エルサルバドルの大統領であるBukele(ブケレ)大統領は9日、同国が保有するビットコインの利益を使い動物病院を建設する方針を明らかにした。

エルサルバドル大統領、ビットコインで得た収益で動物病院を設立

エルサルバドルは、ビットコインを法定通貨として認めた世界で最初の国だ。同国は米ドルを法定通貨として使用しているが、ビットコイン法の施行により、ビットコインを法定通貨に加えた。

ビットコイン価格は、同法の施行まで上昇し続け570万円付近で取引されていたが、施行と同日に材料出尽くし感もあり下落し始めた。ビットコイン価格の下落を受けて、Bukele大統領は、押し目買いを繰り返した。その後ビットコイン価格は持ち直し、記事執筆時では635万円を超えている。

Bukele大統領はTwitterで、ビットコインの価格が急騰したことで含み益が400万ドル(約4億5,000万円)相当になると報告。ビットコインを売却することなく、この含み益を信託として利用し、動物病院を建設するプロジェクトを立ち上げると述べた。

Bukele大統領はエルサルバドルで高い支持を誇っていた。同氏が政権を握って以来、同国での犯罪が減少したからだ。

今回のビットコインを法定通貨化した理由にも、銀行口座を持てない国民を強盗などの犯罪から守るという目的があると言われている。

しかし、今回のビットコイン法に関しては賛否両論があることも確かだ。実際、エルサルバドル国民がビットコイン法に抗議する抗議活動を行っていることが報道されている。ビットコインのボラティリティの高さと、ビットコインなどの暗号資産に対する理解度が高まっていないためと言われている。

Bukele大統領はビットコインのボラティリティの高さを逆手に取り、含み益を利用して社会インフラの充実を試みることで、この不満を払拭したい狙いもあるだろう。これは、世界で初めての社会的実験としても注視するべきだ。

世界銀行など各国の金融機関は否定的な見方をしているが、エルサルバドルと同様にインフレに苦しむ国家は追随する姿勢を見せている。特に南米諸国の国々は暗号資産に法的根拠を持たせる取り組みを行なっているほか、決済手段として用いることを踏まえた環境整備も取り組んでいる。(提供:月刊暗号資産