

国際ブランド VISA
MasterCard
JCB
年会費 無料
ポイントサービス 永久不滅ポイント
通常ポイント還元率 0.5%
ポイント交換対象 ショッピングの支払いに充当
Amazonギフト券
dポイントなど
空港ラウンジサービス
付帯保険
追加カード ETCカード
電子マネー 【Apple Pay/Google Pay経由】
QUICPay
【おサイフケータイ経由】
QUICPay
iD
(※セゾンカードのホームページを元に筆者作成)

審査基準・審査難易度……年収100万円以上が目安

申し込み対象として「18歳以上(高校生は除く)」「専業主婦でも学生でもお申し込み可能」となっていることから、審査基準のハードルもそう高くはないことがうかがえる。

新しいカードなので審査基準を推測するための口コミ情報は十分ではないが、似たスペックの「セゾンカードインターナショナル」では年収100万円以上が審査通過の年収条件といわれていることから、このカードでもそれが目安になると考えていいだろう。

2,セゾンカードデジタルの4つのメリット――最短5分発行、完全ナンバーレス、アプリによるカード管理、セゾンカードの優待

次に「セゾンカードデジタル」のメリットとなっている特徴を4つ挙げ、それぞれ説明しよう。

メリット1,最短5分でカード番号発行

公式サイトから申し込むと最短5分でデジタルカードが発行。デジタルカードはクレディセゾンの公式アプリ「セゾンPortal」で確認でき、表示画面ではカード番号、有効期限、セキュリティコード、カード名義を確認できる。

表示されたカード情報を使ってすぐにオンラインショッピングで利用できる他、Apple PayかGoogle Payへの登録によりQUICPay加盟店での支払いにも利用可能だ。また、オンラインキャッシングにより現金を口座に入金してもらうこともできる。

なお、「セゾンPortal」上に表示されるデジタルカードの券面はその日の気分に応じてデザインの着せ替えも可能だ。

――わずか5分ほどでデジタルカードが発行され、オンラインショップだけでなくQUICPay加盟店なら実店舗の支払いにも即座に使えるスピード感は大きなメリットといっていいだろう。

メリット2,プラスチックカードは完全ナンバーレス

デジタルカード発行後に届くプラスチックカードの券面には表にも裏にも、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードの記載はなく完全ナンバーレスだ。クレジット決済に必要な情報を券面から排したことにより、実店舗における盗み見、紛失時の不正利用やスキミングなどによるセキュリティ上のリスクはほとんどなくなった。

券面の表側は「SAISON CARD」のロゴとカード名義のローマ字表記、そして国際ブランドのロゴのみというシンプルなデザインだ。この現代的な美しさも特徴の1つといっていいだろう。

――これまでも券面の表に番号記載のないクレジットカードは存在していたが、裏にも番号がないカードはこのカードが国内初。セキュリティ面での大きなメリットとなっている。

メリット3,アプリで便利にカードを管理できる

アプリ「セゾンPortal」ではカード番号など決済に必要な情報を確認できるだけでなく、利用明細やポイント数の確認も可能だ。ポイントの交換や登録内容の変更にも対応している。また、決済ごとに、利用日時や利用金額、利用加盟店をプッシュ通知で知らせてくれる機能もある。

万が一、身に覚えがない決済があったり、カードが手元に見つからず不正利用のリスクが考えられたりする場合には、アプリからカード利用の一時停止も可能だ。最長24時間、国内・海外におけるショッピングやキャッシングなどの利用を停止できる。

――以上の機能のうち、特にプッシュ通知は不正利用された場合にそれを早く知ることができる点でセキュリティ的なメリットは大きい。

メリット4,セゾンカードの充実したサービス・優待などを利用できる

年会費は無料であっても、セゾンカード共通のサービスや優待などはしっかり利用できる。まずは、トラベル関連とショッピング関連を中心に主なサービスを紹介しよう。

ジャンル 優待名・優待店舗名 優待内容
トラベル ワールドおみやげ
サービス
世界各地のお土産を
カタログなどで選び、
帰国後に受け取れるサービスにおいて
全商品10%オフに。
また、購入分にはポイント5倍
(2.5%還元)が適用される
tabiデスク 大手旅行会社の海外・
国内パッケージツアーが
同行者も含めて最大で8%オフに
HISセゾン・UCデスク H.I.S.の海外
パッケージツアーが2%オフに
海外個人旅行デスク 海外旅行の出発前に、
情報提供や航空券の案内、
ホテル予約などのサービスを受けられる
海外アシスタンスデスク 海外拠点において、観光情報、
レストランなどの予約、各種チケット手配、
トラブル対応などのサービスを受けられる
ハーツレンタカー 世界145ヵ国、1万200以上の
拠点を持つハーツレンタカーで5~20%オフ
オリックスレンタカー お得なプラン、優待価格で利用可能
ショッピング 高級タイムセールサイト
「セゾンカード×LUXA
(ルクサ)」
各種のぜいたく体験を最大90%オフで
提供するサービスで使えるギフト券
(500円分)をプレゼント
西友・リヴィン・サニー 毎月第1・第3土曜日、および特別開催日に
全国の西友・リヴィン・サニーで5%オフに。
食料品だけでなく衣料品や家電製品まで対象となる
その他 カレコ・カーシェアリングクラブ 利用クーポン(2,000円分)プレゼントの他、
月会費(980円)2ヵ月間無料、
ポイント2倍(1%還元)などが適用
会員限定チケットサービス
e+(イープラス)
人気公演チケットを先行予約や
優待割引など会員限定特典付きで提供
ABEMAプレミアム 映像コンテンツ配信サービス
「ABEMAプレミアム」の利用料
(月額税込960円)が3ヵ月間無料となる
(※セゾンカードのホームページを元に筆者作成)

