年収1,000万円を超えると、ビジネスマンとしてステップアップできたと思う人が多いはず。より贅沢な生活を送りたいと考えるかもしれませんが、適切に税金対策を行わないと年収1,000万円以下の人たちと変わらないどころか、損をしてしまう場合もあります。

保険料の控除

金融
(画像= morita/stock.adobe.com)

最もベーシックな税金対策が「保険料の控除」。介護医療保険、個人年金保険料を支払うと、一定の金額の所得控除が受けられる控除制度です。

年間の支払保険料によって控除額は変わり、2万円以下では全額、2万円超4万円以下では支払保険料×1/2+1万円、4万円超8万円以下では支払保険料等×1/4+2万円、8万円超では一律4万円が控除されます。

もちろん、一般の生命保険も控除の対象です。老後の備えとして積み立てることで控除にもつながるので、まだ一般の生命保険などに加入していない場合は検討してみるのもひとつの手かもしれません。

医療費控除

自分や生計を共にする自分の家族が1年間に払った医療費が控除対象になるという制度です。

医療費には、病気の診療や治療、薬代だけでなく、入院の部屋代、通院のための交通費、歯科矯正費、医師の指示による治療のためのマッサージの施術も含まれるので、実は思っていたより金額がかさんでいる場合があります。

計算方法は次のとおりです。
医療費控除額=(医療費控除の対象になる医療費−保険金等で補てんされた金額)−10万円

ただし、医療費控除は年末調整では手続きができないため、確定申告を行う必要があります。

iDeCo(イデコ)

iDeCo(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」のことです。厚生年金、国民年金に加えた「もうひとつの年金」として活用する人が増えています。

掛金は自分で決めることができますが、国民年金の加入区分によって限度額が決まっています。掛金は全額「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、課税所得額から差し引かれることで所得税・住民税が軽減されます。運用商品も自分で選ぶことができるのもポイントです。

受け取り方も年金として60歳から5年以上20年以下の期間で受け取るか、60歳に到達したら70歳になるまでの間に一時金として一括で受け取るかを選ぶことができます。老後のひとつの資産として加入しておくのもいいかもしれません。

NISA(ニーサ)

NISA(ニーサ)は個人投資家のための税制優遇制度のこと。NISA口座で購入した株式、投資信託などといった金融商品の配当金や譲渡益などは、5年間は年間120万円まで非課税とされるという制度です。

例えば、120万円分の株をある会社に投資したとして、株価が2倍の240万円になれば120万円の儲けが出る計算になります。通常は120万円×20%=24万円を税金として納めなければならないのですが、NISA口座で取引をすると税金はゼロ。つまり、普通に取引をするよりも24万円お得になるということなのです。

不動産投資

サラリーマンの多くは経費を計上して赤字にすることができません。副業での経費を計上することも可能ですが、年収1,000万円のサラリーマンにはなかなかそんな暇がないという人も少なくないはずです。

そんな場合でもできる副業が「不動産投資」。物件を購入し、家賃収入を得たとしても赤字になることが多いため、その分所得を減らして申告することができます。また、減価償却として計上すれば、数年は経費の扱いになるので、あわせて所得金額を減らすことができるのがメリットです。

ライフスタイルに合った節税対策を

今回ご紹介した通り、保険料や医療費などすぐに始められる節税対策のほか、iDeCoやNISA、不動産投資などの対策があります。すべての対策を実践することもできますし、自分の手元にある資金やライフスタイルに合わせて、最適な節税対策を検討してみるのもいいでしょう。