逆指値注文(ギャクサシネチュウモン)とは何か?

逆指値注文(ギャクサシネチュウモン)
(画像=筆者作成)

逆指値注文とは、「あらかじめ指定した価格(参照価格)以上になったり以下になったりした時に、あらかじめ指定した注文を出す方法」のことだ。

買いの逆指値注文では、「ある価格以上になった時に指値または成行の買い注文」が出され、売りの逆指値注文では、「ある価格以下になった時に指値または成行での売り注文」が出される。指定した価格に到達するまで、取引所への発注は行われないのだ。

「指定した価格以下で買う」または「指定した価格以上で売る」という通常の指値注文とは逆になるため、「逆指値」と呼ばれる。

逆指値注文(ギャクサシネチュウモン)はどんな時に役に立つ?

逆指値注文は、以下のように活用される。

活用例(1)損失限定のための「売り逆指値注文」

買付価格よりも低い価格で売りの逆指値注文を出しておけば、予想に反して価格が下落した場合の損失を限定できる。

この例では1,050円で買い付けた後、損切りラインと考える1,000円で売り逆指値注文を出した。株価はその後少し上昇したものの下落に転じ、1,000円を割り込んだタイミングで売り逆指値注文が執行され、1,000円で約定した。その後株価はさらに下落したが、損失の拡大を回避できた。

活用例(2)利益確保のための「売り逆指値注文」

買付価格よりも高い価格で売りの逆指値注文を出しておけば、さらなる上昇を狙いながら、下落に転じた場合でも一定の利益を確保できる。

この例では、1,000円で買い付けた後、株価が上昇。さらなる上昇を期待しつつも、反落に備えて1,100円で売り逆指値注文を出した。その後少し上昇したものの高値を超えられず反落、1,100円を割り込んだタイミングで売り逆指値注文が執行され、1,100円で約定。高値で発生していた含み益は減ったが、利益を確保できた。

活用例(3)レンジ抜けのタイミングで買い付けるための「買い逆指値注文」

株価が一定の範囲(レンジ)で推移するボックス相場(レンジ相場)において、レンジを抜ければ大きな上昇が期待できる場合、レンジ上限の上に買い逆指値注文を出しておく。これにより、レンジを上抜けた初動のタイミングを逃さず買い付けられる。

この例では株価が急落した後、1,050円を上限とするボックス相場が続いていた。このレンジを抜ければ大きな上昇が期待できるため、1,070円で買い逆指値注文を出した。その後株価はレンジを抜け、1,070円で買い逆指値注文が執行され約定。その後上昇トレンドに乗り、利益を伸ばすことができた。

逆指値の指値注文は必ず約定するとは限らない

逆指値注文は損失限定(損切り)にも有効な方法だ。しかし、注文時に指定した価格に達した時点で執行されるため、指値注文では相場が急落した場合などに約定しないおそれがあり、成行注文では想定よりも安い値段で約定するおそれがある。逆指値注文を利用する際は、このようなリスクも理解しておきたい。

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