大手動画プラットフォームのYouTubeが、Web3.0(分散型ウェブ)分野の事業を率いるディレクターの募集を開始したことが明らかになった。同社のメタバースを含む次世代分散型ネットワーク事業への取り組みが、本格的に始動したと考えられる。
今回Linkedinに公開された求人情報によると、「YouTubeのWeb3.0事業のビジョンや戦略、ロードマップの明確化から遂行まで」が職務の内容になるという。
また、応募条件としては次のものが挙げられた。
〈必須項目〉
- 15年以上のプロダクトマネジメントの経験
- インターネット消費者商品または暗号資産分野における経験
〈尚可〉
暗号資産やNFT、トークンの購入、保有、取引経験
- 号資産やブロックチェーン、コンセンサスの仕組みやNFTなどのWeb3.0技術の理解等
YouTubeのCPO(最高製品責任者)を務めるNeal Mohan氏は先週、2022年のロードマップとともに同社の動画プラットフォームでメタバースが体験できるサービスを作り始める旨を公表していた。
同社は、まずはゲーム関連の動画でメタバース技術を導入する計画だ。視聴者が動画内のゲームと直接交流できるようにし、より実体感のある体験を提供するよう取り組んでいくという。
Mohan氏はメタバース分野がまだ黎明期であるとした上で、「今後、仮想世界を現実のものとして視聴者に提供していくことを楽しみにしている」と述べた。
また、YouTubeはNFT(非代替性トークン)分野への参入も計画している。
YouTubeが新領域に参入するのには、同社のクリエイターらがNFTなどの新技術を活用しつつ、クリエイターとファンの体験をより良いものにするという意図があるという。
大手SNS企業がブロックチェーンやNFT、メタバース事業に参入する例は今回が初めてではない。例えば、Twitterではユーザーのプロフィール画像にNFTを導入する試みも行われている。
他にも、Meta社(旧Facebook)がメタバース事業に大きく投資しているという例もある。
Mohan氏が述べたようにメタバース分野は未だ黎明期にあるが、今後さらに各企業による取り組みが加速していくものとみられる。(提供:月刊暗号資産)