医師とマンション経営の相性がいいというのは、おそらく当の医師の方々だけでなく、それ以外の方々にとっても普遍的なイメージではないでしょうか。その理由はいうまでもなく、収入が高く安定している人が多く、属性が高いと見なされるため融資の審査において有利だからです。
この属性や融資に有利な立場といった要素は見えない財産ですが、マンション経営をすることによって見える財産となります。つまり、医師は見えない財産を見える財産にすることができる数少ない職業のひとつということです。
それでは、医師の皆さんがマンション経営を始めることのメリット、そして成功に向けてのロードマップはどのようなものなのか解説していきたいと思います。
目次
1.医師がマンション経営に適している理由
「医師はマンション経営に適している」とよくいわれていることには、もちろん理由があります。冒頭で述べた理由に加えて、他にも多くの理由があるので、最初に医師がなぜマンション経営に適しているのかを知っていただきたいと思います。
1-1.属性が高く融資において有利
銀行など金融機関の融資を利用できることはマンション経営の大きなメリットです。融資という他人資本を活用して家賃収入を得ながら資産形成ができることは、株やFXなどの投資にはないマンション経営の大きなメリットだといえます。
しかし、このメリットを現実のものにするには、金融機関の融資の審査に通り、さらに有利な条件を引き出すことができる属性の高さが必要になってきます。
収入が高く、雇用が安定している人は属性が高いと見なされます。平均年収が男女ともに1,000万円を超えてくる医師は、その筆頭格にある職業といってよいでしょう。見えない財産を見える財産にできることは、医師という職業が持つ大きなアドバンテージなのです。
1-2.ずばり「儲け」を出しやすい
マンション経営は、家賃収入から毎月のローン返済や税金、諸経費などを差し引いた金額がオーナーにとっての手残り(収入)となります。このうちローン返済が大部分を占めているので、この返済分を減らすことで収益性を高めることができます。
毎月の返済金額を減らすには、金利を低くすることと返済期間を長くすることが有効です。属性が高い人ほど有利な融資を受けることができ、この両方が実現可能となるので、その意味でも医師は最適な立場にいるといえます。
さらに、属性が高い医師は自己資金が少なくてもローンに通りやすくなります。フルローンといって全額をローンで調達することができれば、手持ちの資金にも余裕ができるため、2件目、3件目を購入していくスピードも速くなります。
1-3.激務の医師にも可能な副業
本質的に医師は激務です。その激務の生活から新たに副業を始めるほどの時間的、体力的な余裕はあまりありません。その点、マンション経営はほとんどの業務をアウトソーシング(外注化)できるので、奪われる時間は少なく、精神的・肉体的な負担が少ないというメリットがあります。
副業が忙しすぎて本業に影響を及ぼすのは本末転倒ですが、マンション経営であればその影響を最小限に抑えながら新たな収入源を作ることができます。
1-4.節税効果が大きくなる
医師に限らず、収入が高い人は税金も高くなります。所得税には累進性があるため、所得が高い人ほど税率が高くなります。以下は、国税庁のサイトに掲載されている所得税の税率一覧です。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 〜 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 〜 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 〜 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 〜 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 〜 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 〜 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
(引用:国税庁 所得税の税率)
このように所得が高いほど税率が高くなるため、いかにこの所得を低くするかが節税の基本です。マンション経営で収支が赤字になっている場合はその分を本業の所得から差し引くことができます。
また、不動産を所有していることで価値が目減りしていくことに対する会計上の経費である減価償却費も経費として所得から差し引くことができるため、高収入の人ほど節税効果が大きくなります。
