出前館 <2484> といえば、ダウンタウンの浜田雅功が登場するテレビCMを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。「で、で、出前館、出前がスイスイスーイ」スーダラ節のリズムに合わせて浜田雅功が歌い踊るこのCMは、CM総合研究所が調査する2021年1月度「銘柄別CM好感度ランキング」で第3位にランクインしたほか、LINE Research Platformを活用したスマートフォン調査の認知率も2021年1月時点で79.9%と過去最高を更新した。このCMで出前館のブランドイメージは一気に高まったと言っても差し支えないだろう。ちなみに、この4月1日からは人気芸人のEXITとモデルの莉子が出演する新テレビCMがスタートしている。

フードデリバリーサービスは「新型コロナ禍の勝ち組」「巣ごもり関連」として株式市場でも注目度の高い業界だった。「密を避ける」「リモートワーク」など感染予防をしながら日常生活を送るウィズコロナの時代にマッチしたことで市場が急速に拡大し、代表的な銘柄の一つである出前館の株価は2020年3月13日の安値524円から12月18日の高値4200円までの9カ月間で8倍に上昇した。出前館は、新型コロナ禍の2020年を象徴する銘柄の一つだったと言えるだろう。

問題はその後の展開だ。後段で述べる通り、出前館は売上が急増しているにもかかわらず「赤字も拡大」しており、株価は2021年3月29日に年初来安値となる2270円を記録、2020年12月18日の高値4200円からわずか3カ月で46%も下落している。出前館の赤字が拡大しているのはなぜか?

今回は出前館の話題をお届けしよう。

出前館、売上2.7倍、赤字9.2倍の理由とは?

出前館,株価
(画像=nopnop / pixta, ZUU online)

3月26日、出前館は2021年8月期第2四半期累計(2020年9月〜2021年2月)決算を発表した。売上は前年同期比2.7倍の104億円と急増したが、本業の利益を示す営業利益は83億円の赤字と前年同期(9億円の赤字)から赤字幅が拡大した。赤字幅は前年同期の実に9.2倍である。