NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)には3種類の口座があります。成年者の投資では一般NISAもしくは、つみたてNISAが利用可能です。開設できるのは1人1口座のため、それぞれの特徴や投資できる商品を確認し、非課税制度を十分に活用できる口座を選びましょう。

NISA口座には3種類ある

NISAとは、一定額までの投資から得た利益が非課税となる制度です。一般に金融商品への投資では、以下の利益に20%(2037年までは復興特別所得税がかかるため20.315%)の税金が課せられます。

  • 売買差益
  • 配当金や分配金・利子

税金は、投資においてコストと考えます。NISAを利用するメリットは、コストを削減することで、投資の効率を上げられる点です。

NISAには3種類の口座があります。非課税投資枠や非課税期間に違いがあるため、自分に合った口座を選ぶことが重要です。投資方針に合った口座を選ぶことで、非課税制度の十分な活用を目指しましょう。

スタンダードな「一般NISA」

一般NISAは、色々な投資スタイルに対応できるスタンダードな口座です。一般NISAの特徴を、表1にまとめます。

▽表1.一般NISA口座の特徴

項目 詳細
利用できる人 日本在住の20歳以上の人
非課税対象 投資信託や株などの運用で得られる譲渡益および配当金・分配金
非課税投資枠 新規投資額で毎年120万円(5年最大600万円)
非課税期間 最長5年(投資可能期間:2014年~2023年)
ロールオーバーの有無 あり

一般NISAは、投資できる金融商品の種類が多い点が特徴です。なお、NISA口座の非課税投資枠は、保有資産を売却しても復活しません。

積立投資向けの「つみたてNISA」

つみたてNISAは、積立投資に特化したNISAです。つみたてNISAの特徴を表2にまとめます。

▽表2.つみたてNISAの特徴

項目 詳細
利用できる人 日本在住の20歳以上の人
非課税対象 金融庁指定の投資信託から得られる分配金・譲渡益
非課税投資枠 新規投資額で毎年40万円(20年最大800万円)
非課税期間 最長20年(投資可能期間:2018年~2037年)
ロールオーバーの有無 なし
NISAネット証券比較ランキング
ネット証券
会社名
特徴 投資信託
取扱数
手数料

最大21万5千円
キャッシュバック
手数料、IPO、外国株
全てトップクラス
約2,600 無料

現金1,000円
プレゼント
初心者へのサポート充実 約1,400 無料

楽天ポイント
200ポイントプレゼント
トレードツールが便利 約2,700 無料

最大20万円
キャッシュバック
米国株取引に強み 約1,100 無料

つみたてNISAは、非課税投資期間が長い点が特徴です。毎年の非課税投資枠は40万円にとどまりますが、非課税期間が長いため最大非課税投資枠は800万円と、3つの口座の中で一番多くなっています。

未成年者が開設できる「ジュニアNISA」

ジュニアNISAは、未成年者に向けたNISA口座です。未成年者の名前で口座を開設し、親や祖父母等が資金を拠出、親権者等が子供や孫の代理として運用を管理します。ジュニアNISAの特徴は、表3のとおりです。

▽表3.ジュニアNISAの特徴

項目 詳細
利用できる人 日本在住の0~19歳の人
非課税対象 投資信託や株などの運用で得られる譲渡益および配当金・分配金
非課税投資枠 新規投資額で毎年80万円(5年最大400万円)
非課税期間 最長5年(投資可能期間:2016年~2023年)
ロールオーバーの有無 あり(20歳まで)

ジュニアNISAは、教育資金の貯蓄など子供のための資産作りに用いられる口座です。非課税投資期間終了後に名義人が20歳になってない場合は、ロールオーバーすることで非課税期間を延長できます。また、20歳を超えた場合には一般NISAもしくは、つみたてNISAに移管されます。

ジュニアNISAは口座名義人が18歳になるまで、原則として資金の払い出しはできません。災害などやむを得ない理由の場合は例外的に払い出せますが、その際は過去の利益にさかのぼって課税され、口座は廃止になります。ただし、このジュニアNISAは2023年で廃止が決まりました。そのため2023年までは払い出し制限が適用されることになります。

一般NISAとつみたてNISAの違いを確認しよう

20歳以上の人が自分の投資のために開設できる口座は、一般NISAおよびつみたてNISAです。では、それぞれの口座にはどのような違いがあるのでしょう。3つのポイントを解説します。

