ビットコインは日本時間14日14時頃、ブロック数709,632で大型アップデート「Taproot」が実装された。

Taprootはビットコインのプライバシー性能やスマートコントラクト性能などの向上を目的として行われた。

ビットコイン約4年ぶりの大型アップデート「Taproot」が無事実装
(画像=月刊暗号資産)

今回注目されたのは、従来のビットコインの署名プロトコルである「楕円曲線DSA(ECDSA)」を、「シュノア署名」に置き換えることだ。この署名方法の導入により、ビットコインの取引におけるプライバシーを高め、スマートコントラクトの実装を容易にする。

従来であれば送金者と受信者の取引を1つのトランザクションごとに署名していたが、シュノア署名ではトランザクションごとではなく、複数の取引をまとめて署名する。そのため、ブロックのデータ容量の削減や、スケーラビリティの向上、取引の匿名性を高めることが可能となる。

Taprootは2017年8月に行われた「SegWit」以来、約4年ぶりとなるビットコインのソフトフォークになった。SegWitでは多くのバグを修正し、1ブロックにより多くのトランザクションを含めることを可能とした。

今回のアップデートは、6月に90%以上のマイナーが支持を表明したことで、実施が確定した。その後、ネットワークは全てのノードが最新バージョンにアップグレードする期間を設けられた。アップデートが完了すると、新しいルールに基づいた、新しい取引が実行できるようになる。

一方で、Taprootが起動しても全てのプロセスが完了した訳ではなく、ユーザーはウォレットがTaprootに対応するまでは送受金を行うことができない。ウォレットの対応には数ヶ月以上を要する可能性もある。

今回のアップデートで重要なのは、Taprootによって新しい開発や複雑なユースケースを実現することが可能になることだ。Taprootをきっかけに、決済面や新たなプロジェクトの誕生に期待が集まると言える。(提供:月刊暗号資産