3人家族の注文住宅で考慮するべき広さと間取り、部屋数まとめ
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3人家族で生活する予定の注文住宅を計画している方にとって、どんな間取りにするかは考えどころです。もちろん家は広いことに越したことはありませんが、予算や土地の広さとの関係を考えると、何でも思い通りというわけにもいきません。そこで標準的な注文住宅を建てる場合、3人家族だとどんな間取りが理想的かつ現実的なのかについて解説したいと思います。これまでのセオリーだけでなく、これからの注文住宅であるとよい部屋や設備についても補足していきますので、注文住宅のプラン作成時にヒントにしてみてください。

目次

  1. 3人家族の家に必要な広さは?
    1. 3人家族の場合、75〜100平方メートルの広さが快適
  2. 3人家族に必要な間取り
  3. 趣味やリモートワークの空間を持ちたいなら4LDKが基本
  4. 個々の部屋の広さ
    1. 収納は大きすぎないことが快適な生活を送るコツ
  5. 注文住宅でキーマンになるのは子ども
    1. 子どもの成長を見守る家には多目的スペースを
    2. 個室を与えるのは小学校の高学年か中学生になったとき
  6. 子どもの成長に合わせて家の仕様を変えていく

3人家族の家に必要な広さは?

3人家族の注文住宅で考慮するべき広さと間取り、部屋数まとめ
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そもそも3人家族が住む家には、どれくらいの広さが必要なのでしょうか。その基準になり得るデータが、厚生労働省が発表している「住生活基本計画における居住面積水準」にあります。これによると、3人家族が生活をするのに最低限必要なのは40平方メートルとあります。下図の赤い囲みを入れた部分をご確認ください。

この資料では最低限必要な広さを「健康で文化的な住生活の基本として必要不可欠な住宅の面積」と定義していますが、あくまでも必要最低限の基準なので、快適な生活をしようと思うとこれでは狭いでしょう。

3人家族の場合、75〜100平方メートルの広さが快適

そこで現実味のある快適な生活を送るための広さも見てみましょう。同資料には、誘導居住面積水準として都市居住型と一般型のそれぞれについて望ましい広さが示されています。

3人家族の場合、都市部では75平方メートル(共同住宅を想定)、郊外や都市部以外(戸建て住宅を想定)では100平方メートルとなっています。このデータから注文住宅を考えた場合、100平方メートルが一つの目安となるといえます。

3人家族に必要な間取り

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次に、間取りについてはどうでしょうか。結論から先に述べると、3LDKもしくは4LDKが基本線になります。

親夫婦の寝室と子ども部屋が1つという最小構成だと2LDKでも十分だともいえますが、これだと余裕がなくて手狭感があるでしょう。そこで収納や来客などを想定して余裕を持たせるために1部屋追加すると、3LDKが最低限の間取りとなります。

追加の1部屋は和室にしたり、収納メインの部屋にしたり、来客が多い場合は客室にしたりと、想定される生活に合わせて選ぶのがよいでしょう。

趣味やリモートワークの空間を持ちたいなら4LDKが基本

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3人家族の注文住宅では3LDKを基本線として間取りを考えるのがよいと述べました。しかし、これだけだと近年の家づくりではスペースが足りなくなる可能性があります。なぜなら、これからの家づくりではリモートワークなど自宅で仕事をする可能性を考慮する必要があるからです。

職種にもよりますが、コロナ禍の影響もあってリモートワークを導入する企業が増えています。かねてより働き方改革の一環でリモートワークが推奨されてきていましたが、そこにコロナ禍の影響が加わることによってリモートワークが一気に普及しました。

完全リモートワークとはならなくても、週に2,3日程度はリモートワークにする企業が多くなるなか、自宅で仕事をすることが日常的になりつつあります。

これまでの家づくりではあまり考慮されてこなかったことなので、既存の住宅でリモートワークをためにリビングの一角を使ったり、寝室を使うなど応急的にスペースを確保している人は多いと思います。