ポイント1:非課税期間の長さが違う

一般NISAとつみたてNISAでは、非課税期間の長さが違います。一般NISAの非課税期間は5年、つみたてNISAは20年です。

・一般NISAにはロールオーバーがある

一般NISAは非課税期間終了後にロールオーバーすることで、非課税期間を延長できます。ロールオーバーとは、資産を翌年の非課税投資枠に移管することです。ロールオーバーのポイントは、以下のとおりです。

  • 非課税投資枠終了時に値上がりしていた場合、値上がり分も含めて移管できる
  • ロールオーバーは、翌年の非課税投資枠を使用する
  • ロールオーバーするには、非課税投資枠終了前に手続きが必要

ロールオーバーでは、値上がり分も移管の対象です。仮に、120万円で投資した資産が150万円に値上がりしている場合、150万円すべてをロールオーバーできます。ただし、ロールオーバーでは翌年の非課税投資枠が使用されるため、120万円を超す資産を移管した場合、その年の非課税投資枠はゼロになります。

ロールオーバーをするには、非課税期間終了前に所定の手続きが必要です。手続きをしなかった場合は、課税口座の特定口座もしくは一般口座に移管されます。

ポイント2:非課税投資枠にも差がある

一般NISAとつみたてNISAの非課税投資枠の違いを、表4にまとめます。

▽表4.一般NISAとつみたてNISAの非課税投資枠の違い

  一般NISA つみたてNISA
1年間の非課税投資枠 120万円 40万円
最大非課税投資枠 600万円 800万円

1年間の非課税投資枠は、一般NISAの方が多いです。一方、非課税期間全体を通じた最大の投資枠は、つみたてNISAの方が多くなります。

ポイント3:投資できる金融商品の違いも知っておこう

一般NISAとつみたてNISAでは、投資できる金融商品にも違いがあります。一般NISAでは、株式や投資信託など、幅広い商品が投資対象です。一方、つみたてNISAは金融庁が定めた一定の投資信託が対象です。

一般NISAで投資できる金融商品とは

一般NISAでは、以下の金融商品に投資ができます。

  • 株式投資信託
  • 国内株式
  • 海外株式
  • 国内REIT(リート)
  • 海外REIT
  • 国内ETF(イー・ティー・エフ)
  • 海外ETF
  • ETN(イー・ティー・エヌ:上場投資証券)
  • 新株予約権付社債(ワラント債)

ここでは、それぞれの商品の特徴などについて、詳しくみていきましょう。

個別の企業に投資する「株式」

株式投資とは、企業が事業に必要な資金を調達するために発行する株式に投資する方法です。株式を購入することで、投資家は株主となります。株主は、出資者として株主総会などに出席することで、企業の経営にも携われます。株式投資で期待される利益は、表5のとおりです。

▽表5.株式投資で期待される利益

利益の種類 詳細
売買差益 株式を購入時よりも高い株価で売却した際に得られる差益
配当 企業活動で得た利益を株主に還元するお金。配当の有無や配当金額は、業績により変わる
株主優待 株主に、自社の商品やサービス・優待券を贈るサービス。株主優待の有無や内容は、企業により異なる

・株式投資の魅力

(1)企業のオーナーになれる
株式投資の魅力は、出資者として企業のオーナーになれる点です。成長性がある銘柄に投資することはもちろん、応援したい企業に投資をするといった楽しみ方もあるでしょう。

(2)売買差益や配当などを期待できる
株式は、値動きが大きいとされる金融商品です。そのため、売買のタイミングによっては大きな値上がり益を得られる可能性があります。また、値上がり益だけでなく配当や株主優待が期待できるのも魅力です。株を長期で保有することで、配当や株主優待といった利益の積み上げを狙うこともできます。

なお、NISAによる非課税制度を受けるには、配当の受取方法を「株式数比例配分方式」にする必要があります。その他の受け取り方法を選択していると、配当金の税金が源泉徴収されてしまうので注意が必要です。源泉徴収された税金は、確定申告をしても還付が受けられません。

・株式投資のリスクと注意点

株式投資には、表6のリスクがあります。

▽表6.株式投資のリスク

リスクの種類 詳細
価格変動リスク 売却時の価格が購入時の価格を下回るリスク
信用リスク 投資した企業が倒産するリスク
為替変動リスク(外国株式の場合) 換金時の為替レートにより、為替差損が生じるリスク
カントリーリスク(外国株式の場合) 投資先の国や地域における政治や経済・環境の状況によって、株価が変動するリスク

株価は毎日変動しているため、売却のタイミングによっては購入時よりも価格が下がる可能性があります。また、投資する企業が倒産した場合、投資した資金を回収できない可能性があることは知っておきましょう。

