時刻は午前5時を過ぎていた。これで何回目だろうか。最近、同じ夢を何度も見ている。新型コロナのワクチンを接種する夢だ。肩の皮膚に対して垂直に注射の針を刺される夢だ(筋肉注射と呼ぶらしい)。ちなみに筆者は物心ついた頃から毎晩のように繊細な色の夢を見ている。「夢を見るのは眠りが浅かったり、ストレスを感じたりしている証拠」などと言われるが、米国大統領に任命されたり火星でコアラと共同生活を送っていたりと、奇抜なストーリーの映画を見ているようでなかなか面白い。原稿の締め切りが迫っている時には、学校の試験が始まるのに鉛筆が1本もなくてオロオロする、空港に着いたらうっかり母のパスポートを持って来てしまったことに気付いて絶望するなど、典型的な「焦る悪夢」も見る。

外出先でマスクの紐が切れて焦ったり、ワクチンを接種する夢を見るようになったのは最近のことだ。新型コロナとの共存生活が2年目に突入し、筆者の潜在意識下に完全に浸透したのだろう。筆者が住むオランダでは、5月までにワクチン接種希望者全員に少なくとも1回目の投与を行う計画で、友人・知人でもすでに接種した人が続々と増えている。筆者自身、ワクチンを接種する時が刻一刻と迫っているのを肌で感じる日々である。

新型コロナのワクチン接種の拡大とともに開発競争もますます激化している。最近の話題で注目されるのは、何と「注射をしないワクチン」や「注射器を使わない技術」の開発情報までリリースされていることだ。今回は「次世代コロナワクチン(Next Generation Corona Vaccines)」についてリポートしたい。

「注射をしないワクチン」の時代が到来する?

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(画像=artswai / pixta, ZUU online)

ニューヨークタイムズ紙のデータによると、2021年3月13日現在、少なくとも1カ国以上で完全使用の承認を得ているワクチンは米ファイザーと独バイオンテックが共同開発したmRNA型、米モデルナのmRNA型、中国カンシノ・バイオロジクスのアデノウイルスベクター5型、中国シノファーム、シノファーム武漢、シノバックの不活化型の6種類となっている。その他、英アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発したウイルスベクター型、米ジョンソン・エンド・ジョンソンのアデノウイルス血清型26ベクター型、ロシア科学アカデミー、チュマコフセンターが開発した不活化型などが、緊急使用や早期使用の承認を得ている。