医師の平均年収を考えると「9,000,000円 〜 17,999,000円まで」に含まれる人が多いと思われますが、ここに含まれる人がマンション経営によって1つ下の「6,950,000円 から 8,999,000円まで」にまで所得額を圧縮することができれば、税率が10%も低くなることがわかります。
1-5.失敗しにくい
リスクが低く安定収入や節税効果が期待できるマンション経営ですが、もちろん100%成功が約束されているわけではありません。どんな物件を購入するかが成否を大きく分けることを考えると、属性や予算の都合で新築物件に手が届かない人は不利といえます。
その点、医師は収入や属性の面で有利な立場にあるため新築物件にも手が届きやすく、その分失敗するリスクは低くなるといえるでしょう。これも医師ならではの優位性なので、大いにいかすべきです。
2.医師だからといって資産形成の重要性は変わらない
ここでは、医師とマンション経営の関係を人生設計の観点から考えてみたいと思います。重要なポイントは、医師だからといってスーパーマンではなく生身の人間であるということです。
2-1.医師も生身の人間
高収入で高属性であることが強みの医師ですが、万が一何らかの事情で医師として働けなくなってしまったら生活に困ることに何も変わりはありません。いかにリスクを管理するかは人生設計にとって必要です。
今は元気に仕事ができている医師の方々であっても、それが突然できなくなってしまうことに備えておくことは極めて重要です。
もちろんマンション経営以外にもその方法はありますが、資産形成効果や節税効果など複合的な効果を考えると、医師にとってのマンション経営はとても合理的なリスクヘッジになると考えられます。
2-2.医師にも老後はやってくる
前項では突然働けなくなってしまう事態など、想定外のリスクについて述べました。これ以外に、想定できるリスクもあります。それはいうまでもなく、年齢を重ねることによるリタイアです。
勤務医として働いている方には定年退職がありますし、そうではなく開業医として働いている方であっても診察ができなくなる実質的なリタイア時期は必ずやってきます。
医師は総じて高収入ですが、それは自ら診察や治療行為ができてこそ得られるものです。自由に動けなくなってしまうと医師特有の魅力である高収入とも無縁になってしまうため、現役世代のうちに備えておく必要性は他の職業と同じです。
2-3.社会の変化に備える
「医師は高収入」というのは、当の本人である医師だけでなく社会全体の一般的な認識でしょう。しかし、それが永遠に続く保証はどこにもありません。日本はすでに人口が減少し始めており、医師にとっての「マーケット」である患者数が減っていくことは必至です。
しかも2020年に端を発した新型コロナウイルスの感染拡大では医療機関に行くことをためらう人が多くなり、個人経営のクリニックが廃業を余儀なくされるケースが急増しました。
帝国データバンクが2021年1月〜6月に行った調査によると、全国のクリニックの休廃業・解散が258件、倒産が9件、累計267件と過去最多のペースとなっています。このペースが続くと、過去最多となった2019年の406件を大きく上回ることが予想されています。
医療リソースの逼迫が叫ばれる一方で、コロナ治療と別の分野での医療を担っている地域のクリニックが廃業している構図は皮肉としかいいようがありません。今後こうした医師の仕事や収入に関わるリスクが顕在化することは否定できないでしょう。
3.医師のマンション経営を成功に導く5つのポイント
収入や属性の面で有利な立場になることから、医師によるマンション経営は成功する可能性がとても高いといえます。しかし、だからといって必ず成功するとは限りません。そこで、これから医師のマンション経営を成功に導くためのポイントを解説いたします。
3-1.専門外だからといって勉強をおろそかにしない
医師は医療のプロですが、マンション経営や不動産については専門外という方がほとんどでしょう。そのこと自体は問題ではなく、大切なのは自分自身がマンション経営については専門家ではないことをしっかり認識することです。
医師といえば高学歴職業の代表格です。それゆえ勉強することに抵抗がない方は多いと思いますが、本業が激務であることからどうしてもマンション経営や不動産に関する知識の吸収が後回しになってしまうことが考えられます。
熾烈な受験戦争を勝ち抜いてきた医師の方々の中には、効率よく勉強をすることに長けている方も多いことでしょう。その強みを、ぜひマンション経営の勉強にもいかしてください。
実際にマンション経営を始めてみるとわかりますが、身につけた知識や経験が多ければ多いほど成功しやすくなる世界です。本業である医業のための勉強がそうであるように、マンション経営のために身につけた知識と経験は無駄にはなりません。