そのほか、外国株式に投資した場合は為替変動リスクが発生します。外国株式は、現地通貨によって売買を行います。そのため、資金を現地通貨と円に換える際の為替によって、資産が変動する可能性があるのです。

専門家が分散投資する「投資信託」

投資信託とは、多くの投資家から資金を集め運用会社が運用し、利益を投資家に還元する金融商品です。どのような資産に投資しているかは、ファンドにより異なります。投資信託で投資する資産の一例を、以下に紹介します。

  • 株式
  • 債券
  • REIT
  • コモディティ(商品先物取引で売買される、原油や貴金属、穀物などの商品)

投資信託では、表7の利益を期待できます。

▽表7.投資信託で期待される利益

利益の種類 詳細
譲渡益 投資信託を購入時よりも高い基準価額(※)で売却した際に得られる差益
分配金 ファンドの運用で得た利益を投資家に還元するお金。分配金の有無や分配金額は、運用成績により変わる
(※基準価額とは、投資信託の値段のことです。基準価額は、1日1回算出されます)

分配金額は、投資する資産やファンドの投資方針・運用成績などにより決定されます。一般的に、安定的に分配金が出るとされるのは、利子や賃料収入がベースとなっている債券やREITを投資対象とするファンドです。

分配金の中身には注意が必要で、運用利益から賄われているもの(普通分配金)と運用利益では賄えず運用元本から払い出すもの(元本払戻金)があるため、後者の場合には元本を受け取っているだけなので注意が必要です。また、分配金を払い出すことで複利の効果が軽減されるため、基準価額の上昇を目指す方針のファンドの場合、分配金額はあまり出さず複利効果による運用成績の向上を目指すケースもあります。

・投資信託の魅力

投資信託の魅力は、以下のとおりです。

(1)少額から始められる
(2)運用を専門家に任せられる
(3)分散投資を狙える

投資信託は多くの投資家から資金を集めるため、1,000円程度の少額から投資をスタートできます。ネット証券などでは、さらに少額の100円から始められる場合もあります。また、ファンドの運用は専門家が行ってくれるなど、投資初心者でも始めやすい金融商品だといえるでしょう。

運用会社は、ファンドの資金を複数の銘柄に投資しています。よって、1つのファンドを購入するだけで分散投資の効果を狙えるのも投資信託の特徴です。

・投資信託のリスクと注意点

投資信託にも株と同様に、価格変動リスクや信用リスク・為替変動リスク・カントリーリスク・流動性リスクなどがありますが、一般的に株に比べてリスクは小さめだといわれます。そのほかの投資信託の注意点は、運用において手数料がかかる点です。投資信託の運用にかかる主な手数料を、表8に紹介します。

▽表8.投資信託の運用で必要な主な手数料

手数料の種類 詳細
購入時手数料 購入時に販売会社(※)に支払う
信託報酬 保有時に販売会社・信託銀行・運用会社に支払う
信託財産留保額 売却時にファンドに支払う手数料
※販売会社とは、投資信託を販売する銀行や証券会社などの金融機関です

表8のように、投資信託は運用を専門家に任せられる一方、専門家に報酬として支払う手数料が発生します。手数料は運用においてコストとなるため、しっかりと管理しましょう。コストを抑えたい場合は、購入時手数料がかからないノーロード投信や、信託報酬が低めのインデックスファンドを選ぶといった方法もあります。(インデックス型は、日経平均など特定の指標に連動した運用成績を目指す投資信託です)

不動産投資信託の「REIT」

REITは、不動産に投資する投資信託です。REITが投資する不動産の一例は、以下のとおりです。

  • 住居
  • オフィスビル
  • 商業施設
  • ホテル
  • 物流施設
  • ヘルスケア施設

投資先が1種類の不動産に限られている投資信託を、単一用途特化型といいます。2つの種類に投資するREITは複数型、複数の種類に投資するREITは総合型と呼ばれます。

・REITの魅力

REITの魅力は、以下のとおりです。

(1)少額から不動産投資ができる
(2)安定した分配金を期待できる

個人で不動産投資をすると、数百万~数億円の資金が必要となるでしょう。一方、REITは数万円から投資できるファンドが多くあり、少額で不動産投資を始められる金融商品だといえます。また、REITは安定した分配金を狙える点も特徴です。REITの分配金が安定しやすい理由には、以下の2つがあります。

  • REITの主な収入源が賃貸料である
  • 税金の優遇がある

REITの主な収入源は、投資する不動産からの賃貸料です。賃貸契約は通常年単位で結ばれるため、市場や経済に動きがあった場合でも、REITは一定の収入を得続けられます。一定の収入を得られることにより、安定的な分配金の支払いが可能になるのです。

