夏に上がる株があるのをご存知ですか?そもそも株式は、世界情勢や国内の経済状況などさまざまな出来事が要因となって、毎日そして刻々と株価が変化しています。それなのに、「夏に株が上がるとはどういうこと?」と思った方に向けて、季節で株価が変化する理由や夏までに買っておきたい業種を紹介します。
目次
夏に上がる株はビール?季節で変化する株価とは
株式投資における銘柄選定方法は、投資家によってさまざまです。企業の業績や財務指標に重点を置いている人もいれば、チャート分析によって選ぶ人もいます。その中には、投資アノマリーをチェックする人もいるでしょう。
投資アノマリーとは、投資家の経験則で導き出したことわざや格言のようなものです。代表的なものでいえば、「4月高こいのぼり天井」などのことをいいます。このケースだと、新年度の4月は資金流入によって株高になりやすく、5月5日のこどもの日あたりが株高のピークだろうという意味です。
こういった投資アノマリーと同じような効果で、サマーストックと呼ばれるものがあるのを知っていますか?サマーストックとは、夏に持っておきたい株のことで、猛暑関連銘柄を指します。
どうして季節と株価が関係するのかを考えていきましょう。たとえば、暑くなればなるほど飲みたくなるものは何ですか?「ビール」や「ジュース」を思い浮かべた方も多いはずです。
実際、猛暑になればなるほど、ビールやジュースなどの飲料品が売れやすくなり、商品が売れればそれらに関連する企業の業績がアップするでしょう。株価は実際の景気よりも先行するため、先行指標とも呼ばれています。業績アップが見込めると、その企業の株式を購入する人が増えるため、夏に向けて株価が上がっていくのです。
夏に必要となるものを考えよう!
サマーストックを考えるときに重要なポイントは、猛暑になるとどんなものに注目が集まるのかです。暑くなると欲しくなるものは何ですか?そう考えると思いつきやすいでしょう。先ほど紹介したビールやジュースもそうですが、アイスクリームやエアコンなどの企業もサマーストックとなりますね。
夏は猛暑だけでなく冷夏など雨が続く場合もあります。どちらにも共通していえるのは、外出が減る可能性があることです。外出が減れば、家で過ごす時間が増えるため、ゲームやデリバリー関連に注目が集まるでしょう。
このように、今年の夏はどうなるのかを考えるだけで、さまざまな銘柄を見つけられます。天気の傾向はどうなのか、どんなものに注目が集まっているのか、今後売上が上がりそうな分野は何かなど、さまざまなことにアンテナを張っておくと見つけやすいでしょう。
夏に株が上がると予想される業種はこれ!
先ほど紹介したサマーストック銘柄の探し方を参考に、夏に上がる株について考えてみました。今回紹介するのは8つの業種です。夏に向けて株式を購入しようかと考えている方は、参考にしてみてください。
ビール関連銘柄
「夏といえばビール」と考える人もいるほど、夏が似合う飲料品ですね。夏の暑さを吹き飛ばすために、欠かせないアイテムといえるでしょう。実際に、気温が1℃上がるごとにビールの販売数がアップするというデータもあるほどです。
ビール関連銘柄の主要なものは、「アサヒグループホールディングス」や「キリンホールディングス」、「サントリー食品インターナショナルグループ」、「サッポロホールディングス」です。
ジュースや清涼飲料水関連銘柄
ビールと同じように、夏に飲みたくなるものといえば、炭酸飲料や清涼飲料水でしょう。夏の暑さで汗をかいた身体をうるおすには必要不可欠です。ジュースだけでなく麦茶やお茶などは、赤ちゃんや子どもから年配の方まで、幅広く飲まれるため、売上アップがさらに期待できるでしょう。
たとえば、「伊藤園グループ」や「コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス」、「ダイドーグループホールディングス」、「大塚ホールディングス」などがあります。
エアコンなどの電化製品関連銘柄
猛暑が続く夏では、エアコンなしでは夜寝られない人もいるでしょう。最近の夏の暑さは、これまでの暑さとは違い、酷暑といっても過言ではありません。1日中エアコンをつけたままという家庭もあるはずです。そのため、これまでエアコンを使っていなかった世帯でも、熱中症対策でエアコンや扇風機を購入するケースがあるでしょう。
「ダイキン工業グループ」や「パナソニックグループ」、「シャープグループ」、「エディオングループ」、「ヤマダホールディングス」などです。
アイス関連銘柄
暑いときに食べたくなるものといえば、アイスクリームやかき氷、ゼリーなど冷たいお菓子やスイーツでしょう。コンビニやスーパーでも夏になると、冷たいものの売り場面積を広げたり取扱商品を増やしたりする光景を見かけませんか?つまりそれだけニーズが増えるということです。
「森永製菓グループ」や「明治ホールディングス」、「B-Rサーティワンアイスクリーム」、「江崎グリコグループ」、「森永乳業グループ」などがあります。
キャンプやグランピング関連銘柄
夏のレジャーといえばキャンプが人気です。また最近は、「グラマラス」と「キャンピング」を組み合わせたグランピングも話題となっています。グランピングなら、道具や食事など必要なものを準備してくれている場合も多いので、ゆっくり自然を満喫できます。
キャンプやグランピング関連銘柄といえば、「スノーピークグループ」や「ワークマングループ」、「アルペングループ」、「星野リゾート・リート投資法人」などでしょう。
害虫や虫よけ関連銘柄
害虫や蚊など虫の活動が活発化する夏は、虫刺され対策用品や害虫駆除用品の売り上げもアップすることが想像できます。殺虫剤などを取り扱う企業はもちろん、害虫駆除や家の掃除をしてくれる企業も害虫や虫よけ関連銘柄といえるでしょう。
「フマキラーグループ」や「アース製薬グループ」、「ダスキングループ」、「エステーグループ」などが考えられます。
日焼け止めなど化粧品関連銘柄
夏の日差しによって、日焼けを起こし、肌を傷める可能性があります。そのため、夏は特に日焼け止めが必須になるでしょう。つまり、日焼け止めを販売・製造している企業が注目で、その他には、汗をかいたときに使う制汗スプレーを取り扱う企業も要チェックです。
「ポーラ・オルビスホールディングス」や「資生堂グループ」、「コーセーグループ」、「花王グループ」、「マンダムグループ」などがあります。
インドア需要関連銘柄
猛暑の場合や冷夏で雨が多い場合には、外出を控えて家で過ごす時間が増えるでしょう。おうち時間を楽しむゲームやテレビなどに関連する企業もサマーストック銘柄といえそうです。もっと視野を広げれば、デリバリーやコンビニ需要なども見込めるでしょう。
たとえば、「任天堂グループ」や「ソニーグループ」、「WOWOWグループ」、「出前館グループ」、「STIフードホールディングス」などがあります。
銘柄選定にアノマリーや格言を取り入れるのも面白い
数ある株式の中から銘柄選定する際に、アノマリーや格言を取り入れるのもひとつの方法です。すべてに当てはまるわけではありませんが、何となくアノマリーに左右されることもあります。株式初心者なら手始めに、ボーナスなどの余裕資金で、少額から始めてみるのがおすすめです。ただ、「サマーストック銘柄だから夏に必ず上がる」といった保証はないので、業績など購入する銘柄の最新情報をしっかりチェックしてから決めましょう。
今年の夏は、サマーストック銘柄で仕掛けてみるのも良いかもしれませんね。気になるサマーストック銘柄があれば、ぜひ情報収集してみてください。
執筆者:山村望愛
(提供:JPRIME)
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