3-2.信頼できるパートナーが何よりも重要
努力して知識や経験を身につけるといっても、そこはやはり兼業オーナーなので、専業にしている人たちにはかないません。そのことは、素人がどれだけ頑張っても専門家である医師の方々を上回ることはできないのと同じです。そこで重要になるのが、マンション経営の全般において信頼できるパートナーを見つけ、関係を築くことです。
では、そのパートナーとなり得るのはどんな人や会社なのかといいますと、不動産会社のなかでも収益物件の選定や開発、提案などに特化している不動産投資会社です。顧客自身が住むための不動産を販売している不動産会社とは違い、不動産を所有して利益を上げることを目的としている人たちを顧客としているため、根本的にターゲット層が異なります。
さまざまな分野の医師がいるように、不動産会社にも分野があり、マンション経営の専門家としての不動産投資会社があるというわけです。長く付き合っていけるパートナーがいれば、マンション経営が成功する確率はとても高くなります。
長期的な目線で資産形成をしていくうえでも結果が大きく変わるので、マンション経営を自力ですべて行うのではなく、いかにして信頼できるパートナーを見つけ、関係を構築していくかを重視することを強くおすすめします。
3-3.無理のない資金計画
マンション経営を成功させるには、適切な資金計画が重要なポイントになります。というのも、マンション経営は融資を利用することで投資効率を高めるメリットがあるため、資金調達をいかに適切に行うかが成否の鍵を握ります。
自己資金ゼロのフルローンで物件を購入すれば、投資効率は最大になります。属性の高い人が多い医師であれば、フルローンの条件で融資を利用することも十分可能でしょう。
しかし、いくら属性が高いからといってローンを乱発して投資規模を拡大していくと、不測の事態が起こったときのリスクが高くなってしまいます。
少ない自己資金もしくは自己資金ゼロでマンションを購入して家賃収入を得ることができるのはレバレッジ効果と呼ばれるメリットですが、このレバレッジを高くしすぎるとマンション経営そのものが脆弱になってしまいます。
逆に自己資金だけで借金をすることなくマンションを購入すれば、ローンの返済がないためリスクは最小になります。しかし、それだと投資効率を高められるメリットを活かせないので、このバランスを適切に保つことが重要になるわけです。
属性が高くない人は融資を受けられる金額にも制約があるので、自分でレバレッジを調節する余地があまりありません。しかし医師は属性の高さが強みなので、資金計画に応じてレバレッジを調節することができます。
不測の事態を想定して、何が起きてもマンション経営の健全性が損なわれないよう、無理のない資金計画で臨みましょう。
3-4.「節税メイン」の経営計画に注意
医師のマンション経営における節税メリットについてはすでに解説しましたが、あくまでもこれは「オマケ」のようなもので、節税を目的にすることはおすすめできません。なぜなら、節税効果の大きなポイントとなる減価償却費については、年に2%程度なので、それほど大きな効果があるわけではないからです。
また、マンション経営の収支が赤字になることで損益通算による所得額の圧縮が可能ですが、これも節税を重視するあまりに赤字が大きくなりすぎると、事業全体の収益性を圧迫するため節税に偏りすぎることにはリスクがあります。
3-5.入居者あってのマンション経営
マンション経営には必ず入居者という顧客が存在します。入居者がいなければ物件は空室のままで、家賃収入も発生しません。入居者あってのマンション経営であると強く認識することが重要です。
多くの場合、入居者と直接向き合うのは管理会社ですが、それでもオーナーとして集客や入居者が快適に物件を利用してくれるような努力や工夫をする必要はあります。ただ物件を所有していれば自然に収入が発生するものではないことを、常に意識するようにしてください。
4.まとめ
「医師はマンション経営に適している」というのは事実なのか否か?をテーマにその真実や理由、さらには医師がマンション経営で成功するためのノウハウを解説してきました。医師の方々が成功と近い位置にあることを理解していただき、具体的な成功のイメージを描いていただけたのではないでしょうか。
本文中でも述べているように、それには信頼できるパートナーの存在が欠かせません。まずはそんなパートナー探しから始めてみてはいかがでしょうか。
(提供:Dear Reicious Online)
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