また、REITは一定の条件を満たすことで法人税の免除を受けられます。一定の条件とは、「賃貸収入から費用を引いた当期利益の90%超を投資家に分配する」ことです。そのため、REITでは分配金の利回りが高いファンドが多くあります。

・REITのリスクと注意点

REITにも、価格変動リスクがあります。保有する不動産の価値が下がったり、賃貸収入が下がったりした場合には、REITの価格が下がる可能性があるでしょう。そのほか、REIT特有のリスクには、以下があります。

  • 金利変動リスク
  • 火災や自然災害などにより価値が減少するリスク

REITの中には、資金の借り入れをしているファンドも少なくありません。よって、金利が上がる局面では返済額が増え、ファンドの資産状況が悪化する可能性があります。また、火災や自然災害により投資する不動産の価値が下がるリスクもあります。これは、実物資産である土地や建物を投資対象とするREIT特有のリスクだといえるでしょう。

市場に上場する投資信託「ETF」

ETFは、証券取引所に上場された投資信託で、日経平均やTOPIX(トピックス)など特定の指標に連動した運用成績を目指します。ETFと一般的な投資信託の違いを表9にまとめます。

▽表9.ETFと投資信託の違い

  ETF 投資信託
上場の有無 上場 非上場
取引可能時間 証券取引所の取引時間中 申込期間中の9~15時
取得価格 市場価格 基準価額
取引できる場所 証券会社 販売会社

・ETFの魅力

ETFは市場に上場されているため、株と同じように取引できる点が魅力です。それにより、市場が開いている時間であればいつでも、リアルタイムで変動する市場価格により取引ができます。ETFは、より積極的に運用をしたい人でも楽しめる金融商品だといえるでしょう。

また、ETFは投資信託に比べて手数料が低い特徴もあります。ETFの手数料が低い理由は、以下のとおりです。

  • 投資家が直接市場で取引するから
  • 指標に連動した運用を目指すから

ETFは投資家が直接市場で取引をするため、販売会社を通しません。販売会社に支払う報酬がなくなる分、手数料を安く抑えられます。また、市場に連動した運用を目指すETFは、指標と同じ銘柄を組み入れます。そのため、独自の銘柄に組み入れる投資信託に比べ市場や企業を調査する手間が少なく、運用会社に支払う手数料が低くなるのです。

・ETFのリスクと注意点

ETFにも、通常の投資信託と同様に価格変動リスクや為替変動リスク・流動性リスクなどが存在します。そのほかETFの注意点には、分配金の自動再投資が設定できないことがあります。分配金を再投資するには、その都度投資家が手続きをしなければなりません。分配金額が最低購入金額を下回る場合は、資金を追加するもしくは、次回以降の分配金を待って再投資する必要があります。

つみたてNISAで運用できる投資信託は

つみたてNISAで投資できる金融商品は、金融庁が長期投資に適していると定めた投資信託です。つみたてNISAの対象となるファンドの特徴には、以下があります。

  • ノーロード投信
  • 信託報酬が低い
  • 頻繁に分配金の支払いが行われない

つみたてNISAでは、コストを抑えた運用を目指すために、手数料が低いファンドが投資対象として選ばれています。また、運用で得た利益を分配金として出さないファンドを選ぶことで、複利効果による安定的な資産の成長を目指します。

インデックス型の投資信託は156本

2020年4月1日時点における、つみたてNISAの対象となっているインデックスファンドは156本です。詳細を表10にまとめます。

▽表10.つみたてNISA投資対象のインデックスファンド数

  単一指数
(株式型)
複数指数
(バランス型)
国内型 海外型 国内型 海外型


本数
33 47 ・2指数:2
・3指数:2
・2指数:5
・3指数:3
・4指数:17
・5指数:2
・6指数:13
・7指数:2
・8指数:30

つみたてNISA対象商品には、アクティブファンド(※)もあります。アクティブファンドの詳細を、表11にまとめます。

(※アクティブファンドとは、運用会社独自の銘柄選択や資産配分により、特定の指標以上の投資成果を目指す投資信託です)

▽表11.つみたてNISA投資対象のアクティブファンド数

  国内型 海外型
株式 株式および公社債 株式 株式および公社債 株式およびREIT 株式・公社債およびREIT
本数 6 1 4 5 1 1

一般NISAとつみたてNISAは、どのような人に向いているか

一般NISAとつみたてNISAは、それぞれどのような人に向いているのでしょう。

中長期的に色々な投資商品を楽しむなら一般NISA

一般NISAに向いていると考えられる運用スタイルを、以下にまとめます。

  • 運用期間を中長期で設定している
  • いろいろなタイプの金融商品を楽しみたい
  • 配当や分配金・株主優待も受け取りたい

一般NISAは、つみたてNISAよりも自由度が高い口座のため、色々な投資を楽しみたい投資家に向いています。また、一般NISAの非課税期間は最長5年(ロールオーバーで延長は可能)なので、中長期的な資金での運用に適しているといえるでしょう。