これ以外に、セゾンカードの優待店舗が全国に多数あり、最大60%割引などの優待を受けられる。その一部を次に紹介しよう。

優待対象 優待内容
横浜みなとみらい
万葉倶楽部
入館料大人2,500円が2,300円に、
子ども1,400円が1,300円に(5名まで)
SPA&HOTEL
舞浜ユーラシア
大人一般入館料が500円引き、
岩盤浴が520円引き(5名まで)
鴨川シーワールド 入館料大人3,000円が2,700円に、
子ども1,800円が1,620円に(5名まで)
富士急ハイランド フリーパス大人6,200円が6,000円に、
小学生4,500円が4,300円に(5名まで)
カラオケパセラ
池袋本店
人気メニュー「ハニトー」を1つ無料プレゼント
カラオケ館 室料(一般料金)が30%オフに
カラオケ
JOYSOUND 直営店
室料が30%オフに、
フリータイム・ドリンクバー込み料金などは
10%オフに(グループ全員)
(※セゾンカードのホームページを元に筆者作成)

――セゾンカードの充実したサービス・優待の数々を年会費無料で利用できるのは、このカードの大きな魅力となっている。

3,ポイントサービス、還元率――多彩な交換対象が容易

ポイントサービスも確認しておこう。このカードのポイントサービスの概要は次のようになる。

たまるポイントと還元率……通常0.5%還元

たまるポイントは「永久不滅ポイント」で、クレジット支払い1,000円ごとに1ポイント(約5円相当)がたまる。ポイント還元率は約0.5%。なお、ポイントの有効期限はその名称が示す通り無期限となる。

たまるポイント 永久不滅ポイント
ポイントのたまり方 1,000円ごとに1ポイント
通常還元率 約0.5%
有効期限 無期限
(※セゾンカードのホームページを元に筆者作成)

ポイントの交換対象……ショッピングの支払いにも充当可能

ためたポイントは賞品への交換の他、各社ギフト券、ポイント、マイルなどに交換可能だ。ショッピングの支払いにも充当できる。さらに、ポイントを投資信託などで運用する「ポイント運用」も可能だ。交換対象の一部と必要ポイント数を紹介しよう。

交換対象 必要ポイント数 交換対象単位
スターバックスカード 100ポイント 450円分
Amazonギフト券 200ポイント 1,000円分
ショッピング支払いに充当 900円分
nanacoポイント 920ポイント
dポイント 1,000ポイント
JALマイル 500マイル
ANAマイル 600マイル
ANAスカイコイン 900コイン
UCギフトカード 500ポイント 2,000円分
TOHOシネマズ
映画鑑賞引換券
700ポイント 2枚
出光キャッシュプリカ 1,000ポイント 5,000円分
JTB旅行券 1,200ポイント 5,000円分
(※セゾンカードのホームページを元に筆者作成)

――ここに挙げていないものも含め、交換対象となっている他社ポイントやギフト券のラインアップが豊富なことが特徴となっている。ポイントやマイルを1つにまとめたい人には大きなメリットとなるだろう。

ポイントアップの方法……「セゾンポイントモール」でポイント最大30倍

ネットショッピング時にポイントサイト「セゾンポイントモール」を経由すると、ポイントが最大30倍となる。

同モールにはAmazon、楽天市場、Yahoo!ショピング、PayPayモール、じゃらんなど400以上の有名サイトが登録され、30万以上のショップを利用可能だ。普段使っているショップを利用するときに同モールを経由するだけでポイントアップを図ることができる。

――実店舗でも一部ポイントアップが適用される店があるものの、「セゾンポイントモール」を除けばポイントアップの機会はあまり多くないといっていいだろう。

4,セゾンカードデジタルの3つのデメリット――還元率、付帯保険、家族カード

「セゾンカードデジタル」のデメリットを挙げるなら次の3つとなる。

デメリット1,ポイント還元率は高くはない

約0.5%のポイント還元率はあまり高い方ではない。先にも触れたようにポイントアップの機会も少ないので、ポイントをためるのに向いているカードとはいえない。

デメリット2,保険が付帯しない

旅行傷害保険やショッピング保険は付帯しない。最近では年会費無料のクレジットカードでもそれらが付帯するものがあることを考えると少し物足りない印象がある。

デメリット3,家族カードがない

家族カードがないため、家族の利用分を合算してポイントをためることができない。

5,セゾンカードデジタルがおすすめなのはどんな人? 非接触決済が多いなら

スピード発行されるデジタルカードと、完全ナンバーレスのプラスチックカードという現代的なニーズに十分対応しており、Apple PayやGoogle Payへの登録もシームレスに可能であると考えると、すぐにカードが必要な人や、電子マネーなど非接触決済の利用の多い人に最適のカードといっていいだろう。

デメリットで挙げたように、ポイント還元率や付帯保険の点で少々物足りない点もあるが、年会費無料と考えると、スペックは特段に劣っているとはいえない。

他の高還元率のカードをメインにすえた上でサブカードとして活用する形なら、セキュリティ面でメリットがあり、優待面でも使い勝手の良いカードとして重宝してくれそうだ。

執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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