広々とした庭のように使えるルーフテラス備えた物件は「入居者の人気がありそうだ」と気になっている人も多いかもしれません。しかし広さゆえのリスクを知らないまま購入すると思わぬ出費やトラブルが発生する可能性があります。そうした事態を避けるためには、ルーフテラスの状態をしっかりと確かめたうえで入居者に使用上の注意を確実に伝えることが重要です。
この記事ではルーフテラスを備える物件に投資すべきか判断する基準と、購入後に注意しておきたいポイントについて詳しく解説します。ルーフテラスのメリットを最大限活かした不動産投資ができるようになりますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
ルーフテラスは下の部屋の上にあるスペース
ルーフテラスとは、下の部屋の上に作られた屋外スペースで自室のリビングなどから直接出られて庭のように使えます。一般的なマンションのバルコニーより広くさまざまな目的に使えるため、ルーフテラスを備える物件は人気が高い傾向です。近年は、コロナウイルスの影響から自宅で過ごす時間が増え以前より気分転換や娯楽を楽しむ役割が自宅に求められています。
ルーフテラスは、開放的で自然の光や風を感じられるなどさまざまな楽しみ方ができるため、気分転換にも最適です。
自室上のルーフテラスもあり
ルーフテラスは、基本的にリビングから直接出られるスペースを指しますが他に自室の上にあるスペースで階段を上って出るタイプを意味することもあります。いずれも同じような使い方ができますがやはりリビングからそのまま出るのと階段を上がるのとでは使いやすさに違いがあるでしょう。リビングから直接出られたほうが入居者にアピールできるメリットが多くなります。
ルーフテラス物件を検討するときは、この違いをしっかりと確かめるようにしましょう。
ルーフテラスの3つの魅力
ルーフテラスの魅力は、主に以下の3つがあげられます。
庭代わりとして多目的に使える
ルーフテラスは、一般的なバルコニーより広いため、一戸建ての庭のように多目的に使用することが可能です。「洗濯物をたくさん干せる」「外の景色を眺める」「日光浴をする」など屋外の気持ち良さを存分に味わえます。またテーブルと椅子を出してランチを取ればちょっとしたレジャー気分も楽しめるでしょう。
他にも子どもがビニールプールで遊んだり花火をしたりと家族全員がそのメリットを満喫できます。都心でも庭付き一戸建てのような生活を可能にするのがルーフバルコニーの一番の魅力です。
リビングが広く感じられる
一般的な奥行きの小さいバルコニーは、まわりを囲む立ち上がり壁がリビングに近い位置になります。そのためソファーに座ったとき外の視界が遮られリビングを狭く感じてしまうことも。しかしルーフテラスは広さがあるため、まわりの立ち上がり壁はリビングから遠くなります。そのためソファーに座ると窓の外はほとんど空という素晴らしい景色を堪能できるでしょう。
ルーフテラスは、それ自体が快適なだけでなくリビングさえも心地よい空間に変えてくれるのです。
部屋が外から見えにくくなる
ルーフテラスは、一戸建ての庭のようだと述べましたが実は庭よりも優れている点があります。ルーフテラスは、広く外へ張り出しているため、道路などからリビングの中が見えにくくなるのです。一戸建てでリビングから見える景色を開放的にしようとすると道を歩く人たちからリビングの中が見えやすくなってしまいます。
一方ルーフテラスのあるリビングは、高い位置にありルーフテラス越しになるため、道路から中が見えてしまう心配はありません。人目を気にしてしまうタイプの人にとってルーフテラス物件は、庭付き一戸建てより魅力的な一面があるのです。
注意点は雨漏り対策
メリットの多いルーフテラスですが投資物件として選ぶときは、床防水の状態をしっかりと確かめるようにしましょう。なぜならもしルーフテラスから雨漏りして下の部屋に被害を与えると所有者が責任を問われる可能性があるからです。一般的にルーフテラスの床は、塗装や専用のシートなどで防水対策が取られています。材料によって異なりますがその耐久性は15~20年程度です。
