三井物産の暗号資産(仮想通貨)事業を手掛ける三井物産デジタルコモディティーズは7日、ブロックチェーン技術を用いた金価格に連動することを目指す暗号資産「ジパングコイン(ZPG)」の発行を開始することを発表した。
ジパングコインは、三井物産が一部出資する暗号資産交換業者デジタルアセットマーケッツにおいて、2022年2月より一般利用者向けの取引が開始される予定だ。
具体的には、8日よりデジタルアセットマーケッツにおける一般利用者向け口座開設申し込みの受付が開始し、17日より取引が行えるようになる予定だという。今後は、他の暗号資産交換業者においてもジパングコインの取引ができるようになるようだ。
ジパングコインは、インフレヘッジ機能などの金の特性を備えつつ、デジタル化による利便性と小口化を実現した国内初の「デジタルゴールド」といえる暗号資産である。
今後、金現物との交換機能を実装し、将来的には他のコモディティに連動した暗号資産を商品化することも想定しているようだ。
資料によると、1ZPGは金現物1グラムと同等の価値を有する。販売するトークンの総量は390億円に相当する量。将来的には、発行上限数を増やす可能性もあるという。
なお、ジパングコインの発行システムにおける基盤ブロックチェーンは「bitFlyer Blockchain」が開発した「miyabi」を採用。miyabiは独自のコンセンサス・アルゴリズムにより、高いセキュリティを実現している。ウォレット機能も標準で備えており、STO(デジタル証券を活用した資金調達)プラットフォームの立ち上げが可能だ。
今回の採用理由についてデジタルアセットマーケッツの西本一也・代表取締役は「ブロックチェーンを活用した金融システムを構築する上で、ブロックチェーン自体のシステムの安定性も重要な評価軸の一つとなります。高い安定性を有するプライベートブロックチェーン『miyabi』は、『ジパングコイン』のシステムに最適なプロダクトであると考えます」とコメントしている。(提供:月刊暗号資産)