数ある外貨運用方法のうち、リスクとリターンのバランスから「外貨建てMMF」が注目を集めています。少額投資・自由な売買という特徴があるため、外国株式よりも低リスクな投資がしたいという人は是非1度検討してみましょう。

外貨建てMMFとは?

金融
(画像= joyfotoliakid/stock.adobe.com)

外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)は外貨を用い、格付けなどにより安全性が高いと認められた短期の債券などを対象に投資する投資信託です。数千円程度からの運用が可能で、保有期間などの縛りがなく自由に売買できます。

上記のような特徴のほか比較的高利回りが期待できることから、外貨預金の代わりとして利用されるケースもあるようです。また、外国株投資の過程で発生する外貨をそのままMMFに回すことで、為替手数料の削減にくわえ為替差益を含めた損益通算もできて、税申告の簡略化が可能です。     

少額積み立ても可能な現実的手段!

外貨建てMMFでは月5,000円ほどの少額積み立てが可能になっています。少額から始められる点で、投資初心者にも向いている商品といえます。また、自動買付で手間がかからず、時間分散により一括購入時に比べ高値掴みのリスク低減が期待できます。

もちろん金融商品である以上は元本割れのリスクがありますが、積立が可能、預金に比べ利回りがよいとされ、株式よりも低コストなので、MMFは初心者でも始めやすい投資手段といえます。

外貨建てMMFのコストを確認しよう

外貨建てMMFにかかるコストの1つは「為替スプレッド」です。為替取引の際、基準レートに対し上乗せされる手数料のことで、MMFの場合は25~50銭ほどとなっています。また、MMFはプロに運用を任せる投資信託の1種ですので、管理費用や監査費用等がかかります。

もう1つ留意しておくべきコストは税です。MMF保有で得た分配金は20.315%が利子所得として源泉分離課税の対象(確定申告不要)となり、また売却で得た利益は20.315%が譲渡益として分離課税(要確定申告)の対象となります。

加えて、MMF運用のために外貨交換を行い、売却で為替差益が生じた場合、雑所得(総合課税)として申告が必要となるケースがあるため注意が必要です。ただし特定口座内で米国株などを運用しており、その過程で発生した外貨をMMF運用に回した場合などは損益通算が可能なので、確定申告の手間を省くことができます。

手数料無料の証券会社5選

最後に、取引手数料が無料の証券会社を見てみましょう。これらの会社は米ドル建ての為替スプレッドも往復40~50銭とリーズナブルです。米ドル建て商品の最低買付金額もふまえ、証券会社選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

▽楽天証券

  • 最低買付金額:10米ドル~
  • 為替スプレッド:往復50銭

▽SBI証券

  • 最低買付金額:10米ドル~(円貨決済の場合5,000円~)
  • 為替スプレッド:往復50銭

▽マネックス証券

  • 最低買付金額:1,000円~
  • 為替スプレッド:往復50銭

▽auカブコム証券

  • 最低買付金額:1万円~
  • 為替スプレッド:往復40銭

▽松井証券

  • 最低買付金額:1万円~
  • 為替スプレッド:往復40銭