劣化してきたら再塗装やシートの張り替えで防水機能を復活させます。しかしそうした修繕を怠っているとひび割れなどから雨漏りが起きる危険性があるのです。そのため中古のルーフテラス物件を購入するときは、必ず「床のひび割れ」「シートの浮き」「継ぎ目の開き」などがないか確かめるようにしましょう。
防水のメンテナンスは必須
ルーフテラス物件を1棟全体で購入すると防水を含めたメンテナンスは、所有者の判断で行います。そのため購入前に前回の防水の修繕日を調査し年数が経過している場合は、早めに修繕をすべきです。もちろん購入後も定期的に床の状態を確認し細かいひび割れなどが出てきたら防水塗装の専門業者に点検や修繕を依頼しましょう。
メンテナンスを怠ると火災保険の補償外に
火災保険の特約の中には、台風や豪雨による雨漏り被害を補償するものがあります。しかしメンテナンスを怠っていたり劣化を放置していたりすると補償されない可能性もあるため、注意が必要です。万が一火災保険が使えない場合は、ルーフテラスから起きた雨漏り被害を自己負担で補償しなければなりません。
一般的なバルコニーに比べ床の面積が大きいルーフテラスは、それだけ雨漏りのリスクが高いといえます。定期的な修繕は、大きな損失を防ぐ必要経費と考えしっかりとメンテナンスするようにしましょう。
区分所有では修繕計画を確認
部屋ごとに所有者のいる分譲マンションは、建物全体で長期的な修繕計画を立てています。そのため1部屋を購入する区分所有では、全体の共有部分となるルーフテラスを所有者の判断だけで修繕できないのが一般的です。しかし分譲マンションの中には、計画通りに修繕が行われていない物件もありルーフテラスの床の状態が良くないことがあります。
区分所有でルーフテラス物件の購入を考えているならこれまでの修繕履歴や今後の計画を必ず確認しきちんとメンテナンスされている物件を選ぶようにしましょう。
入居者トラブルを未然に防ぐ
ルーフテラスは広さがあるため、入居者がさまざまな使い方をしてしまいトラブルになることも少なくありません。例えば以下のようなトラブルがあります。
- プランターや植木鉢をたくさん置いて床に落ちた葉や土が排水口に流れ込んで詰まらせた
- ルーフテラスに物置を置いたり床にタイルを敷いたりして防水塗装を傷つけた
- 開放的なため、入居者が大声を出して他の住人から苦情を受ける
- バーベキューをして匂いで迷惑をかける
ルーフテラスは、快適な屋外だからこそのトラブルもあります。あまりトラブルが多いと入居者自身も不満を感じ転居してしまうかもしれません。ルーフテラスは、事前に使用上のルールを決めたうえで入居者にしっかりと伝えることが大切です。トラブルを未然に防ぎできるだけ長く住んでもらうように心がけましょう。
メンテナンス次第で大きな収益を生む
ルーフテラスは、一戸建ての庭のような使い方ができる屋外スペースです。洗濯を干すだけでなくお茶を飲んだり子どもと遊んだりするなどコロナの影響でおうち時間が増えた現在の生活スタイルに大きな楽しみを与えてくれます。しかしルーフテラスは、面積が広いため、床防水の劣化による下の部屋への雨漏りリスクが一般的なバルコニーに比べ高い傾向です。
そのため購入するときは、必ず床防水の劣化状態や修繕の履歴を確かめることが重要です。さらに区分所有では、建物全体の修繕計画も確認しておくと安心でしょう。ルーフテラスは、その魅力から高めの家賃設定でも人気ある物件になる可能性を秘めています。できるだけ床防水の状態が良い物件を選び購入後もしっかりとメンテナンスを行えばきっと安定した大きな収益を生んでくれるでしょう。
(提供:YANUSY)
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