暗号資産(仮想通貨)ビットコインのハッシュレートが順調に回復している。

今年4月中旬に過去最高となる198.51EH/sを記録して以降、中国における大規模停電、そしてマイニングを含む暗号資産規制の強化に伴い、ビットコインのハッシュレートは一時急激に落ち込んでいた。

BTC.comのデータでは、6月27日に57.47EH/sまで落ち込んでいる。これは2019年7月の水準となる。

ビットコイン、ハッシュレートが過去最高水準まで回復
(画像=月刊暗号資産)

しかしマイナーの海外移転が進んでいる点や、中国以外の国において新規マイナーが参入した影響などで状況は改善されつつあったこともあり、7月からは右肩上がりに上昇。そして今月2日、177.54EH/sまで上昇し、過去最高まであと約22EH/sという水準まで回復した。

記事執筆時点では146.61EH/sと少々落としているが、約3ヶ月で3倍ほどハッシュレートが上昇した点は、ポジティブに捉えていいだろう。

現在、米国を中心にマイナー招致を図る動きが加速しており、中国一強であったマイナーの勢力図に大きな変化が起きている。またエルサルバドルやイランにおいては国が事業を推し進めている点も留意すべき点だ。

今後よりマイナーの分散化が進み、今回のように一国の動向によってハッシュレートが左右されるといったリスクが軽減していけば、ビットコインのネットワークはさらに安定に近づくだろう。

一方、ビットコイン価格も徐々に上値をうかがう展開が続いている。

9月は中国の不動産大手・中国恒大集団によるデフォルト(債務不履行問題)懸念や中国人民銀行が発表した暗号資産の取り締り強化の影響で急落する場面も見受けられた。それでも4万ドル(約444万円)近辺で底堅く推移すると、市場も徐々に中国リスクを織り込むようになった形だ。記事執筆時点でビットコインは4万8000ドル(約534万円)付近を推移している。

暗号資産市場にとって弱気と称される9月が終わり、好調なパフォーマンスを見せる傾向にある10月に突入した。早速10月1日には大きく価格を上げる場面も見受けられており、年内の暗号資産市場の行末を占う上で良いスタートを切ったことから、今後の価格推移にも期待がかかるだろう。(提供:月刊暗号資産