これから家を買おうととお考えの方々にとって、戸建ての注文住宅にするか、マンションにするかは大きく判断が分かれるところではないでしょうか。そこで本稿では注文住宅とマンションのメリットとデメリットを網羅したうえで、それぞれに適しているのはどのような人なのかを解説します。マイホームを検討されている方にとって、判断材料になれば幸いです。
目次
注文住宅とマンション、どっちを選ぶか?
注文住宅とマンションのどちらを選ぶか迷っている方は、あなた以外にもたくさんいます。
どちらを選ぶかの選択がすでに固まっている人のほうが少なく、ほとんどの方にとってのマイホームは人生最大の買い物であり、自分たちの力によってゼロベースで購入することになるからです。
高い買い物だからこそ失敗したくないと思うのは当然のことで、そうならないために情報収集をしていることと思います。
それでは次章からは、注文住宅とマンション、それぞれのメリットとデメリットを解説していきます。
注文住宅のメリットとデメリット
注文住宅で考えられるメリットをまとめると、以下のようになります。
注文住宅のメリット |
・自分の好みにあわせ自由に家を建てられる ・階下への騒音などを気にする必要がない ・家によっては庭がある ・土地込で所有するので資産価値が維持されやすい ・駐車場や駐輪場を設ける場合の駐車料金が不要 |
これらのメリットはいずれも、意外なものではないでしょう。多くの人が戸建て住宅、とりわけ注文住宅に抱いているイメージだと思います。
特に注文住宅の場合は家づくりの自由度が高いので、高いレベルで要望を形にすることができます。
それでは続いて、注文住宅のデメリットも見てみましょう。
注文住宅のデメリット |
・建物の維持管理はすべて自分でやる必要がある ・防犯上の不安がある ・共用施設がない ・気密性や断熱性など機能面で劣ることも |
マンションであれば解決できる問題であっても、注文住宅(戸建て住宅)の場合は自分たちで対策しなければならないことがあります。
特に防犯上の問題は都市部に住む予定の方だと気になる方が多いかもしれません。
マンションのメリットとデメリット
次に、マンションを選択した場合のメリットとデメリットについても見てみましょう。まずは、メリットからです。
マンションのメリット |
・管理が委託されているのでとても楽 ・エントランスがあり、さらにオートロックが主流なので防犯性が高い ・バリアフリーであることがほとんど ・設備が充実していて利便性が高い |
4つめの「設備が充実していて利便性が高い」は、マンションを好む人たちにとって大きなポイントでもあります。では戸建て住宅はこれに劣るのかというと、そんなことはありません。
特に注文住宅であれば設備面にも自分たちの意向を反映することができるので、これはマンションだけのメリットではないといえます。
それでは次に、マンションのデメリットも見てみましょう。
マンションのデメリット |
・階下や隣の部屋への騒音が気になる、トラブルの原因になる ・管理費、修繕積立金の支払いが発生する(ただし注文住宅でも必要) ・駐車場を借りると別途料金が発生す |
マンションをはじめとする集合住宅では、他人同士が上下左右に住んでいます。小さな子どもがいる家庭では、子どもによる生活音が階下や隣の部屋の住人とトラブルになることも少なくありません。また、生活習慣や価値観の違いからの隣人トラブルもよくあります。
注文住宅に向いているのはこんな人
注文住宅とマンションのうち、どのような人に注文住宅が向いているのでしょうか。そのポイントを4つに整理してみました。
注文住宅に向いている人 |
1.戸建て思考が強い人 2.複数世代にわたって長期的に住む予定の人 3.自分や家族のこだわりを住空間に反映したい人 4.クルマを複数台所有している人 |
1.戸建て思考が強い人
マイホームといえば、やはり庭付きの一戸建てと考える人は少なくありません。そんな方にとってのマイホームは住む場所というだけでなく、人生のステータスシンボルでもあります。
その場合は戸建て住宅を選択するべきで、さらにいえば家づくりの意向を反映できる注文住宅が最適です。
2.複数世代にわたって長期的に住む予定の人
これから購入する家に今の世代だけでなく、子の世代も住む予定の場合は、土地部分の資産価値が残りやすい戸建て住宅がよいでしょう。注文住宅にすることで、未来の家族構成を想定した家づくりもできます。
3.自分や家族のこだわりを住空間に反映したい人
家づくりは長い人生の幸福度に直結するため、自分や家族のこだわりをしっかり反映させたいなら注文住宅の一択となります。
4.車を複数台所有している人
マンションで車を複数台所有すると、駐車場代が大きな負担になります。車の台数が増えても柔軟に対応できる意味では注文住宅が優位です。
マンションに向いているのはこんな人
注文住宅とマンションの選択で、マンションを選ぶべき人のポイントを4つの項目に整理しました。
マンションに向いている人 |
1.住空間に高い利便性を求める人 2.子どもがいない家族、すでに子どもが大きい家族 3.バリアフリーにこだわりたい人 4.高いセキュリティを求める人 |
1.住空間に高い利便性を求める人
設備や快適性など、生活に高い利便性を求めるのであればマンションに軍配が上がります。
極端な言い方をすれば、マンションは住宅設備のかたまりです。駅、スーパーやコンビニ、医療機関、学校が近いなど、立地条件も含めて便利さを最優先する方はマンションを選ぶべきだと思います。
2.子どもがいない家族、すでに子どもが大きい家族
家族のなかに小さい子どもがいない家族であれば、隣人への騒音問題を起こす心配をあまり考える必要がありません。
隣人への騒音は、隣人が何も言ってこなくても気になってしまうものですが、そのリスクがないのであればマンションも一考の価値があります。
3.バリアフリーにこだわりたい人
マンションは生活の利便性を追求した住空間なので、バリアフリーにもしっかり対応しています。
戸建ての注文住宅だとどんなにバリアフリー対応をしても、2階建て以上になると上下の移動がありますが、マンションだとそれがないため完全バリアフリーを実現することもできます。
4.高いセキュリティを求める人
戸建て住宅は家がむき出しになってしまい、玄関ドア以外にも家に出入りできてしまう箇所があるため、防犯上の不安を感じる人も少なくありません。
マンションだと1階エントランスがオートロックになっていることがほとんどで、しかも各戸はドア1枚で施錠できるため高いセキュリティ性が確保できます。
しかしこの優位性はマンションだけのものではなく、戸建てであっても注文住宅にすることでさまざまな工夫を凝らすことができます。
大切なのはあなたのこれからの生活にどちらが合っているか
注文住宅とマンションについて、両者のメリットとデメリット、さらにはそれぞれにどんな人が適しているのかについて解説しました。ご自身の家選びのご参考になりましたでしょうか?
大切なのはどちらが優れているかではなく、どちらがあなたのこれからの生活に合っているかです。ご自身の考えだけでなく、家族構成や家族の事情、そして意向を汲み取って判断しましょう。
ただ、もっとも要望を満たすことができるのは注文住宅であり、このことは動かしようのない事実です。家づくりにどうしても実現したいことがある、そのようなこだわりがある方は、最終的に注文住宅に行きつくことでしょう。
(提供:タツマガ)
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