安定した長期投資を目指すならつみたてNISA

つみたてNISAに向いている運用スタイルは、以下のとおりです。

  • 長期でじっくり資産運用をしたい
  • 比較的リスクの小さい商品に投資したい
  • 分配金の受け取りは希望しない

つみたてNISAは、非課税期間が20年と長いため長期投資に向いています。リスクや手数料を抑え、安定的な資産の成長を目指したい人は、つみたてNISAがよいでしょう。

NISA口座で運用を始めるには

NISA口座での運用を始めるには、まず金融機関に証券総合取引口座を開設する必要があります。投資信託のみの運用を希望する人は、証券会社や銀行・郵便局などの金融機関で口座開設が可能です。株やREITなどいろいろな商品に投資をしたい場合は、証券会社に開設しましょう。

金融機関に証券総合取引口座を開設する

証券総合取引口座には、3種類あります。NISA口座終了後の資産の管理は証券総合取引口座で行うため、特徴を確認し自分に合った口座を開設しましょう。

・(1)特定口座(源泉徴収あり)

特定口座(源泉徴収あり)は、確定申告の手間が少なく初心者でも使いやすい口座です。特定口座(源泉徴収あり)は、口座内の売買差益や分配金・配当金は源泉徴収されます。また、口座内の損益は自動的に損益通算されます。非課税期間終了後も確定申告の手間をかけたくない場合は、特定口座(源泉徴収あり)を選びましょう。ただし、複数の証券会社で取引する場合で、片方が利益、片方が損失の出る場合などは確定申告が必要となります。

・(2)特定口座(源泉徴収なし)

特定口座(源泉徴収なし)は、売買差益の源泉徴収や損益通算がされないため、投資家が確定申告をしなければなりません。ただし、金融機関から発行される年間取引報告書を利用することで、確定申告の手間を少なく抑えられます。

・(3)一般口座

一般口座も、売買差益の源泉徴収や損益通算が行われないため、確定申告が必要です。また、年間取引報告書が発行されないため、投資家自身が年間の取引を計算し確定申告を行います。一般口座は確定申告の手間が大きいため、新たに一般口座を選ぶ人は多くありません。

NISA口座を開設する

NISA口座は、証券総合取引口座と併せて開設手続きを行いましょう。開設手続きでは、以下の書類を提出します。

  • 非課税適用確認書の交付申請書兼非課税口座開設届出書(NISA申請書)
  • 本人確認書類
  • マイナンバー書類

本人確認書類は、運転免許証や健康保険証などです。マイナンバー書類では、マイナンバーカードや通知カードなどが必要です。なお、証券総合取引口座開設時にマイナンバー書類の提出を終えている場合は、再度提出する必要はありません。

NISA口座開設時の注意点

NISA口座を開設する際には、2つの注意点があります。

・(1).税務署の審査が入るため2~3週間程度の時間が掛かる

NISA口座の開設にあたっては、税務署の審査があります。審査では、非課税制度の公正さを保つために、1人で複数の口座を保有していないかなどをチェックするのです。税務署の審査は、書類を提出した金融機関を通して行われるため、投資家自身が手続きする必要はありません。審査が完了しNISA口座での取引ができるまでには、2~3週間かかります。

・(2)1人1口座しか開設できない

NISA口座は、1人1口座しか開設できません。種類が違う口座の併用も不可です。なお、開設後に一般NISAとつみたてNISAを変更することは可能です。変更を希望する場合には、非課税口座移動届出書を金融機関に提出しましょう。ただし、口座の変更手続きをしている期間は取引ができなくなる点には注意が必要です。また年の途中に一度でもNISA枠を使用すると、翌年まで金融機関の変更をすることができません。

投資方針に合った口座選びが、非課税制度活用のコツ

NISAは、一定期間の運用から得られる利益にかかる税金が非課税になる制度です。NISAには一般NISAおよび、つみたてNISA・ジュニアNISAの3つの口座があることをお伝えしました。口座により、非課税となる期間や投資対象となる商品に違いがあるため、あらかじめ確認することが重要です。投資方針や投資スタイルに合った口座を選び、NISAの非課税枠を十分に活用していきましょう。

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