しかし、実際にリモートワークを導入した企業への調査では、課題として「物理的環境の整備」がトップにあげられています。この結果を踏まえると、リモートワーク専用の環境があるとこれらの問題を解決しやすいことは明白です。

注文住宅であれば最初からリモートワークを考慮した家づくりができるので、3LDKに加えてリモートワーク専用の部屋が1つあれば理想的です。

その他にも趣味の部屋や夫婦が寝室を分ける場合などにも追加の1部屋が必要になるので、4LDKの間取りがあるとかなり快適な生活が手に入ると考えてよいでしょう。

個々の部屋の広さ

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間取りの次に考えるべきなのは、個々の部屋の広さです。3人家族の場合は「夫婦の寝室+子ども部屋1つ」というのが基本的な構成になるので、それぞれの広さを考えてみましょう。

夫婦の寝室は、少なくとも8畳の広さがほしいところです。大人用サイズのベッドを2台置いても狭く感じず、鏡台を置いても十分なスペースを確保できます。

子ども部屋は、子どもが大人になるまで生活をすることを考慮しても6畳あれば十分なので、これが基本線になります。

収納は大きすぎないことが快適な生活を送るコツ

先ほどあげたそれぞれの部屋の広さについて、収納は考慮していません。それぞれの部屋に収納の機能を持たせるのであれば、その収納分の広さを追加したいところです。

家のなかにあるモノは知らないうちにどんどん増えてしまうので、それを見越して収納を大きくしたくなりますが、収納スペースが広いとその分モノを増やしてしまうだけなので、ある程度のところで手を打ち、その収納スペースに収まらないものは処分していくようにするのが快適な生活を送るコツです。

注文住宅でキーマンになるのは子ども

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注文住宅を建てる「タイミング」によって、最適な間取りを検討するのも重要です。というのも、3人家族の注文住宅でキーマンになるのは子どもです。

子どもが生まれる前に注文住宅を建てる、もしくは子どもが生まれたことを契機に注文住宅を建てる家庭の場合、その家で子どもの成長を見守っていくことになります。

子どもの成長を見守る家には多目的スペースを

子どもが小さいうちから生活をしていく家では、多目的スペースがあると理想的です。まだまだ目が離せないほど子どもが小さいときはリビングがおもな生活空間になります。キッチンからも目が届くので安心ですし、小さい子どもはそれほど多くのスペースを必要としないので、リビングだけで生活することも可能です。

個室を与えるのは小学校の高学年か中学生になったとき

子どもが大きくなるにつれて、あらかじめ用意しておいた子ども部屋で過ごすことが多くなります。先ほど紹介した厚生労働省の基準でも子どもが小さいうちは0.25人分、やがて大きくなるにつれて0.5人分、0.75人分といったように計算しています。

1人で眠れるようになれば子ども部屋で寝かせるのが基本ではありますが、早いうちから個室の子ども部屋をあてがうことに抵抗を感じる方もいることでしょう。その場合は子どもが小学校の高学年、もしくは中学生になったタイミングで個室を使うようにしてもよいと思います。

子どもの成長に合わせて家の仕様を変えていく

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とかく子どもが小さいうちは、子育てのためのモノが家のなかにあふれがちです。子どもが幼児期のうちは将来子ども部屋にしようとしている部屋を収納スペースにして、子どもの成長に合わせてモノが減ってきたら子ども部屋として使うという考え方も有効です。

特に3人家族で「夫婦2人+子ども1人」の場合は一人っ子であることが前提になるので、2人目の子どものためにモノを残しておく必要がなく、子ども部屋も1つで十分です。その1人の子どもが成長するのに合わせて家のなかを「大人仕様」にしていくことができます。

注文住宅のプラン作成段階でこのような未来を想定しておけば、失敗のない3人家族用の注文住宅を建てることができることでしょう。

(提供:タツマガ

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