米国時間4月11日、ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGCで最終日を迎えた、ゴルフのマスターズ・トーナメント(以下、マスターズ)は、松山英樹選手が1打差で優勝した。マスターズは4大メジャー大会の一つで、日本男子が制覇したのは初めてのことだ。ちなみに、マスターズを中継したTBS系列の『マスターズゴルフ2021 最終日」(日本時間4月12日、午前5時~午前8時20分)の世帯平均視聴率は12.1%に達した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。TBSは1976年からマスターズの中継を行ってきたが、今回の12.1%は歴代最高である。中継では解説の中嶋常幸、宮里優作とともにメイン実況を務めた小笠原亘アナウンサーが感極まって涙がとまらず、55秒間も沈黙状態になるという放送事故まで発生した。この日はテレビ東京系列の『モーニングサテライト』を見ずに、マスターズの中継に釘付けになった投資家もいたことだろう。

注目されるのは12日の東京株式市場で、松山選手の優勝を祝福するように「ご祝儀相場」に沸いた銘柄が相次いだことである。株式市場はスポーツイベントが大好きだ。とりわけ国際大会で日本人選手が優勝すると関連銘柄が「ご祝儀相場」に沸くことが珍しくない。今年の夏は東京オリンピック・パラリンピックを控えているが、今回はケーススタディとして「株式市場とスポーツ・イベント」をテーマにお届けしよう。

松山選手の優勝を祝福!? 関連銘柄が相次いで上昇

ゴルフ関連,株価
(画像=HIME&HINA / pixta, ZUU online)

松山選手のマスターズ優勝が決まって小一時間、興奮冷めやらぬ中で4月12日の東京株式市場は取引を開始した。日経平均は106円高と小幅高で始まる中、動きを見せたのは「ゴルフ関連銘柄」「松山英樹関連銘柄」だった。

松山選手はマスターズではドライバーで300ヤード以上を飛ばし、外国人選手と互角に渡り合った。そんな松山選手を支えたのがスリクソンのZX5 ドライバーだった。ちなみに、松山選手はアイアンもスリクソンのZフォージド、ボールはスリクソン Zスター XVを愛用している。スリクソンは住友ゴム工業 <5110> のスポーツ関係子会社ダンロップのブランドだ。スリクソンのロゴは松山選手のキャップやポロシャツの胸にも刻まれていたので、これに目をつけた投資家もいたようだ。